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四国初のビズモデル「サカビズ」誕生!外資系出身の晄 直紀センター長に聴く「企業の成功のカギ」

おおしば / 学生←記者
このインタビューは、かがわ経済レポート2021年3月5日号のトップインタビューより一部抜粋・再編集してご紹介しています。

地方創生の切り札ともいわれる「ビズモデル」。 地域の中小企業や起業家たちの強みに光をあて、より輝けるようにサポートしていく無料の経営相談所です。

ビズモデルは、静岡県富士市の「エフビズ」(2008年設立)が作り上げた経営支援モデル。カネではなく知恵を出し、中小企業の売上アップを目指しています。現在、全国に20拠点以上のご当地ビズが生まれ、それぞれに成果を上げています。

2021年2月28日、四国初となる待望の「坂出ビジネスサポートセンター」(サカビズ)が香川県坂出市に開設。

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サカビズで経営相談にあたるのが、P&Gジャパン、日本ヒルズ・コルゲート、アマゾンジャパンなど5つの外資系企業で長らくキャリアを築いてきた晄 直紀センター長。

「キャリアだけ見るとエリートとおっしゃる方もいますが、真逆の人生だったんですよ。母子家庭で貧しかったですし、初めてお金をいただいた仕事は小学生時代の新聞配達。そもそも大学に行けるなんて思っていなかったのです」

やわらかな表情でそう語る晄センター長は、なぜいま、外資系の世界から香川県に赴任し、地元経営者らのサポートを担うのでしょうか?そして、様々な業界における「成功のカギ」とは?

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晄 直紀(ひかり なおき)氏
大阪市立大学商学部を卒業後、P&Gジャパンに入社し13年間勤務。その後、日本ヒルズ・コルゲートで副社長を務め、アマゾンジャパンエムシードゥコーを含むグローバル企業4社で活躍。様々な業界における「成功のカギ」を見つけ、戦略を策定することを得意とする。
応募総数225人の中から三次選考を経て、サカビズセンター長に2021年2月就任。

サカビズは経営に悩むすべての人を無料でサポート! 

坂出市が運営するサカビズは、中小企業や創業希望者を支援する場所です。相談は1枠につき1時間。何度でも無料です。

それぞれの人や企業には必ず固有の強みがあると信じて光をあて、その強みを活用することで売り上げアップを提案。ヒト・モノ・カネ・情報などすべての経営リソースに悩む事業者のサポートに必要なのは、具体的で実践可能なアイデアです。

できるだけお金をかけず、知恵を絞ることで売り上げを伸ばし、実行まで伴走します。

対象者は「ビジネスに関するチャレンジをしたい」というすべての方。市外や県外の方、もちろんフリーランスや副業も含まれます。小さな種の部分から、一緒に育てていきましょう。

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個別相談からスタートし、ご相談の課題に応じた連携・マッチングの提案を行うこともあるでしょう。例えば金融機関と連携した事業プランのお手伝い、それから知財の特許取得を目指される方には弁理士をお繋ぎすることもあるかもしれません。

実際にほかのビズで成功されているところは、必ずといっていいほど効果的なマッチングを行っていますね。

さらに2月より中四国の4つのビズによるネットワークも始動。多様な分野のトップランナーであるセンター長らが連携することで、事業者への支援力をさらに高めていきます。

初めての仕事は、小学生時代の新聞配達員

私は大学卒業後、30年以上にわたり、5つの外資系企業でキャリアを築いてきました。

外資系で働くメリットは、年齢・性別・国籍にかかわらず評価される公平性。私も若いうちから責任を与えられ、アントレプレナーシップ(起業家精神)を身につけ実践する機会が得られたことで、大きく成長できました。

一方で、自分の生い立ちは母子家庭で、初めてお金をいただいた仕事は小学生時代の新聞配達でした。

「(手先が不器用なのにも関わらず)工業高等専門学校へ進んで家計を支えよう」と考えていた私に、奨学金の存在と、大学への道を示してくれたのが中学時代の恩師。

おかげで奨学金を借りつつ公立の高校と大学を卒業。社会人になってからも自分のメンターとなるべき多くの方々に導いていただきました。

50歳を目前に、今度は自分がこれまでの経験や強みをいかして、社会に恩返しができないだろうかと考えました。

なぜ外資系の世界から香川県へ?

生まれも育ちも大阪なのですが、ビジネスで重要なポジションを務めるとなると東京勤務に。社会人人生の半分以上を東京で過ごしてきました。

その間、東京への一極集中が進み続け、大阪でさえ以前のような元気がなくなってしまったような気がして。

「日本全体が元気でいるためには、地方に住む人々がいきいきと働き、心豊かに生活をおくるべき」

そう考えるなか、サッカー元日本代表監督で出身高校の大先輩にあたる岡田武史さんが、「次世代のため、物の豊かさよりも心の豊かさを大切にする社会創り」を理念にFC今治を経営されていることに共感。

私も副業・兼業などで地方の中小企業の支援や、スポーツ、地方自治体などに関わりました。

▶中小企業の支援(全国9社:広島県 建築関連業コンサルタントほか)▶スポーツ(愛媛県 プロサッカーチームオブザーバー、沖縄県 卓球プロチームエンジェル株主兼アンバサダー)▶地方自治体(大阪府 まちづくり戦略プロデューサーほか)

より地方創生への興味関心が高まっていくなか、ビズモデルのセンター長の3ヶ所同時募集を見つけ、ビズモデルに共感する部分が大きかったので場所にとらわれず、すべてに応募。

その結果、一番早くオファーをいただいた坂出市に「これもご縁だな」と、赴任を決めました。

サカビズの特徴は?

相談業務は私が一人で行うことが、他の支援機関と比べて大きな特徴かと思います。

相談業務以外のすべてを取り仕切ってくれるのが、日本総研など、多くの組織でコンサルティング業務を経験された事務局長の野口貴史さん。そして坂出市役所の企業活力推進室からメンバーに加わっていただいている松良聡子さん。

メンバーは3人と少人数ですが、ビズモデルの理念を共有する優秀なスタッフに恵まれて幸せです。

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左から:野口貴史 事務局長、晄 直紀 センター長、坂出市 企業活力推進室 松良 聡子氏

また、旧市役所の廃材をリサイクルし、市役所の皆さんがDIYで仕上げてくれた、サカビズのオシャレで快適なスペースも特徴です。これぞまさに「お金をかけず知恵をしぼる」を体現したもの。

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相談者の皆様には、こうした快適なスペースで自由闊達なアイデアの議論をして、前向きな気持ちになってもらえればありがたいと思います。

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サカビズには託児スペースも備えている。今後、スタッフが増えれば、スペースの一部をコワーキングスペースとしても使用していきたいという。

坂出市のポテンシャルをどう捉えましたか?

坂出市の経済は近年まで、瀬戸大橋のたもとに広がる「番の州臨海工業団地」の大企業らによってけん引されてきましたが、グローバルでの競争が進むにつれ、大企業といっても必ずしも安泰ではなくなってきています。

市としても改めて中小企業の支援に注目し、サカビズを立ち上げたのだと思います。

昨年12月から1月にかけて、坂出市に拠点を置く38の事業者との「プレ相談会」を実施し、私とビズモデルの創始者である小出宗昭さんが相談を担当しました。

それぞれに「坂出をもっと良くしたい」「何かアクションを起こしたい」と考えておられることが体感できました。事業者の想いがうまく結果につながれば、地域がいきいきと活性化するだろうと、坂出市のポテンシャルを非常に感じました。

企業の「成功のカギ」とは何でしょうか?

さまざまな業界を幅広く経験できたことで、各業界には「成功のカギ」があるということを学んできたつもりです。

一つは「業界の構造」です。重厚長大な事業と、消費財のように迅速に新しいことを次々と展開する事業では、当然ビジネスモデルは違います。また、企業のポジションがリーダーなのか、チャレンジャーなのか、新規参入者なのかという「立場」もあります。

こうした業界の構造と立場を考えたうえで、今回のビズモデルでも一番大事にしている「固有の強み」とうまく組み合わせたときに、企業がとるべき成功の戦略を見極めることが、成功のカギの一つだと考えています。

コロナ禍におけるサカビズの役割は?

業種によって新型コロナのインパクトは違いますが、ニューノーマルの裏には、必ずチャンスがあると信じています。

そのチャンスを見つけたときに、大きな組織であるほど動きづらいもの。身が軽い中小企業ほど、チャンスに向かってすぐに動けるのです。

一瞬開けるブルーオーシャンを、人より早く見つけて漕ぎ出していくというのは、小さな会社・個人ならでは。変化を先読み、察知して、人よりも機敏に動くことで新しいブルーオーシャンを見つけていく。

その伴走的な支援がサカビズの役割だと考えています。

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サカビズを、何かにチャレンジしたい人たちが気軽に立ち寄れ、来たときよりも明るい顔で帰っていただけるような場所にしたいと思います。

四国初のビズセンターであるサカビズから坂出市を、香川県を、そして四国を元気にして行けるお手伝いをするために全力を尽くします。

他の地域で新たにビズを設立する際に、そのモデルとなれるようなセンターに育てていきたいと考えています。

坂出ビジネスサポートセンター(サカビズ)
・住所:香川県坂出市室町2丁目3-5 坂出市役所 東館1階
・TEL:0877-85-3015
・利用時間:平日9時30分〜17時(祝日・年末年始を除く)
・事前予約制:電話またはWebから申し込み
・利用料金:無料
・公式サイト:https://saka-biz.com/
記事出典:かがわ経済レポート2021年3月15日号より。
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