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10月8日 ホウジャクの姿を求めて園芸センターへ!

 ここまでの投稿で、ホウジャクのホバリングしながらの吸蜜姿を求めて、複数撮影ポイントを歩いてみたけどなかなかお目にかかれなかったことを記事にしてきました。しかし、どうしても撮影したかったので、このため最後の切り札として、花がたくさん咲いている近所の園芸センターに行ってみることにしました。こうなると、【山里の生き物たち】とは少し(というか随分)違いますが、まぁ、良しとしましょう。

 ということで、園芸センターにきました。そして狙い通り、ホウジャクさんに会えました!良きかな、良きかな!その他にも綺麗な蝶や蜂などを撮影することができました。当然ですが、吸蜜系の昆虫にとっては、花がたくさん咲く餌が豊富な場所でなければ、天敵に捕獲される危険を冒してまで餌を採る価値がないのだということですね。 

1.ホウジャク

 ホシホウジャクとヒメクロホウジャクの2種のホバリング吸蜜行動を撮影することができました。両種ともホウジャク亜科に属するスズメガの仲間で、全国に分布しているようです。

1.1 ホシホウジャク

 止まっているときは茶褐色の目立たない色をしていますが、飛翔するときは後翅がオレンジ色のため、目視では羽ばたき部分がオレンジ色に見えて綺麗です。ストローのような口吻を花の根本深くまで差込んで蜜を吸います。短い時間で次々と花を替えながら吸蜜をしていくので、高速AFと高速シャッターが必要になります。私はCANON EOS60Dという古い機材を使用しているので、最新機種に比べたらAF性能が見劣りします。「新しい機種と明るいマクロレンズがあれば、もう少し良い写真が撮れるんですけど」と、技術の未熟さを、使用機材の性能の所為にしています(笑)。

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1.2 ヒメクロホウジャク

 背側の頭部から腹部にかけて薄い黄緑色が特徴です。後翅のオレンジ色はホシホウジャクより小さいので、ホバリングしているときもオレンジ色はあまり目立ちません。ホバリング吸蜜をするホウジャク亜科で、同様に薄い黄緑色をした体色に透明な翅を持つオオスカシバがいますが、今回は見かけませんでした。機会があれば、オオスカシバの雄姿も撮りたいと思います。

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2.ツマグロヒョウモン(♂)

 【10月4日 近くの運動公園周辺で虫探し】でツマグロヒョウモンのメスの姿を紹介しましたが、今回はオスの姿を撮影することができました。メスは前翅の先の方が青黒くなっていて白い縞状の模様になっており、ほぼ後翅に豹紋柄が配らわれています。これに対しオスは、前翅、後翅とも豹紋柄で覆われ、メスと同様に後翅の先端は黒字に白の縞模様が施されています。メスは前翅の模様がオスと大きく相違するので、最初はヒメアカタテハだと誤って認識してしまいました。このチョウもアフリカから日本の温帯・熱帯地方に分布するという生命力の強い品種のようです。

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3.アオスジアゲハ

 使用機材の都合で、被写体を大きくさ撮影することができませんでした。綺麗な前翅、後翅に綺麗な青緑色の縞模様がある蝶です。2枚目の写真は、小さくしか映っていないので判りにくいのですが、葉の上に留まっている姿を撮影しました。オーストラリア、東南アジアから東北以南の日本に生息しているそうです。このような被写体を追っていくと、どうしても長い筒のレンズが欲しくなりますが、素人写真家としては、被写体が近くに留まってくれる幸運を期待するのみですね。

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4.ムモントックリバチ

 胸部と腹部の繋がり部分が強烈に縊れ、さらに腹部も第1節と第2節が縊れている面白い形をしたドロバチ科の蜂です。名前は、お酒を入れる徳利に似た構造の幼虫育成用の巣を作ることに由来するそうです。幼虫用の餌として、徳利型の巣の中には蛾の幼虫を入れておくというなので、花の蜜はこの親蜂の餌なのでしょうか。

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5.キムネクマバチ

 【9月29日 内日ダム公園で虫探し!】でも紹介しましたキムネクマバチです。黄色のコスモスの蜜と花粉を一生懸命に集めていました。見た目は迫力のある大きな体をしていますが、花の蜜を餌とする、温厚な性格の蜂です。今日もたくさんの写真を撮らせて貰いました。

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6.ナガサキアゲハ(♂)

 シーボルトが長崎で発見したので、この名前になったそうです。江戸時代は九州以南に生息が限られていた南方系の蝶だったようですが、現在は東北南部までその生息息を拡大しているそうです。海洋生物でも熱帯性の生き物が日本近海で見つかったという話を最近よく耳にしますが、陸上でも南方系生物の北上が起きているようです。ということは北方系の生物の生息域が狭くなっているということなのでしょうか?北方系の生物の生息域が南下している、といった話は聞かないような気がしますね。この個体は、左後翅が大きくかけています。天敵に襲われたときの名残でしょうか。早く良いお嫁さんを見つけてくださいね。

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7.イチモンジセセリ

 原っぱでよく見かけるセセリ蝶です。この写真では判りにくいですが、後翅に白い4つの斑点が一列に並んでいるのが、名前の由来だそうです。花の間を素早く飛び回るので、留まっているときが撮影のチャンスです。アゲハ蝶やマダラ蝶のような鮮やかな翅を持っているわけでもなく、体長も小さいので、目立たない蝶ですが、こうやって見てみると愛嬌のある顔をしています。

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8.オオハナアブ

 花の蜜と花粉を餌とする、虻の仲間です。複眼は大きくて、左右の複眼が近接している個体がオスで、離れているのがメスです。オスの頭部正面の写真で、複眼に迷路状の模様があるのが判ります。なにか良いことがあるのでしょうが、一体何のために複眼にこのような細工をしているのでしょうか。昆虫の体って、本当に不思議がたくさん仕込まれていますね。

8.1 オオハナアブ(♂)

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8.2 オオハナアブ(♀)

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9.オオハキリバチ

 この蜂は、ミツバチ上科ハキリバチ科に属しています。見かけもミツバチに似ていますね。キムネクマバチと同じように、胸部に黄色の毛が生えていて、フワフワ、モフモフ感がします。夏だと少し暑そうだけど・・・。Wkipediaによると【ハキリバチ類は植物の葉を切り取り、それを使って巣を作ることからこの名があるが、本種は葉ではなく松脂を使う】という優れ技を持っていて、作った巣に花粉と蜜で作った花粉団子を貯蔵し、その上に産卵して孵化した幼虫の餌にするそうです。

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10.まとめ

 やっと近々の目的だった、ホウジャクのホバリング吸蜜行動を撮ることができました。写真の出来栄えは今一つでしたが、ホバリングの様子を投稿することができて最低限の目的は達成できました。

 ホウジャク以外でも、ツマグロヒョウモンのオスとメスを同定できたことと、ナガサキアゲハのオスを観察できたこと、オオハナアブの雌雄の見分け方を知りえたことなど、今回も虫たちにいろいろ教えて貰いました。

 これからも時間を見つけて、小さな生き物たちの姿を残して行きたいと思います。また、写真を撮り始めたことで、自分の撮影技術の未熟さと使用機材の性能について認識を新たにすることができました。あまりお金は掛けられないですが、可能な範囲で機材のアップデートも進めてゆきたいと思った1か月でした。

 ここまで読んで下さった方には、御礼申し上げます。ありがとうございました。もう少し昆虫を中心として、小さな生き物たちの写真をアップしてゆこうと思っていますので、良かったらお付き合いくださいませ。












































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