iTunes Mac版とWindows版の音質の違い
デジタルの世界は0と1で出来ています。
デジカメの写真やエクセルやパワーポイントは、コピーして貼り付けると、全く同じものが出来上がります。なぜなら、それはデジタルファイルだから…。
そして、音楽も、それがデジタルファイル(WAV、AIFF、FLAC、AAC、MP3)である限り、(例えば)同じ曲のAIFFであれば、全く同じ音がするはずです。(理屈から言えば)
しかし、世の中には、そんな理路整然としているはずのデジタルの世界でさえ、そう言い切れない、摩訶不思議な現象が実在するのです。
私自身も、つい先日、自分でその音の違いを耳にするまでは、そんなオカルト話は全く信じることが出来ませんでした。
そう、その事実は、私が所有するビンテージ・パソコン、eMacが故障したことにより、明らかになったのです。
私の普段の作業用のメインPCはSONYのVAIO-Zなのですが、それとは別に既に製造中止となってしまっているAppleのeMacをサブPCとして愛用しています。
(おそらく、こんなビンテージPCをいまだに使用している人は、日本中探しても、数えるほどしかいないと思われます)
理由は、VAIO-ZにDVDドライブが付いていないことから、もっぱらeMac(DVDドライブが付いています)をCDのリッピング用として利用せざる負えなかったからです。
このeMacでは、
ビートルズの最新リマスター盤をはじめ、ローリング・ストーンズのシングル・コレクションなど、お気に入りのCDをAIFFファイルにてリッピングして、iPodにて愛聴していました。
しかし、そんなeMacが、長年の酷使が祟ったのか、ある日突然、起動はするものの、画面が真っ暗になってしまう不具合が頻発し始め、泣く泣く修理に出さざる負えない事態になってしまいました。
こうして、DVDドライブの無いVAIO-Zにてリッピングせざる負えなくなったことから、仕方なくIO・DATAの外付DVDドライブを購入することにしたのです。
しかし、この時、私は余り深く考えていませんでした。
私がCDからリッピングしていたファイル形式は非圧縮のAIFFで、かつリッピングソフトもMACとWindowsというOSの違いはあれ、同じiTunesです。
そうであれば、当然、同じ音質のファイルが出来上がると固く信じていました。(何と言っても、0と1のデジタルファイルなのですから)
早速、購入したIO・DATAの外付DVDドライブをVAIO(WindowsPC)にUSBで接続し、iTunesを立ち上げて、CDをリッピングします。
リッピングしたCDはディープ・パープルの名盤『ライブ・イン・ジャパン』。
修理に出したeMacの中にこの『ライブ・イン・ジャパン』の音源(非圧縮のAIFFファイル)が格納されていたため、当面の間聴くことができなくなってしまい、フラストレーションが溜まっていたための苦肉の策でした。
(eMacの部品がなかなか手に入らないらしく、修理に少し時間がかかる旨、業者から連絡をもらっていたことも、背中を後押しした理由の1つです。)
Windows版のiTunesのインポート設定は、eMacの時と同じく、
編集(E)→設定(F)の一般にて、インポート設定(O)を押して
インポート方法(I):AIFF エンコーダ
設定(S):カスタム
44.100kHz 16ビット ステレオ
として、
「オーディオCDの読み込み時にエラー訂正を使用する」にチェックを付けます。
これで、eMacの時と同様に、CDから取り出せる最高の音質で、リッピング出来るはずでした…。
■薄く、痩せた音
しかしながら、WindowsのiTunesにてリッピングした音を聞いた瞬間、私は何とも言えない違和感を感じたのです。
「これはeMacでリッピングした音と明らかに違う…。」
WindowsのiTunesでリッピングした音の特徴はずばり、2つあります。
①音像が薄く、ぼやけていること。
②音が瘦せて、貧弱なことです。
わかりやすくお伝えするために、例え話をしましょう。
MacのiTunesにてリッピングした音が、絞りたての100%オレンジジュースだとしたら
WindowsのiTunesでリッピングした音は、みかん味のいろはすです。
(決していろはすが不味いと言っている訳ではありません。濃い薄いの例えとして使っています)
AIFFファイルなので、MP3やAACに比べると、高音が澄み切って綺麗な音だと言えますが、MacのiTunesでリッピングした音と比較すると、圧倒的に低音が不足しています。
つまり、音の濃密さ、エネルギーが失われてしまっているのです。
それは、ディープ・パープルのアルバム『ライブ・イン・ジャパン』の1曲目「Highway Star」の冒頭を聴いただけで、すぐにわかります。
私は、この曲を聴き始めて1分ほど経過した時点で、再生を止めてしましました。
なぜなら、エネルギーの失われた音を聴いているのは、おそろしく不快なことだったからです。
結局、iTunesからも削除してしまいました。
その後、故障のため修理に出していたeMacが無事に戻ってくると、早速私は、その中に格納されていたMacOSのiTunesにてリッピングしたディープ・パープルのアルバム『ライブ・イン・ジャパン』をUSBメモリーにコピーし、WindowsのノートPCのiTunes経由でiPodに転送しました。
そして、その音を久しぶりに聞いた私は、WindowsのiTunesでリッピングした音との余りの違いに、脳天を突き抜けるような衝撃を受けたのです。
■リッチーの、ジョン・ロードの指の動きが見える!
MacOSのiTunesにてリッピングしたAIFFファイルは、とにかく中低音の分厚さが半端ない音像で迫ってきます。
それは、1曲目の「Highway Star」の演奏が始まる前の、PAから出てくる音と、会場の空気感、観客の歓声と拍手を聴いただけで判ります。
そう、1曲目の冒頭の15秒を聴いた瞬間に私は、大阪フェスティバルホールの最前列の席へタイム・トリップしてしまったのです。(それくらい、濃密な音だということです)
物凄い疾走感で始まった「Highway Star」でしたが、イントロのドラムスとギター・ソロの余りの迫力に、おもわず仰け反ってしまうほどでした。音の塊に、自分の体が押しつぶされそうになるのです!
そして、圧巻は、2:15のところから始まるジョン・ロードのオルガン・ソロでした。
何と、ジョン・ロードのオルガンを弾く指の動きが見えるのです!
これは決してオカルト話でも何でもありません。
このアルバムはCD音源であり、DVDなどの映像ではありません。
でも、音像のあまりの濃密さによって、音を聴いているだけで、その演奏者の指の動きまでが映像として脳裏に浮かび上がってくるのです。
そして、第2のクライマックスは4:20のところでやってきました。
今度は、リッチーの速弾きの指の動きが見えるのです。
私は只、呆気にとられて口をポカンとあけたまま、その音の洪水に身を委ねることしかできませんでした。
そう、ふくよかで分厚い重低音、全ての音がエネルギーの固まりとなって襲ってくる音像…。
この音をどこかで聴いたことがある。どこだったろう? 私は頭の中で一生懸命記憶の糸たぐりよせていました。
そして、ついに私の中の記憶の糸が繋がったのです。
そうだ!これは、ディスク・ユニオンの廃盤レコードセールの時に店内に流れていた、ビートルズのアナログ・オリジナルUK盤の音だ!!
■Mac版iTunesでの非圧縮リッピングはアナログオリ盤の音だった!
おそらく、この記事を読んだ大半の方は、そんな馬鹿な…、とお思いになったに違いありません。
アナログのオリジナルUK盤は、通常1万円以上しますし、ビートルズになると、2~3万円、貴重なものになると10万円以上するものもあります。
一方こちらは、リマスター盤とはいえ通常のCDですし、しかも値段は、TSUTAYAで借りてきたものでレンタル代はわずか400円です。
ビートルズのアナログ・オリジナルUK盤が2万円だとすると、その50分の1です。
また、それを聴くオーディオ装置も、ビートルズのアナログ・オリジナルUK盤を聴くような方は、通常、その再生装置(アナログ・レコード・プレーヤーやアンプ、スピーカーなど一式)にも100万円以上掛けている方はザラにいます。
一方、私はというと、再生は専らiPod Touchですから25,000円程度。
こちらも、アナログ・マニアの方(100万円)からすると、その価格は、40分の1です。
信じられないのも、無理はないかもしれません。
しかし、この事実は既に証明されているのです。
それは、オーディオのケーブルやアンプ等を販売している プロケーブル のサイトに、記載されています。
プロケーブル
http://www.procable.jp/
同社のサイト内の
-オーディオの基本と鬼門・その真実-
http://procable.jp/setting/index.html
の中の
にその記述はあります。
【以下、プロケーブル社のサイトより抜粋】
関連記事
人気記事
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?