イルカの童話から人の育て方を学ぶ

人を育てたいがゆえに一生懸命に教えてしまう。

心当たりはありませんでしょうか?

私はまさにズバリでした。

本人のためと自分の価値観を押し付けたり、

先回りして解決策を提示してあげたり、

ついガミガミと厳しく指導してしまったりと、

今思えば、熱血教師の如く教え魔になっていました(笑)

果たしてそれが正解だったかどうか?

今になって自問自答しています。

人を育てるためにはティーチングではなくコーチングの姿勢が大切です。

人の育成に関わっている人なら耳にしたことがある知れません。

ティーチングとコーチングの違いは何でしょうか?

ひと言で言えば、

ティーチングは相手に「教える」ことで、

コーチングは相手から「引き出す」ことです。

コーチングとは相手が既に答え(能力)を持っていると考えて、

その答え(能力)を相手自身から引き出すよう導きます。

相手の能力を全面的に信じて関わっていく方法です。

米国のNLPトレーナーのロバートディルツ氏は、

イルカの童話を例に出してコーチングの極意を伝えています。

「一人の調教師がイルカの訓練を担当されていました。

イルカは小さなプールの中を泳いでいます。

その姿を見た調教師は何もしません。ただ、見ているだけです。

辛抱強く見ているとイルカは突然顔を上げて、

人目を引くような動作を取りました。

その瞬間、調教師は笛を鳴らして餌を与えます。

その後、イルカが顔を上げる行動を起こせば、

調教師は笛を鳴らして餌を与えました。

このことを数回繰り返して行なったのです。

そして次の日。

イルカが顔を上げても調教師は何もしませんでした。

イルカは諦めずに顔を上げ続けましたが、調教師は餌を与えません。

欲求不満になったイルカは尾を水に叩きつけました。

その瞬間、調教師は笛を鳴らして餌を与えました。

その後、イルカは何度も尾を水に叩きつけるようになりました。

そして次の日。

イルカは尾を水に叩く動作を何度も繰り返しましたが、

調教師は餌を与えませんでした。

何度も挑戦しましたが、それでも調教師は餌を与えません。

その後、イルカは宙返りをしました。

その瞬間、調教師はイルカに餌を与えたのです。」

この物語がコーチングとどう関係しているのでしょうか?

調教師がイルカの能力を日々向上させていますが、

調教師はイルカに何の指導も行っていません。

調教師はただエサを使ってイルカと信頼関係を作って、

能力開発のためにリードしていたのです。

イルカは餌が欲しいという目標に向かって、

内側に眠っている素晴らしい能力を発揮しただけです。

このことから私たちは何を学べるでしょうか?

人を育てるとは、人の可能性を信じること。

記事を書きながら、あらためて考えさせられた次第です。



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