シェア
高校の裏門をくぐって、住宅の立ち並ぶ角を右に一回、左に一回曲がる。 待ち合わせ場所の…
闇の中、突然、意識が覚醒した。瞼が重くて、目を開けるのが億劫だ。嫌な夢を見ていたような…
泣き止んではまた嗚咽し始める、ということを幾度も繰り返しているうちに、頭がぼんやりして…
私が女車掌として働いているバス会社に、新高竜夫という男が入社してきた。 私たちの前に…
町の木がほとんど裸に剥かれる頃には、私たちはすでに内縁を結び終え、同棲生活が始まってい…
【あらすじ】 庭でスイカ畑を営んでいるおばあさんのところに、ある日オオトカゲが遊びに来ま…
【あらすじ】 気まぐれに会社を休んだわたしが向かったのは、虫をモチーフにした風変りな美術展だった。そこで声をかけてきた「昆虫標本愛好家」を名乗る男は、なぜか妙にわたしに執着してきて……? (原稿用紙約20枚) 朝、起き抜けにカーテンの裾をめくり、生まれたての秋空を眺めていたら、無性にどこかへ出かけたくなってしまった。 だから、会社を休むことにした。 ベッドに寝転んだままスマホを手に取り、電話に出た社長に「頭痛がひどいから休ませてほしい」と伝える。ずる休みもこれで三回目
【あらすじ】 タコクラゲのクラムボンが海に浮いていると、頭上から七色にかがやくウロコが落…
【あらすじ】 学校に友だちのいない聡くんは、放課後を家の裏の砂浜で過ごしてした。 そこには…
【あらすじ】 やけに狭い視界、砂を詰め込んだように重たい手足。窓に映った自分の姿を見て、…
【あらすじ】 薬屋の倅・葉次は、父の遣いで訪れた町で、いつものように女をひっかけようとし…
【あらすじ】 恋人の美和(みわ)がクローゼットに鍵をかけていることを不審に思った千景(ち…
【あらすじ】 競馬で万馬券を当てた男は、立ち飲み屋で酔った帰りに、せっかく手に入れた札束…
【あらすじ】 同じ学生用アパートに住む中村から突然呼び出された山田。「ちょっと付き合ってくれないか」と言われるままついていった結果、なぜか夜の公園で空を見上げる羽目になる。 「流星群でも見れるのか?」 焦れた山田がそう訊ねても、中村は「もうちょっとしたらわかるから、黙って見てろ」と言って教えてくれない。 やがてそこを通りかかった人たちも、彼らにつられて次々と空を見上げ始めるが……。 (原稿用紙約6枚) 街明かりから少し離れた位置にある公園を、山田は中村と並んで歩いていた。