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一回まわってまた戻ってくるレシピ


昔、ただ趣味だったこと

先日、書類関係の整理をしていたところ、いろいろと懐かしいものが出てきました。
まずは、私が19歳の時から書き溜めているレシピ集。

どれも一度は食べて美味しいと思ったレシピを、その作り手さんから伝授してもらったり、新聞や雑誌の切り抜きだったり、自分で作った時の写真を撮って、現像して貼り付け、記憶にも鮮やかに残っている私自身のレシピになっています。

気に入ったレシピは本当に何度も作り、ちょっとづつ変化してさらに美味しい形に成長しているので、いくつか同じレシピがあるように見えても、材料や分量にちょっとした違いが見えます。
そして、今でも日常的に作っているものがいくつもあります。

左が19歳から書いているレシピ集。
右が、昨年からまとめ始めたタイ料理に特化したレシピ集。

昨年からタイ料理に特化したレシピファイルを作り始めたのですが、昔からのレシピをまた見直して面白いことに気がつきました。
まだタイに来るずっと前、ヨーロッパで作っていた”タイ料理”のレシピがいくつかあったのです。

例えば、

エビのライスヌードルサラダ。ヤムウンセンならぬ、ヤムセンヤイ。
これが美味しいんですよね。

おそらくこんなタイ料理はここにはないと思うんです。パートナーに聞いてみても、思い当たらないんですよね。いわゆるヨーロッパの人がタイ料理に影響を受けて作った“タイ風ヌードルサラダ”のような感じです。でもね、これが本当にタイにあってもおかしくないくらい”タイ”の味で、美味しいんですよ。一番似ているものといえば、ヤムウンセンです。ヤムウンセンとパッタイの間のようなメニューです。

そしてパッタイ。

このパッタイは甘い印象です。
ただ、タイの本場のパッタイよりもさっぱりしています。

これらのレシピは、ちょっと手を加えたいところはありますが、今作ってもやっぱりなかなか美味しいのです。

10年以上前、タイに来てから普段作っていた料理の写真。

今見ると、料理自体も、盛り付けの仕方も、あまり美味しそうに仕上がっていないものもたくさんあります。それでも当時の私は楽しんでいました。

今現在の自分自身のレシピ集や、インスタグラムの投稿写真、普段の料理と比べて、少し成長が見えた気がして不思議な気持ちになりました。

”記録”とはすごい力を持っています。

ちなみに、身体作りは毎日の食事もそうですが、
メンテナンスも大切ということで、料理以外にずっと続けているものがもう一つあります。
14年ほど前にタイ古式伝統マッサージ(とそのほかの北タイヘッド・脚マッサージも)も一応習得しております。その証明書もファイルされているのを見つけました。
マッサージはほぼ毎日パートナーに対して施術をしています。

食べるものだけでは、なかなか健康を維持するのは難しいですよね。
私たちは身体を毎日のように酷使しているので、身体のいわゆる側部分からもアプローチをしていくことで、バランスをとっています。このマッサージを習得した当初は、まさかこんなに日々の生活や今私自身がやっていることに役立つなんて思いもよらなかったです。

昔と今が繋がる


そして先日のこと、イギリスに戻ってしまった大好きな友人から頂いた一冊のレシピ本が、再び私の古いレシピ集と今の私との点を結んでくれました。

エラ・ウッドワードさんという人気料理家さんのレシピ本。
自身の健康改善体験をもとにしたビーガンレシピが盛りだくさん!
ビーガンパッタイ。

私自身が昔書き留めたパッタイのレシピも、こちらのエラさんのパッタイレシピも、ここタイの本場で食べられるパッタイに比べて健康的です。
パッタイ自体は、ベジタリアン・ビーガン用にするのはさほど難しいことではありません。もともとシンプルな炒め麺なのです。

では、どこが健康的かというと、一般的なパッタイに使われる油、砂糖、MSGの量と種類の差です。

エラさんの本やヨーロッパでのレシピは、オリジナルのタイのレシピより体への影響を考え、もっと自然の旨みや具材の種類を入れることによって、健康的に美味しいレシピになっていることが分かります。

それが、本場のパッタイより美味しいかというと、
そういうことではなく、
何を良しとするかによって美味しさの種類が違うのです。

そのほかにも、タイやアジアに影響を受けたレシピが結構入っていて、
面白い野菜の組み合わせの種類やソース作りにとてもいいインスピレーションになっています。

趣味でずっとレシピを集め、進化をしながら作り続けてきて、
その工程があったからこそ、
今本場で習う料理の楽しみがあり、
新しいインスピレーションを得られるレシピに出会うことで、
今ままでに愛用してきたレシピから新たに生み出せる料理があるというのが、なんとも嬉しいです。

一周グルーッと回って戻ってきたレシピは、とても新鮮に楽しめる味として変化できていました。

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