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【読書記録】了巷説百物語

2024年129冊目。

巷説百物語シリーズの最終巻。敵が幕府の中枢になること、戦いの中で治平が命を落とすことなどはすでに前の作品で明かされていましたがついに読むことができて感無量です。

憑き物落としの中禪寺洲齋が登場。巷説と百鬼夜行のリンクはこれまでのシリーズでも行われていて、狂骨とかもそうですが又市の仕掛けが時代を経ることで逆に災いになってしまっていたのを京極堂が落とすという展開でした。『鵼の碑』でも言ってましたが化け物遣いのやり方が通じにくくなってきている過程を見た気がします。

又市がほぼ登場せず、最後の解説も中禪寺にやらせたのは意外でした。中禪寺も憑き物落としを行ったわけでもなく、結局又市も中禪寺も嫌う人死が大量に出てしまいました。とある人物の正体が肝になるわけですが、意外性という点では少し弱かったかなと思います。

その分荒事が今作は非常に多く、アクションシーンは読み応えがありました。化け物遣いの中でも荒事担当は限られていますので彼らにとっては大活躍の巻でした。荒事担当以外のキャラの見せ場もちゃんとあったのでそれはよかったと思います。

ともあれこれで完結なわけですが、スピンオフの『病葉草紙』などもあり、これからも出番があるかもしれません。百鬼夜行シリーズにもまた絡む可能性もあるかもしれませんので、再会を楽しみに待ちたいと思います。

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