小山台幼稚園の運動会

本当に久しぶりの投稿である。スキをいただいた小山台幼稚園のことを思い出したので書いてみる。いろいろなエピソードがあるが、私はあの幼稚園の運動会も大好きだ。

 とにかく当事者が楽しむ運動会だった。おばあちゃん先生が初めに挨拶をするのだが、「今日は運動会。晴れてよかったね!運動会は見せるものではなくてみんなが楽しむものだから挨拶は以上です。終わり!」という数秒たらずのあいさつで始まった。そのころ現役のNHKのアナウンサーであったおばあちゃん先生の息子さんが進行役のお手伝いをしてくれて、狭い園庭で手作りの競技が繰り広げられていった。20人くらいの園児なのでお父さんやお母さんも一緒になって参加。一般の幼稚園のような遊戯の披露は無く、飛び入り参加おおいに歓迎。2歳の弟である息子も一緒になって踊る。障害のあるなしを特別扱いしない。小児麻痺のお友達もいたが一緒になって動く。当然時間がかかる。ほかの子供たちがゴールしてその子一人になっても誰もそれを助けもしない。お兄ちゃん先生は「おそいな~。」なんて言うくらいだ。本人も「ぼくはしかたないんだよ~」と言ってニコニコして頑張っていた。そしてゴール。会場みんなが拍手していた。そのお友達もニコニコ。速さを競うのではなく達成感を味わう運動会。

うちの娘もミッキーに仮装して走るのだが、途中で機嫌が悪くなり止まっていた。それでも司会進行の先生は、「ミッキーさんは機嫌が悪いようですね~、いつゴールするつもりなのか見てみましょうか。」といって進行をスムーズに進めるとか、周りへの対応を気にすることもなく本人の気持ちに添っていた。そしてゴールしたらその時に「やっとゴールしましたね、頑張ったね。」とアナウンスしてくれたので会場の人たちも拍手してくれて娘は嬉しそうにしていた。

ちょっとした対応の違いで、大きくその子に与える影響が変わる。これは小学校にいってからの運動会でいやというほど味わうことになる。小山台幼稚園を娘が卒園するとき、「おばあちゃん先生!どうして小学校を作ってくれなかったんですか?」と聞き分けのない子供のように訴えた私がいた。おばあちゃん先生はいつものようにニコニコして、「いろんな人がいて面白いね。だから人生は面白いのよ。」とほほ笑んでいるだけだった。


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