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小説集(仮)

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小説置き場。 書きたいときに、書きたい物語を、書きたいだけ。
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#短編小説

 高校の裏門をくぐって、住宅の立ち並ぶ角を右に一回、左に一回曲がる。  待ち合わせ場所の…

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穏やかな殺人(前編)

 闇の中、突然、意識が覚醒した。瞼が重くて、目を開けるのが億劫だ。嫌な夢を見ていたような…

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穏やかな殺人(後編)

 泣き止んではまた嗚咽し始める、ということを幾度も繰り返しているうちに、頭がぼんやりして…

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夢野久作『殺人リレー』オリジナル・リメイク版(後編)

 町の木がほとんど裸に剥かれる頃には、私たちはすでに内縁を結び終え、同棲生活が始まってい…

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泥棒トカゲと不思議なスイカ

【あらすじ】 庭でスイカ畑を営んでいるおばあさんのところに、ある日オオトカゲが遊びに来ま…

いまごろわたしの蝶は

【あらすじ】 気まぐれに会社を休んだわたしが向かったのは、虫をモチーフにした風変りな美術…

クラムボンと眠りのひみつ

【あらすじ】 タコクラゲのクラムボンが海に浮いていると、頭上から七色にかがやくウロコが落ちてきました。 見上げると、ちょうど人魚が通り過ぎていくところでした。 初めて目にする人魚のうつくしさにすっかり心を奪われたクラムボンは、あとを追うように泳ぎ始めます。 ところが、人魚を追いかけるうちに嵐に巻き込まれてしまいます。 気を失い、浜辺に打ち上げられたクラムボンは、水分を失って、小さく小さくしぼんでいきました。 次に目を覚ましたとき、クラムボンはベニテングダケに変身していました。

ふえる、×××

【あらすじ】 学校に友だちのいない聡くんは、放課後を家の裏の砂浜で過ごしてした。 そこには…

個性の砂

【あらすじ】 やけに狭い視界、砂を詰め込んだように重たい手足。窓に映った自分の姿を見て、…

女の抜け殻

【あらすじ】 薬屋の倅・葉次は、父の遣いで訪れた町で、いつものように女をひっかけようとし…

脱皮彼女

【あらすじ】 恋人の美和(みわ)がクローゼットに鍵をかけていることを不審に思った千景(ち…

エラー

【あらすじ】 競馬で万馬券を当てた男は、立ち飲み屋で酔った帰りに、せっかく手に入れた札束…

なにか見える

【あらすじ】 同じ学生用アパートに住む中村から突然呼び出された山田。「ちょっと付き合って…

ねむれ、ねむれ

【あらすじ】 三年前に別れて以来、道で会えば互いに視線をそらして無視を決め込む程度の付き合いを続けていた元彼から、突然SOSのメッセージが入った。どうやら「ハガヤバイ」らしい。 緊急事態だと感じたわたしは、とりあえず彼の家まで様子を伺いに行くのだが……? (原稿用紙約8枚)  三年前に別れて以来、道で会えば互いに視線をそらして無視を決め込む程度の付き合いを続けていた清春から、突然ラインでメッセージが入った。 『緊急自体/助けてくれ』  うわあ、と思う。  別に、助けたくない