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新人行政書士とひよこ狩り

こんにちは、行政書士の阪本です。
春は何かとバタバタしがちで、それゆえ心身のバランスが崩れやすくなる季節でもあります。社会人としてのファーストキャリアが整骨院、セカンドキャリアがケアマネジャーだったこともあり、体感的にもこれらの関連性は実証されているように思います。実際私自身SNSから離れたりまた戻ったりと行動が一貫しておらず、少し心が乱れがちであることを自覚しております。笑

さて、この時期SNS上では新規開業者に向けた発信が活発になります。行政書士で言えば「食える食えない論争」をよく目にしはじめるのもこの時期で、加えて盛んになるのが新人行政書士を対象とするサービスについての議論です。
まぁ開業後何回か春を超えるとこれらはどちらもほぼ気にならなくなりますが、毎年これに類する投稿を目にするたび「あー春やなー」と思うわけです。笑

そしてこれはなにも行政書士に限ったことではなく、私のもうひとつの属性である柔道整復師(整骨院)業界においても同様であるように感じています。したがって本稿で記述する内容は、「行政書士」の部分をご自身の職種に置き換えていただければ少し伝わりやすくなるのではないかと思います。
先に逃げ道を作っておくと、これは単なる私見であり、ある意味で偏見です。その点あしからずご理解の上読み進めていただければ幸いです。

ひよこ狩りとは

ひよこ狩りあるいはひよこ喰いとは、新規開業者を「ひよこ」に見立てて、ひよこではない者がひよこに対してセミナーをはじめとする各種サービスを提供することを指すようです。もちろん法律上の定義づけがされている言葉ではないので、結局はインターネット上のスラングということになります。
ちなみに「ひよこ」の定義については開業後3年以内の者とする説が優勢です。(民明書房より一部抜粋※このネタ誰が分かんねん。笑)

そういう意味では私も「狩り」をする要件は満たしていますが、いかんせん字面が悪く、この響きに不快感を覚える方も少なくないのではないかと思います。実際にひよこ狩り(ひよこ喰い)に関する投稿はどちらかと言えば批判的なニュアンスを込めて使用されているように感じます。

法律上の定義がされていない以上、あとは各自の主観によるものと考えますので、ここではあえてどの行為がひよこ狩りに該当するのかについては言及しません。ひよこ狩りだと思えばひよこ狩り、そうじゃないと思えばそうじゃないという立場です。

個人的には分別付いた大人が自ら稼いだお金で自分の好きなものを買うのであれば、変な壺買って家庭壊すようなものじゃない限り、別に他人がとやかく言うことではないと思っています。ただ私には不要だし買わないというだけの話しです。

ズルいなと感じる方もいらっしゃるとは思いますが、Web集客をメインに据え置き、自分なりの営業スタイルを貫く以上、インターネット上の立ち回りは非常に重要です。新規開業者の皆さまにおかれましても、この点については十分に考慮した方が良いのではないかと思います。(狩りませんけどね。)

ちなみに私は「狩り」の部分より「ひよこ」の部分について違和感を感じます。初年度は自称していたような気がしますが、2年目以降は「こんな見た目60越えたおっさん捕まえて『ひよこ』はないやろ」と思っていましたし、中にはとんでもないキャリアを引っさげて開業する人もいるので、したり顔で「やー新人君!」なんか先輩ヅラしてたらあっという間に彼方へ行ってしまったなんていうこともあるあるです。笑

逆に言えば「ひよこアピール」をすることは可愛げをアピールすることになるので、新規開業者の皆さまが先輩に対してアピールすることも一考の価値があるようにも思います。
知りませんけど。

私のひよこ狩られ体験

私自身の経験をもとにすれば、同業者からの「狩られ」体験は思い当たりません。思い当たるとすればホームページ制作会社にホームページ作成を依頼して60万円を支払った後、 縛りが厳しいことにウンザリしたので公開しないまま契約を解除したことでしょう。

まぁこれに関しては単なる無知が招いた結果なので完全に自業自得ですけどね。笑
ただ、この後信頼できる方に制作を依頼し、そのホームページから毎日たくさんのご相談をいただけるようになったことは怪我の功名であるように思います。失敗から学び、さらにひとネタいただけたという意味では経験としてはアリだとも思っています。

ちなみに開業後は加除式の書籍の営業がよく来ます。フォルムとしては「何かそれっぽい事務所」に見えるので購入しましたが、今ではオブジェとしても機能していません。購入を検討する際は十分に熟慮するようにして下さい。笑

こんなの

新規開業者の実情

行政書士についてよく言われているのが「試験内容と実務との乖離が激しい」というもので、これについてはまったくその通りであるように感じます。加えて業務範囲がとてつもなく広いので、そもそも「何をするのか」を決める段階でくじけそうになります。ここに「行政書士なんて食えないよ」という意見が目に入るわけですから心中穏やかではありません。

正直に言えば各種有料セミナーへの参加を検討したこともありましたが、経費を少しでも抑えたかったので断念しました。今振り返れば、少しでも「安心できる居場所」が欲しかったのではないかと自己分析しています。

セミナー等を受けていない私がその内容について評価することはできませんが、語弊を恐れず表現すると、この「安心できる居場所」としてセミナーやコミュニティを購入するものと考え、それが支払う金額に対するリターンとして見合うものであると感じるのであれば、それはそれでアリなのかなとは思います。SNS上では「同業で群れていても仕方ない」という意見も散見しますが、「人付き合いなんだから別に構へんやん」というのが正直なところです。

ただし、営業という側面で見ればこれは確かに一理あり、実際にSNS上でお仕事のご紹介をいただけるのは他士業さんか他業種さんです。コミュニティに所属すればもれなく社会的地位が向上するわけでも仕事が回ってくるわけでもない点についてはしっかりと理解すべきでしょう。
何だかんだで当初不安しかなかった私も、今では専業で普通に生活できていますので、結果的にセミナー等を受けていなくても問題がなかったことを実証しています。(儲かっているとは言っていない)

とどのつまり、結局はすべて自己責任であるように思います。

まとめ

SNSはじめ特定人の発する情報を盲信してしまうことは危険な行為です。かくいう私もSNS上ではそれなりの計算で立ち回っており、そのすべてが真意ではありません。
「○○さんの言うことだから正解に違いない!」というマインドはいったん横において、常に自分や他人を俯瞰(ふかん)して眺める余裕が必要なのかもしれません。(私に余裕があるとは言っていない

ツナグ行政書士事務所
行政書士 阪本 光


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