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つんの小説

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ぼちぼち書いてます。中編・長編を書きたい。
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2024年6月の記事一覧

〈剥製〉
 剥製の鳥の眼の光がギランと光るとき、僕は目が合ってゾッとした。博物館の長い廊下にそれは飾ってあった。骨と皮を丁寧に剥がしているなら、それは愛なのか。あなたに殺されて剥製にされたい。そんなことを願ってしまうのはあの女が濁っていてとても鋭い魅力的な瞳をしているからだ。

夜のカフェー

夜のカフェー

 “恋人に抱く慕情は柔らかで優しいふわふわとした雲のようなものだけれど、貴方に対するそれは稲妻みたいな刹那的で激しい愛情なので、それに身を任せるのが怖い。貴方のこともうきっと好きだけれど、認めたら堕ちていってしまうのでしょうね。”

そう君は言うけど、それって僕のこと大好きなんじゃないか、 

“貴方意外と無粋な人なのね”