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【前編】TCP2022第2回応募説明会イベント(金井純一監督ゲスト登壇)

先日、TCP2016準グランプリ受賞者であり、受賞作・映画『マイ・ダディ』監督・脚本を務められた金井純一監督をゲストにお迎えしたTCP第二回応募説明会がオンラインにて開催されました!

金井監督からTCPへの応募、受賞~作品製作に至るまでのお話と、参加者の方々からのご質問にもお答えいただきました。TCPへの応募を考えておられる方はもちろん、映画監督というお仕事、映画『マイ・ダディ』に関心がある方々に読んでいただきたい内容となっていますので、その一部をインタビュー形式でお届けいたします!

― 金井監督よろしくお願いいたします。

よろしくお願いします。

―今、監督はどんなお仕事をされていますか?

今年入ってからはCMをやったりとか、ミュージックビデオもやったりしていました。今は、情報解禁はまだですが、6月から放送がスタートするドラマのメイン監督とメイン脚本をやっていて、その準備をしています。放送されたら、ぜひ観てください。

◆TCPへの応募~受賞まで

映画『マイ・ダディ』金井純一監督

―『マイ・ダディ』の構想はどのように思いつかれたのでしょうか?また、構想からTCP応募までの簡単な流れについて教えてください。

僕が受賞したのは2016年度だったんですけど、今みたいに3つに応募部門が分かれているわけではなくて、1つしかありませんでした。企画書を出して通ったら、脚本を出して、最後プレゼンテーションして、上位3名選ばれたら映画化できるという流れだったと思います。

最初は、映像業界関係のメーリングリストでそういったコンペがあるというのが回ってきてて、何か出そうかなと思っている時に夢を見たんですよね。とある夢を見まして、それのメモを取って、これ映画化できるかもしれないと思って、そういえばメーリングリストで回って来てたTCPの案内があったな、応募しようかなという流れでした。

あ、その時の夢のメモが見つかったので、せっかくだったら…。

―ぜひ、内容を教えてください。

本当にメモなんですけど、
「意識不明の母、医療費を収めていたのは親友の女の子、女の子は身体を売って医療費を稼いでいた、親友の女の子が実はお母さんの娘だった」

というメモしていて、シリアスだったんですね。TCPに応募したいと思った時に内容がシリアスすぎるし、もっとエンターテイメントにしたいなと思って、そこからいろいろ考えて。

最終的なメモとしては、
「娘が白血病にかかり、自分の血液を調べる父、しかし娘とは血がつながらないことがわかる、母は既に亡くなっているが、娘は間違いなく母のお腹から生まれた娘だ。母は浮気をしていたのだ。父は娘のドナーを探すため、母の浮気相手を探しにいく。」って書いてあって。

ほぼマイ・ダディになっているんです(笑)

―本当ですね。一番最初に見られた夢とは、応募時点の内容は少し違うんですね。今年の応募に関しても企画書は基本提出物として提出いただいているものになるんですが、監督が構想を企画書に落とすときに意識したことや気を付けたことはありますか?

僕としては物語を売りにしたいと思ったので、確かその年は企画書にA4で10枚までとかの規定があったんですけど、10枚に1枚も絵は使わずに脚本くらいの勢いでびっしり文字だけの企画書をあえて送って。読んでほしいとは絶対に思ったので、めちゃくちゃいい紙にプリントアウトしました。光沢があって1枚何十円もする(笑)

それがベストかはわからないけど、他の応募者との差別化とかを考えたほうがいいかなと思って、文字と紙質にこだわりました。

あと読んでもらって理解してもらわないと始まらないので、自分の想いというのはもちろんあると思うんですけど、なるべく客観性というか読む人の視点に立つというか…。

TSUTAYAの人たちが審査すると思うんですが、全員が映画好きかわからないし、本しか読まない人とか、ドラマをたくさん見ている方とかもいると思うので、とにかく読みやすさとかわかりやすさ、第三者が読んだときに、伝わるかどうか。その視点というのは映画化するときも重要になってくるので、“人が読む”というのを意識して書きました。

―自分の想いは伝えつつも、客観性というところに重きを置いてつくられたということですね。総製作費5,000万円のバックアップ体制と謳っていますが、金井監督は応募時に製作費のことも考えて応募されましたか?

そうですね。だから最初キャラクターの設定がピザ屋の移動式販売にしてたりしたので(笑)
監督とかをやられてる方はどうしても意識しちゃうと思いますけど、TSUTAYAさんも言ってるけど、企画部門とか脚本部門の方は、むしろ5,000万とかにはまらないような、お金のことはあんまり深く考えないで幅広く考えたほうがいいかなと思います。

―そうですね。事務局としても5,000万円というのにとらわれすぎて企画の自由度をなくすよりは、思い描いていただいた企画をそのまま企画書に落としていただくことが一番大事かなと思うので、応募者の方にも自由にやっていただければと思いますね。

―最終審査のプレゼンはどのように行われましたか?

他の参加者の方は予告編のような映像を作っていたんですけど、あれは自腹でめちゃくちゃお金がかかるので、僕は知り合いの役者さんに頼んで写真を使ったプレゼンで途中まで説明していって、その続きを役者さんに実際に舞台に出てもらってワンシーンを演じてもらって差別化しました。

―今年は最終審査会映画関係者の前で行うショー形式はお休みをしまして、審査に重きを置いて、クローズドでの開催を予定しているので具体的に通過者の方がどのようなアプローチをしていただくかは解禁前なのですが、『マイ・ダディ』に関しても一番の作品の良さを伝えるのが生お芝居というところだったのですね。

その企画企画に合った魅力が最大限にアピールできるようなものを皆さんもご用意いただければなと思います。監督はなぜ最終審査で自分が選ばれたと思いますか?

企画が良かったのと、僕が過去に映画を撮っていたというのと、話しやすい人だったということかなと(笑)

―なるほど、人物ですか?

人柄も見られるのではないかなと思います。それは今の時代当たり前ですけどね。人の意見をそのまま聞きますというのではなくて、自分の芯もありながら話し合いをしながら作っていきますというスタンスでいたほうがいいかなと。

後編に続く👇

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ゲスト:金井 純一監督
大学在学中よりドキュメンタリー作品をはじめとした映像作品を製作し、2007年伊参(いさま)スタジオ映画祭にて『求愛』(きゅうあい)がシナリオ大賞を受賞。その後2013年『ゆるせない、逢いたい』で劇場長編映画デビューした後、昨年はあいみょんが作詞作曲したDISH//の楽曲「猫」を原案にドラマ化、テレビ東京系で放送された「猫」の監督・脚本を務める。
公式Twitter:@kanaijun1
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