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日本語ボランティアって?〜入門講座講師に聞いてみよう!

2024年度日本語ボランティア入門講座の講師を担当する山崎佳子さん(基礎表現を担当)、坂内泰子さん(日本語および日本語ボランティアについてを担当)に今年の入門講座や日本語ボランティアについての学び方を聞きました。
お二人とも何年も入門講座を担当されている、ベテラン講師です。

左:山崎佳子さん  右:坂内泰子さん

日本語ボランティア入門講座の講師として目指していることをおしえてください

山崎:ボランティアの活動は楽しくやりがいがあるということを受講者の方々と共有できるようにしたいというのが目指していることです。

坂内:山崎さんのおっしゃることは身近な範囲でということだと思いますが、私は外国人とつきあうときに人間としてつきあう幅が広げられること、外国の方と日本語をネタにグローバルな自分を作れる。どこの国の人にもわかってもらえる自分の見せ方を学んでもらえるような講座にしたいです。いろいろな文化を持つ人たちとオープンにつきあえるような自分に変身してもらいたいです。

山崎:教えるだけでなく人と世界とつながる楽しさ、ワクワク感を私は感じているので、受講者にも同じように感じてもらいたいと思って講座を引き受けています。

坂内:私の考え方と似ていますよね。人間をより深く理解できるようになる。日本の中の自分が二次元であれば、日本語ボランティアをやることによって三次元の人間になれる。そういうことを実感してもらいたいです。それを目指しています。

今年の講座で特に力を入れたい、取り組んでみようと思っていることをおしえてください

坂内:私は「日本語とは?日本語ボランティアとは?」ということを講義するのが私の担当です。日本語ボランティアをすることは自分の生き方を選ぶということです。日本人だけの日本じゃない、ということを考えてもらいたい。異なる文化の人とも付き合えるということを知ってもらいたい。その結果自分が変わることを楽しんでもらいたい。そのことがわかってもらえるような講座にしたいと考えています。

山崎:私は基本表現を担当します。外国の方が日本でより良い生活をするためのお手伝いするための知識を学んでもらうわけですが、それはひとつの参考例で、実際には自分の好きなやり方で授業を組み立てて授業を進めてほしいです。講座で学ぶことはひとつの例として考えてもらい、自分で工夫してオリジナルの授業が出来るように、基本的な知識を講義したいです。

坂内:受講者が一番気にするのは文法の知識だと思いますが、自分のことはわからないという視点から日本語の話をします。わたしとはこうなんだということが自分の日本語で気づけるように、それが外国の方の目線に一歩近づく方法だと思います。

講座で使用したり参考にする教材などはありますか?

山崎:テキストは自作しますが、地域の日本語教室が開発している教材、オンラインで無料公開している知識を参考にしたりしています。日本語教育学会のサイトに新しく出たテキストや、参考書の著者がその使い方を公開している無料の講座もあります。国際交流基金の日本語教育通信を見たり、多文化共生に関係の講座を受けて参考にしています。 

坂内:私もテキストは自作しますが、受講者には日本語ボランティアをする時に、せまいところで参考書を見て、虎の巻を見るような感じで頑張ってほしくはないんです。

昨年度講座で使用されたテキスト

以下の本は、これから日本語ボランティアについて学ぶ受講者の方に参考になるかと思います。

  • 今井むつみ・針生悦子(2014)『言葉をおぼえるしくみ ─母語から外国語まで』ちくま学芸文庫.

  • 伊藤亜紗(2015)『目の見えない人は世界をどう見ているのか』光文社.

  • 松岡弘・庵功雄・高梨信乃・中西久実子・山田敏弘(2000)『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』スリーエーネットワーク.

  • 市川保子(2005)『初級日本語文法と教え方のポイント』スリーエーネットワーク.

  • 太田陽子編著(2021)『超基礎・日本語教育のための日本語学』くろしお出版.

日本語ボランティア入門講座の受講を考えている方に一言お願いします

山崎:日本語を教えるというのは活動のほんの一部です。学習者とボランティア、学習者同士を通じて世界がつながり、世界への理解をより深められる喜びをぜひ味わってほしい。草の根交流は楽しいですよ。

坂内:自分が変わることを楽しんで下さい。知識は問題じゃないです。今までの自分に何かを付け加えるとどんな変化があるのかを楽しんでほしいです。

【こちらの記事も参考にしてください】

  • 2024年度日本語ボランティア入門講座の記事はこちら

  • 2023年度日本語ボランティア入門講座の受講生のインタビュー記事はこちら

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