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第1話 無能なアドバイザー

Q「海外でどうやって生活しているの?」「家賃は?物価は?」「英語とか難しそう?」まだこの質問をしているようじゃ当分は行動できないなと感じ、本音を言えず取り繕いながら8時間の時差を超えて友人の相談に乗る。エディンバラでの生活を始めて約3ヶ月、ロンドンの時よりも自分が生き生きしているのが肌の調子で分かった。大都市が苦手と分かっていながらのロンドンでの生活は、なかなか馴染めず人混みと反乱、マリファナの匂いで限界を感じていた。去年のクリスマスに訪れ3日間の滞在だったが、エディンバラ市街地に足をついた途端ここだと脳に電波が走り散策中ほとんど口が半開きだったのを覚えている。
 ちなみに冒頭のQについてだがAは「とりあえす行ってみな」だ。それくらい外の文化に触れる、言語の違う人と出会う、不便と向き合うのは価値があるし、考える筋力が上がる。でもこれは私の言語化がうまくできない稚拙な答えで、別の人からはもっと勇気付けられうような鼓舞できるようなAを返すことができるのだろう。今日も私ははっきり言えずURLを送りつけてSNSを身代わりにし無能なアドバイザーを務めている。

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