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『い駒さんがめっちゃ釣り上手かったんですよ!』
ヴァンキッシュおじさんとの出逢いから数日としない平日夜のこと。興奮冷めやらぬ様子でびめしがLINE通話越しに捲し立てました。
「えっ。びめし、先刻までい駒さんと釣りに行ってたの?」
『そうそう、Twitterでい駒さんと約束して。ふれーゆに行ったんですけど…』
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切欠はい駒さんからのDMでした。彼の方からびめしに釣りのお誘いがきたというのです。
『今度の夜、ふれーゆに釣りに行きませんか?』
※ふれーゆ…川崎区の市民向け娯楽施設。施設周辺の堤防で釣りができるため、本来の施設より釣り場として有名。
『いいですね、行きましょう!最寄り駅まで来てくれたらカーシェアで乗っけますよ』
とんとん拍子に話は進み、びめしとい駒さんの邂逅と会い成ったのでした。
当日。港区某駅でい駒さんを拾い、ふれーゆへと車を走らせました。
『何かスポーツやってそうな兄ちゃんって感じの人でしたね』とはびめしの弁。
車内の会話もそこそこに、「1年ほどショアシーバスをやっているが釣れたことがないので、びめしさんに教えられるほど上手くはないですよ」と早々に予防線を張るい駒さん。
一方で、彼の輝かしい釣果(サイパン編参照)を知っているびめしは、内心『あれだけの釣果を上げたのに自慢もせず、謙虚な人だなあ』としみじみ感心していたそうです。
どこかすれ違いコントのような雰囲気を漂わせながらも、そうこうしているうちにふれーゆに到着したのでした。
2人とも初場所ということもあり、攻略法も見えない中、思い思いにルアーを海へと投げ込み始めました。
「いやあ、僕日本ではルアーで魚釣ったことないんですよねー」
特段アタリもなく、雑談混じりに再び予防線を張るい駒さん。
「いやいや僕も釣ったことないですから…あれ、い駒さんそれ当たってません?」
「え?あっ、あれ?あれ?」
常夜灯に照らされたい駒さんの竿先に生命感のある振動が伝わっていることに先に気付いたのはびめしでした。
一方、当の本人であるい駒さんは現実味のない様子で、半ば困惑しながらリールを巻き取ります。
上がってきたのはー。
「ああ、カマスですね」
「カマスって釣れるんですか!?い駒さんすごいじゃないですか!」
びめしは初めて見るカマスに驚いていましたが、釣れた手応えがなかったのでい駒さんのリアクションはそれはそれは薄かったそうです。
一方で、そのリアクションの薄さを余裕の表れと解釈したびめしは『車内では謙遜していたが実は上手い人なのでは』との思いを強めました。
「いやあ…偶然ですよ。僕日本では初めてルアーで魚釣ったので」
しかしその偶然は重なるもので、群れが来ていたのかもう1匹カマスが釣れ、びめしのい駒さんに対する評は益々高まったのでした。
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『…っていう感じでした』
「すごいね、そのカマスはどうしたの?」
『それが、い駒さんいらないからどうぞって言うんで2匹とも貰ってきたんですよね。炙りで食べたら美味かったですよ』
「へえー…できた人だなあ」
『キャストも凄い良い音出てましたし、何て謙虚な人なんだと思いましたね』
おまけ
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