【観劇記録】宝塚花組・冬霞の巴里③好きポイント

冬霞の巴里、円盤化が決定しましたね〜!✨
円盤化して欲しいけど、ないだろうな…とも思っていたので、とっても!嬉しい!
これからも色んな作品が円盤になればいいな〜

さて、オクターヴとアンブルについて自分なりの解釈を既に書きましたが、他にもこの作品に散りばめられた数々の仕掛けがたまらなく好きです。
こちらも忘れないために、書き残していこうと思います。ネタバレにご注意下さい!

お衣装たち

衣装がこの世界観を確固たるものにしたといっても過言ではないのでは…!と思っています!

オクターヴとアンブルのお衣装は、ブルジョア的な上品なデザインではあるものの、2人の怒りや憎しみ、悲しみ、嘆き等、さまざまな感情が渦巻いている事が表出したかのような、絶妙な色合いのマーブル模様。
プログラムのひとこちゃんのお衣装、やっぱり最高です。

2人とは対照的で光の中を生きてきた、ミッシェルとエルミーヌは、水色単色。

ヴァランタンそして下宿の住人達は、色よりも汚れや埃に目がいく、どこかしらにつぎはぎのあるまさに彼らのようなお衣装。

登場人物達のこれまで生きてきた世界が、衣装によって浮き彫りになり、対照的になっているのがたまらなく好きです!

イネスの衣装は白ですが、オーギュスト・エリーニュス達は、場面によって血(を連想させる黒に近い赤の刺繍)が入っています。

オーギュストが血の衣装を着ている時は、真実(かどうかは定かではありませんが)の姿でありパリを彷徨い続ける亡霊。
真っ白な衣装を着ている時は、オクターヴの記憶の中だけに生きる彼が表現されているのではないか、と思っています。



印象的な台詞の数々

何気ない台詞が実は伏線になっており、オクターヴに大きな影響を与えていた…という作品の構造がとても好きで。
特に好きだった台詞(やりとり)が2つ。
※間違っていたらすみません!

「僕は姉さんと似ていると思う?」
「とってもそっくり!羨ましいくらい。」

このオクターヴとエルミーヌのやり取りが大好きです。
アンブルの様子が変だと思い始めたオクターヴは、エルミーヌとベンチに座り彼女に尋ねます。
ヴァランタンが「似ていない姉弟だな」と言うのに対し、エルミーヌはそっくり!って言うんですよね。
その純度100%の屈託のなさ、光の中で生きてきたからこそ、ヴァランタンには見えた事が彼女には見えない。
オクターヴも本来であればエルミーヌのような人生が送れていたはずの人。
彼女のまっすぐな明るさ・そして優しさが.オクターヴにとっては「優しいのは苦しい」んですよね。
ある意味、残酷。
こういうところが、ウワァ〜〜!好き〜〜!ってなります。笑
愛蘭みこちゃん、とっても好きになってしまいました。

「本心に従うと命取りになる」
「自分が本当に願うこと。それに従うの」

ヴァランタンとイネスの台詞ですね。
冒頭ヴァランタンはオクターヴにこう伝えますが、その真意が見えないまま物語は進みます。
イネスの存在が見え始めた時、全く逆の言葉が出てくるんですよね。そして、イネスは命を絶っている。
そして最後に、自分の本心に従ったヴァランタンも、命を落としてしまう。
しかも、父の仇の息子によって。
このまさかの伏線回収(と言っていいのでしょうか)に、本っっっ当にもう!!!!!と、頭を抱えました…笑
真実が霞の中に消えていく、といった内容の台詞もありますが、『事実』だけでなく、人の『本心』も見えないものだな、と改めて思い知らされました。
見えるようで見えず、とあるきっかけで表出する。
まさに霞のようで、唸らされました。
今回のほのかちゃん、本当に凄かったですね…。
今まで観たほのかちゃんの中で確実に1番好きです。


天気

霞、晴れた日の綺麗な夕暮れ、雨、雷など、状況や場面の空気を反映しているかのようなお天気の演出。
めちゃくちゃ好みでした。
特に、オーギュストが殺された日の夕暮れ、『父さんの血が黄金色に染まっていた』ですってよ…なにそれ…好き………状態でした。
明らかな事実は晴れの日、真相や本心が見えない時は雨や霞がかかり、不穏な出来事の前触れかのように雷が落ちる。
言葉や歌以外での表現が、何から何まで美しいかったです。


『こんな永久輝せあが観たかった』詰め合わせ

・ゆるふわウェーブの永久輝せあ(好き)
・復讐に燃える永久輝せあ(もれなく三白眼)
・姉がいる弟の永久輝せあ(性癖に刺さりまくり台詞祭り)
・恍惚の永久輝せあ(ブノワ殺した後の顔よ)
・迷い苦しむ永久輝せあ(眉間に挟まれたい)
・育ちの良さを隠しきれない永久輝せあ(血統書付きのプリンス)
・嘆きの永久輝せあ(悲劇とのマッチ具合に雪組の血を感じる)
・永久輝せあに合いすぎる曲調と音域ソングパレード
・フィナーレの永久輝せあ(5279159回目の優勝)
etc…

これ冬霞の巴里で全部観られるんですよ?????
コスパが良すぎて実質無料でしたね、本当に。
むしろ初観劇の時はひとこちゃんが美しすぎて見惚れた結果、重要な台詞聞き逃したりして理解できていなかった。笑
オクターヴは、確実に彼のハマり役でした。

観れば観るほど味わいが深まる、本当にスルメのような作品だと思います。
会場のキャパや公演回数を考えると、複数回観劇が難しい人も多かったと思うので、円盤化は大正解だと思います。
あと2ヶ月後を楽しみに、金を稼がねば…と思った次第です☺️

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