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マーケターがサムネイル画像を作る時の思考プロセス

以前、チームの勉強会として、全員同じ記事を見て、どんなサムネイルを作るか、制作物や制作プロセスをお互いに紹介し合ってみた。すると思いの他、私の制作プロセスに対して、(マーケターでないメンバーから)気づきがあったと反応があったのでそのプロセスを紹介してみる。

先に言っておくが、プロのマーケターが見たら、大したノウハウではないと思う。マーケティングの初心者に向けて書いてみたい。

サムネイルに何を期待する?

サムネイルは何のために作るのか考えたことがあるだろうか?サムネイルへの期待値は、発信者が制作したコンテンツ(以下、アウトプットは主に社内向けに書いた記事という前提で説明していく)に対して読み手が「見ておいた方が良さそうだ」「忙しくても見てみたい」と思えるようにすることだ。つまり、読者に対する行動変容を起こすことを目的としている。

社員が書いた記事はプロではないため、記事の内容はとても面白い事が書いてあるのに、タイトルやサムネイルではそれが伝わらず、誰の目にも止まらないといったことが起きる。なので、「あなたに必要な情報ですよ」と目にとめてもらい、情報を届けるための役割がサムネイルで、それを用意するのが広報チームである私たちというわけだ。

早速、サムネイルを作る時の思考プロセスを書いてみる。

サムネイルづくりの思考プロセス

1.記事を読みポイントを抑える

まずは記事を読んでみる。難しいノウハウが書かれているかもしれない。だが、この筆者が伝えたいことはそんなに難しくないことが多い。トレンドについて書かれた記事であれば、筆者はトレンドを伝えたいのであろう。ただ、「トレンド」と書かれたサムネイルを見たところで読者が関心を持つかどうか疑わなければならない。トレンドとやらの情報はすでに溢れていて目に留める時代ではなくなったからだ。ではなぜトレンドになっているのか、何が顧客の課題になっているのかに着目してみる。その辺の知識がなければ、筆者に直接聞いたり調べたりすることが大切だ。

例えば、IT業界で知らない人は少ないであろうSAPの「2025年の崖」に関する記事のケース。記事のタイトルは「SAPのトレンド」と書かれている。でも、記事を読むと社員が知るべき大きなポイントは、今後日本企業が直面するであろう「2025年の崖」とその対処法に関しての情報であると感じた。業界人として知っておくべき情報であることを伝えなければいけないと、この記事から読み取ることができた。

2.伝えたいポイントをイメージ化

伝えるポイントが定まったらサムネイルのデザインイメージを膨らまそう。先ほど例でいうと、抑えるべきポイントが「今後日本企業が直面するであろう2025年の崖」だったので、崖を上り、障害に向かって立ち向かうデザインを採用した。

デザイン制作はCanvaを愛用中。崖で検索するとそれっぽいテンプレートが出てくる

デザインの制作に使うツールは色々あるが、今私が個人的に気に入っているツールは「Canva」。
以前は、PowerPointを使って制作していたが、制作時間は1時間以上。コンセプトを考え、画像を探し、位置を配置して試行錯誤。使い慣れたPowerPointでもそれなりにできるが、デザインのワンパターン化がネックだった。また、1時間かけて作るのも効率が良いとは言えず・・・

そんなときに出会ったのがCanva。Canvaは様々な制作物を美しくビジュアル化させるツール。テンプレが豊富で、プレゼン資料、バナー、ちょっとしたロゴ作成など、デザイン化したい時には何にでも利用できるので、今は対外向けのマーケティング業務でも、illustratorを使わずにこちらで済ませてしまうことも増えてしまった。
最初の半年は無料で使っていたが、有償化にしてみて、もっと早く有償化にしておけば良かったと思うほど、使い勝手良し、使える幅が広い。このツールを使うと、デザインセンスが自分にはあるのではないかと感違いさせてくれるので、使っていて本当に楽しい(べた褒めしてしまったが、回し者ではない。本当に感動したツールなので・・)

サムネイルで検索すれば下のような魅力的なデザインが選べないほど表示されてくる。イメージに近いものを選んだら、テキストや画像を自由に差し替えて完成。

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Canva:プロ級のデザインのテンプレートが豊富

サムネイルの制作に、以前1時間かけてたのが、今は10分で終わる。デザインのグレードを上げるだけで、社内のポータサイトが洗練されて、社員がまた来たいと思えるコンテンツ集に生まれ変わるので、おススメ。

Canva
https://partner.canva.com/kjdoWM


3.「いま読むべき」と思えるキャッチをつける


デザインが決まった後は、読み手が「いま読まなきゃ」と思えるキャッチを入れよう。例えば下のキャッチがあったら、どちらを読むだろうか。

【どちらの記事を見てみたい?】
⓵2025年の崖について最近のトレンド紹介
②2025年崖についてお客様に説明できる?5分で読めるSAPのトレンドと動向

上記の①②を見れば、大半の人が②を選ぶと思う。でも、サムネイルを作ろうとすると、多くの初心者が①をサムネイルに書いてしまう(と思う)。この違いが、マーケターと名乗れるかどうかの分かれ目になるのではないかと個人的には感じている。

「2025年の崖について」だけでは、読者は読まなきゃ!という心理になる人は少ないだろう。でも、「2025年の崖についてお客様に説明できる?」というように読者に質問してみるとどうだろう。読者は無意識に「自分はできない→説明できるようにならないといけないんだ→読まなきゃいけな」いという心理になる。

そして次の思考は「読みたいけれど今やることがあるから後回しにしよう」という気持ちになりそうだなと容易に想像がつく。そこで「5分で読めるSAPの動向」をサブタイトルに入れておこうという風に考えていくことができる。これで、5分で読めるならとすぐにクリックして読んでもらえる確立が上がる。このように消費者の心理を先読みしてみることが大切だ。

まとめ

  • サムネイルは記事を読む必要性を伝えるための行動変容につながる大事な役割がある

  • マーケターの思考プロセス
    ①伝えるべきポイントを抑える
    ②ポイントをイメージ化する。
    ③今読むべきと思えるキャッチをつける
    →筆者と読者を結び付ける(コミュニケーション)のがマーケター・広報担当者のしごと。読まれる記事になるので是非お試しを!


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