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ITエンジニアとして福岡で働くバングラデシュ人材のお話

こんにちは!つなぐっと事務局です。本日は福岡県内のベンチャー企業で働くバングラデシュ人・ジョセさんのお話です。

ジョセさんはITエンジニアとして2年前に初めて日本にやってきました。バングラデシュの母語はベンガル語なのですが、バングラデシュの学校では高校・大学にもなると英語で授業をおこなうところがほとんどであり、ジョセさんもネイティブ並みに英語で話すことができます。

そして日本で働くうえで肝となる日本語能力ですが、正直な話をすると彼の日本語能力は決して高くありません(苦笑)。簡単な日常会話であれば問題ないですが、仕事になるとコミュニケーションの部分でやや難があるかもという具合です。ではなぜまともに日本語能力の高くない彼が日本に就職することができたのでしょうか?

それは、彼の母国バングラデッシュのお国柄と環境、受け入れ企業が求めていた役割にありました。

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IT大国バングラデシュ

バングラデシュに対してイメージが浮かばない方も多いかもしれませんが、実は世界の中で経済発展が急速に進んでいる国と言われています。GDPは毎年7~8%台で上昇しており平均年齢も20代。まさにこれから伸びていく国、それがバングラデシュなのです。
近年では政府が教育にかなり投資をしており、なかでもITエンジニアの教育に力を入れています。お隣の国インドはエンジニア輩出国として耳にすることも多いかと思うのですが、実はバングラデシュもインドに負けず劣らずなエンジニア輩出国なのです。
ここ最近では楽天やDeNA、Google、facebook社といったような国内外の
大企業が優秀なエンジニア獲得のためにバングラデシュに目を付けて採用しているという報道もありました。今やターゲットは日本人でもなく、インド人でもなく、バングラデシュ人材というわけです。

というのも、エンジニア教育に注力しているとはいうもののまだまだバングラデシュ自体、IT人材の宝庫として認知はされておらず、だからこそ採用コストもインドや日本人ほど割高ではないため注目されているのです(新卒1名当たりの採用コストはだいたい日本人と同等と考えていいでしょう)。そんなバングラデシュIT人材の多くは、日本への就職を目標としていると言います。

ここで1つ疑問が浮かびます。

「そんなに優秀なエンジニアで英語も話せるなら、アメリカやいろんな海外の企業に就職するのでは?なぜ日本なの?」

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親日国・バングラデシュ

確かに優秀なだけにありとあらゆる国がバングラデシュ人材に目を付けています。にもかかわらずバングラデシュが日本を選ぶ理由は、バングラデシュは親日国で憧れの対象だからです。そもそもの始まりは昔バングラデシュがインドから独立する際に日本が援助したことが背景にあるといわれています。また今日バングラデシュでは自動車や電化製品などありとあらゆる日本製に囲まれており、日本を愛していることが伺える国でもあります。(ちなみにバングラデシュの国旗も憧れの日本を模してつくられたといわれています)。

そして、ジョセさん自身も日本で働くことを夢見ていたひとりです。2年前、かねてからの夢を叶えるためバングラデシュの首都ダッカにある日本への就職と活躍を目的としたプログラムに参画し、エンジニアとしてのスキルと日本語を学んできました。そしてバングラデシュ送り出し機関を経由して、昨年福岡のベンチャー企業への入社に至りました。

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圧倒的なエンジニアスキル

採用に至った理由としてもう1つ、それは受け入れ企業が彼に期待するスキルと働くことへの姿勢にありました。もちろん日本人の採用がうまくいけばそれにこしたことはありません。しかしご存知のように労働力不足が叫ばれている日本で、ましてや近年エンジニアの採用は非常に難しく、やっとの思いで採用できても早期離職されるなどの問題が採用担当者を悩ませています。

そんな折、バングラデシュエンジニアは日本で働くことが一種のステータスにもなっており、そのため日本に来ることを目指す人材は日本人と比べてもハングリー精神が強く、且つもともと帰属意識の強い国柄と言われているため、ご縁のある企業に感謝し貢献するという考えを持ち合わせています。

そして何よりもエンジニアとしてのスキルです。英語能力が高いバングラデシュ人はプログラミング言語のレポートや新しい言語の情報収集など英語で記述されているものをスムーズにインプットすることができます。
かたや英語ができない日本人は日本語訳に変換してから読むことで対処していくのですが、難解な文章程を正しく理解することは簡単ではありません。またコード作成の際にトラブルが起きた場合のエラーメッセージ等もすべて英語で記載されるため、英語力が堪能なバングラデシュ人と比較するとその差はかなり大きいといえるでしょう。

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これからのエンジニア採用の行方

前述したとおり、エンジニアの採用市場は今後激化していくことが予想されます。優秀な人材は青田買いされ1人当たりの採用コストも高くなると予想されます。そのような時代がやってたときに「日本語が流ちょうにしゃべれるエンジニアスキルの高い外国人を採用したい」といったわがままがこれまで通りとおるのでしょうか。

ハッキリ言うと、彼らバングラデシュ人はもとより海外人材は日本人と同じように日本語を話すことはできません。もしそのようなネイティブに日本語が話せる優秀な人材がいれば、既に大手企業が1名に対して採用費1,000万円をかけて採用しているはずです。中小企業であればそこには成すすべ無しです。
としたときに候補に残る人材は「日本語が話せないけどエンジニアスキルが高い外国人」又は「日本語能力は高いがエンジニアスキルは素人レベルの外国人」といったところでしょう。

今回受け入れて頂いた企業も、日本語スキルは二の次で、それよりもエンジニアとしてのスキルを求めていらっしゃいました。そして選考・面接の中でエンジニアスキルの高さに期待をして、採用を決めた経緯があります。
採用にはリスクがつきものです。「良い人がいれば採用したい」といった考えではいつまでたってもそのような人材は現れません。多少のリスクを払ってでも新たにチャレンジすることが求められる企業こそ、成功に至る企業と言えるでしょう。

ちなみに最後の写真は日本人スタッフとスリランカ料理レストランにて撮影した1枚です。福岡にはバングラデシュ料理レストランが少ないため、致し方なくスリランカ料理屋さんに行きました。写真も見事にボケてしまいました...(笑)


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