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掃除のことで揉めて喧嘩をした話を書こうとしたら、ただのラブレターになってしまった。

旅前の大掃除をしていたら、『やってもやっても翌日には汚れてる。洗濯物も一瞬で溜まる。もう無理、疲れた。何もしたくない』とプッツンした。
  
元気がなくなった私を心配して北くんがあれこれして癒そうとしてれたけど、久しぶりに『触れられたくない』という拒絶の心が出て、受け入れられなかった。
   
『人間がいなければ家も荒れないのに』という極端な思考になっていて、自分の中で北くんを敵にしてしまっていた。
(※実際は北くんがやってくれてる分の家事が増えて余計に荒れる部分もある)
  
それでも彼は話し合える環境を作ろうとしてくれて、「お風呂から上がったらハグしよう」と誘ってくれた。
  

  
北くんのことを敵にしてしまっているという自覚はあったし、ずっとそのままでいるつもりもなかったから、お風呂に入りながら気持ちを整えて、布団の上でハグをした。
   
それでやっと話す準備が整って、『掃除の負担が大きすぎて疲れた。ひとりでやりたくない』という感じの話をした。
言葉にするだけじゃ伝わらないと思って、実際にどんなことをどんなペースでやってるのか羅列もしてみた。
  
たぶん、認知がずれてるな、知らないところで北くんが掃除してくれてるとかもあるだろうな、とは思ってたけど、限界を超えて脳がバグってたので、そんな伝え方になってしまった。
   

   
思った通り、北くんは北くんでわたしが思ってた以上にいろいろやってくれてたし、何回も同じことで揉めてるので、気も使ってくれてたらしい。
   
それでもわたしがしんどくなってしまうので、彼も彼で『どうしたらいいんだ!』と珍しく混乱していた。
   
部屋数がないから、わたしのアトリエスペースと彼の部屋が一緒くたになっていること、その部屋の北くんの荷物置き場が恐ろしく混沌とした状態になっていること(ひたすら積み上げてる状態)、散らかった部屋で絵を描く気になれないわたしが「今から絵を描くから片付けて」と急にお願いするので適当に片付けた結果、物がよくなくなってしまうこと、自分の作品を飾る場所がなくて適当に置いてたら壊れてしまって悲しかったこと(最初はわたしの画材置き場に置いてたけど、自分のテリトリーに他人のものを置かれるのが嫌だから戻してた)……。
   
という感じで北くんは北くんで思うところがあり、わたしも、彼が好き勝手できる部屋が必要なことや、彼の作品を飾る棚を置いた方がいいな(けど、埃が溜まるの嫌だな、また掃除するところ増えるのか……というしんどい気持ちもある)などなど、気になってたところではあったので、やっぱりそうだよねと思う気持ちもあった。
   
自由にしてもらいたい気持ちと、それによってストレスが溜まる自分と、生活感への嫌悪と、あちこち汚れが溜まっていく恐怖と、自分で家賃を払ってる家なのに自由にならないことへの不満と、自分の家にこもらないと集中できないのに自分の家を仕事場として使えなくなったら何もできなくなるというジレンマと、いろいろ複雑な気持ちになった。
   

   
一時的に不穏な空気になったりしたけど、北くんが『ごめんね、でも、オレもこの件に関してはいろいろ闇が出てきちゃって、これは我慢しちゃいけないところだと思うから』みたいな感じでフォローしてくれたおかげで、ただ責め合うような不毛な喧嘩にはならずに済んだ。
   
我慢せずに思ってることを話してくれたのは純粋に嬉しかった。素直に話してくれるだけでありがたい。不穏な中でも『こういうところ好きだなあ』と思ってた。その場で伝えればよかった。
   
聞いている時もあまりしんどいという感覚はなくて、多少、感情的になる場面はあったけど、全体的に『そっか、この人はそう感じてるのか。どうすり合わせていこう』と建設的に考えられてたと思う。
   
いま、これを書いていて、こういう時でもお互いに相手の気持ちを思いやれているだけで十分だなあと思った。
  

   
話し合いの末、掃除を一緒にやってもらうのは難しそうだったので、その分、疲れたら洗濯をサボってバランスをとることになった。
  
ていうか、ちょっと前まで勝手にそうやってバランスを取ってたのに、なぜかそれを忘れてた。
   
その件で、北くんが面白いことを発見した。
   
北くんがしんどくなってあまり動かなくなる→わたしが勝手に家事頑張り始める→すぐに限界が来る→わたしがイライラし始める
  
という地獄ループになってるらしい。毎回。
   
……ほんとだ!!!!
  
ここしばらく北くんがしんどそうだったんだけど、なぜか『わたしがやるしかない』という思考になってた。
    
部屋を綺麗にしたい欲求に突き動かされてるだけだと思ってたけど、そっちは表面的なもので、裏では動かない人を責める(動けない自分を責める)心理が働いてたりするかもしれない。
   
ということは、まだまだ無理に動いてる場面が多いってことかな。
   

   
一夜明けた日、朝から布団の上に寝転がって『何もしたくない』を夕方までやり続けていたら、だいぶ回復した。
   
話し合いの時点では、『北くんがいろいろやってくれてるのはわかってるし、だからこそこれ以上は言えなくて一人で頑張ってたけど、どんどん汚すし(実際はすぐに掃除してくれてたけど、タイミング的に気づけない状態だった)、わたしの負担が大きすぎる』という認識だったけど、今になってみると、掃除や洗濯の負担以前に動きすぎていたんだなと、感じ方が変わった。
    
『充実してるーっ!』って感覚だったけど、やってたことって経理とか口座の開設とか事務的なことが中心で、楽しいというよりはタスクをこなす快感を追いかけてた。
絵を描いたりポーチを作ったり楽しいこともいっぱいしてたけど、ちょっとタスク系のことを一気にやりすぎた。
   
精神的に行動をコントロールすることが得意だから、つい頑張って片付けようとしてしまったけど、心が悲鳴を上げてたみたい。
ごめんよ、また無理させてしまった。
   
これまで、充実している時は、無気力な時とくらべて、『次々にやりたいことが浮かんでくるし、いくらでも動ける! 心が健全な証拠!』って思ってたけど、充実してる時ほど注意した方がいいなと思い直した。
   
わたしもしんどくなるし、周りの人(特に北くん)からもエネルギーを奪ってしまうから、『こいつ何もしなさすぎだろ』くらいサボろう。
   
北くんが悲しそうにしてるのを見て、初めて本気でそう思った。
前は、頑張ってる時の自分も好きだしほどほどにサボろう……みたいな気持ちがあったけど、『中途半端に頑張るより、全力でサボって甘えた方が世のため人のため(北くんだけに限らず)』って気持ちになった。
   
頑張ってるねって自分を褒めるのもやめよう。どうやっても頑張りすぎるタイプだから、いったん、頑張ることは悪くらいに偏らないと同じことの繰り返しだ。
   
今後は、楽しそうだね、とか、おサボりだね(かわいい)、とか、自然な状態でいる時だけ褒めるようにしよう。
(北くんはよくそうやって褒めてくれる)
   

   
ちなみに現在は仲直りしてます。
お互いに眠すぎて仲直りのえちえちはできなったけど、朝、バイバイした後に戻ってきてキスしてくれてすごくすごく嬉しかった。
   
掃除の件は解決したから、北くんの荷物を片付けやすくすることと、簡単な作品置き場を作ること(埃が溜まることとか掃除がめんどくさくなりそうなこととかを解決してからだけど)を考えよう。

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