”料理人”じゃなくてね...
食の活動家
こちらはだんだんと冬の気配が過ぎ去りすでに夏の風景が始まりつつあります。すっかり前回の投稿から随分と時間が経ってしまいました。
ご無沙汰しております。
私は少しづつぎっくり腰から回復し、今月上旬にシェフのチームメンバーと共にイベントのお手伝いに行きました。
その際、私がこのnoteで少しシェフに関する料理のこと、旅のこと、食のことを書いてもいいと承諾を得ました。
ただ、一つ条件があり、先ほどから”シェフ” ”シェフ”と書いてきたのですが、今後は”シェフ”と書かないでほしいということ。
シェフ=料理人
という認識で私は書いていたのですが、本人は自身を”シェフ/料理人”として紹介されたくないというのです。
彼女はお店も持っているし、確かに先頭に立って料理もします。イベントでケータリング料理を運び、メニューも自分で考え、他人の目からは明らかにシェフなのですが...。
では何者なのか。
彼女は、自身は”Food activist ”だと言いました。
Food = 食 activist=活動家
日本語に訳すと”食の活動家”でしょうか。
私が彼女のお料理教室を受けた時から印象的だった言葉は、
ということでした。
決して押し付けがましくない。
土地や作り手に感謝するとかそういうことを言っているのではなく、自分達が生活している土地の育ったものを食し、その間自分はそこで成長し、季節や人生が巡ることを自分で理解する。”循環”のお話をしているようでした。
そんなことを多くの人に理解してほしい、その土地の食文化や地域コミュニティを守りながらも進化させたい、それが彼女の活動です。
現在、彼女は基本的には週に二日しかお店を開いていません。
そのほかの日々は、お料理教室だったり、ケータリング、イベント出展、フードセキュリティの話し合いだったり、カレン族とのコミュニティの会合だったりに参加しています。
彼女の名前はアンさん。
チェンマイの郊外メーリムという地域で、フードスタジオ”ホージャマー”というお店を経営しています。
星の町での食のイベント
さて、今月上旬に参加したイベントはチェンダオ(星の町)という町の山中で5日間開催された食のイベント Secret Mountainです。5日間毎日このイベントに参加する各お店チームが日替わりで昼食を作ります。会場にはタイの南の島や各地から集まった”深林浴・瞑想”などを宿泊しながら練習にきた160人が集まっており、その方達に昼食を提供しながら食についてお話するというイベントでした。
「私はシェフ/料理人じゃなくて食の活動家よ!」
と言われて、私もなんとなく納得です。
私ももちろん”食”にとても興味があり、作ることが大好きで、今まで料理教室で習ったり、個人的に教わったり、独学で本などで勉強したりしてきましたが、果たして自分自身が料理人になりたいかというと、未だ定かではありません。現代の食を巡る形にもいろいろな疑問があったりもします。
だから、私がいろいろな店に弟子入りして料理を学びたい!というような形には、きっと今でもならないと思います。
たまたまアンさんが私に声をかけてくださり、動き出したこの形。このご縁を大切にしたい。
アンさんについていると食を中心にそこから飛び出してもっと広いことを学べている感覚です。まだなんとなくですが、私がアートで表現したいこととアンさんがやっている活動に共通点がたくさんある気がするのです。
時間と状況が許す限り、アンさんのお料理教室の外国人向けの通訳をしたり、旅に同行して色々と学んでいきたいと思っています。
久しぶりの投稿、最後まで読んでくださってありがとうございます。
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