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ちんこすこう開発者は見た!#09 首里城の火災はその後どうなったか

2019年10月31日、首里城落つ――。

もちろん攻め落とされた訳では無い、焼け落ちたのだ。
その日、筆者は明け方のニュースで火災を知り、マンションから外を見ると丘陵の上に同時多発テロのような爆煙を見た。まず考えたのは怪我人はいないだろうかということ。そしてもうひとつは火元についてだ。

報道によると死傷者はいなかったようだが、問題は火災の原因。実は二年が経つ今でも解明されていない。それどころか、誰も刑事責任を問われない「事件性なし」という形で捜査は終了している。

火災の直後、筆者は放火のセンを勝手に推理していた。金閣寺の美に憑りつかれた学僧が、それに放火するまでの経緯を描いた小説『金閣寺』。はたまた、何年か前には靖国神社が中国人によって放火された事件もあった。つまり、そこには何らかの歪んだ正義、または政治的なメッセージがあるに違いない!と。
しかし、捜査の過程ではなんとなく原因が見えてきた。それは、

タコ足配線である。

政治的メッセージなど全くの杞憂。要するにタコ足である。目がバツ印になったタコのイラストが目に浮かんできそうな、なんとも切ない出火原因。それで、あの沖縄の象徴と言われた朱色に輝く建築物が全焼である。けれど、このタコ!と怒りをぶつける相手は、いない。

火災の直後から世界がコロナ禍に襲われたことで事故は半分風化気味。そこで、筆者は首里城の焼け跡に赴いてみた。ちなみに有料だ。

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確かに、ない。

昔、自転車を盗まれた時のことを思い出した。帰ろうと思ったら「ん?ない」と。あれに似ている。そもそも俺自転車で来たっけ?というくらい綺麗にないのだ。

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すべてが灰となり、出火原因が特定できないのは仕方がないかもしれない。しかし文化財に関する防災の教訓として、タコ足配線を含む出火原因のあらゆる可能性については、もっと世の中に公表し共有すべきと思う。再建はそれからでも遅くない。

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