【観劇記録】宝塚星組『ディミトリ〜曙光に散る、紫の花〜』

今年の宝塚初めは星組さん!
2回観劇させて頂きました。
(1回目はS席1階下手側1列目、2回目はB席センター)
予習は全くせずに臨みました。
さっそく感想書いていきます〜!

ディミトリ演出ここが好きだよ選手権

正直にいうとジョージアという国を存じ上げなかったのですが、異国情緒溢れる衣装や小物・建築のセットがとても素敵!わくわくしました!

かつての王宮でしょうか?
誰もいない建物の周りでリラの花の精たちが華麗に舞う中、不穏な空気を纏った物乞いが現れ、語り始める。

程なく場面は転換し、真ん中にそびえ立つリラの木の周りには、バーバリウムのように綺麗なガラスの中に咲き乱れるリラの花々。
薄紫色の照明に優しく照らされています。
ディミトリ(礼真琴)の歌で、物語のはじまりです。

この世界観どっぷりなオープニングがまず好き!!!!!

あとはジョージアンダンスを取り入れた戦争の場面、群舞の美しさ
隊形移動は2階から見ると思わず息を呑むほどです。

舞台全体の高さ・横幅・奥行きを最大限に使った生田先生の空間演出が好きなのですが、他にはルスダン(舞空瞳)が林の中へディミトリを探しに行く時の導線(細かすぎて伝わらない好きな演出選手権)

盆回しながら、ルスダンがまっすぐじゃなくジグザグに、階段を上ったり下りたりしながら奥へ奥へ向かっていくのを観てると、観てるこっちも不安と緊張を煽られるのが好きですね(私だけ?笑)

あとはルスダンの挙兵時の高さを使った演出(細かすぎて伝わらない好きな演出選手権2)
ルスダンが最初に挙兵した時は高台の上、最後に挙兵した時は舞台の板の上。

これは私の解釈ですが…政治経験がなく王として未熟だった彼女がいわば『お飾り』の王として立っていた頃は、高台の上・国民より物理的に高い位置に立つことで統率を取ろうとした。
物語が進むにつれ、ジョージアを保つ王としての本質的な責任と自覚を持った彼女は、兄であるかつての王と同じように国民と同じ高さの場所(板の上)に立ちました。
そして、命令ではなく協力を呼びかける形で挙兵し、トビリシを奪還することになります。

ルスダンの成長がこの高さが変わる演出で感じられるのがメチャクチャ好き〜〜〜!!!

ひっとんルスダンの挙兵の手の挙げ方と表情の違いもたまりませんね(大好き)


勇気とは、何か。ーギオルギ王に狂う、オタクの心-

ギオルギ王(綺城ひか理)が嫌いなオタクはいるか、いやいない。(反語)

物語の核になっているのってギオルギ王だと思うのですが、かなりあかさんギオルギ王の周囲との関係性のバランスが良い〜〜〜!し、芝居が上手い…!

いろんな国の色んな王が出てきますが、良い意味でジャラルッディーン(瀬央ゆりあ)やチンギス・ハン(輝咲玲央)のような目に見える強烈さはないんですよね。
柔らかな太陽の光のような、暖かさのある王。
若く賢く聡明で、立場を超えた人の心・情を理解でき、愛する事ができる人。

最初はバテシバ様(有沙瞳)との悲恋が強烈に描かれる故、客席を切なさの嵐に叩き込んでくる王ですが


(王だからって権力を振りかざすのではなく、王としての立場故に国政とバテシバ様の自由を優先させ、自身の心は犠牲にするってさァ…少女漫画の当て馬がやる王道の行動パターンじゃないですか。つまりオタクがめちゃくちゃ好きなヤツってワケ。こんなん好きになるやろ、なあアヴァク)
(アヴァクさん巻き込まないで)
※感情が溢れすぎるため線をいれて抑えています


モンゴルが襲ってきた時は自らが先頭に立ち、国を守るために勇敢に戦います。
戦場で再開したディミトリに、

ギオルギ王「ついて来い。勇気とは何か、見せてやろう」


なにそれ…か、か、かっこいい〜〜〜!!!!!
(オタクとディミトリ、心の叫び)
(ディミトリも巻き込まないで)

ここで、ギオルギ王が優しく切ないだけではなく、人として・王としての勇気と強さも持っていることが鮮明に示されます。


そして極め付けがこちら。


アヴァク「陛下は右目が、殆ど見えていない」


オタク「は、儚〜〜〜!?!?愛おし〜〜〜〜!!」
※そこーーーーーーー?!?!
というツッコミはお受けします。

人は愛しさと切なさと心強さが揃ったと感じる瞬間に沼落ちするという法則がありまよね。
ギオルギ王、フルコンボだドン。
おまけに顔も良いし声もいい、最高…。
これはディミトリもアヴァクもギオルギ担になりますわ。

モンゴルとの戦争で大きな負傷を負ったギオルギ王は、ディミトリとルスダンにジョージアを託して亡くなります。
(開始30分ほどで推しが死ぬのつらい)

しかし、その後もディミトリ、ルスダンがギオルギ王の影響を受けている事を節々で感じられるのです。

「王として」「王配として」「人として」…
ギオルギ王だったらどうするか、と、一つの道標にしている事が琴ディミトリ、ひっとんルスダンのお芝居から伝わります。
特にディミトリは、ギオルギ王が示した「勇気」を見て、自分の愛する人、国のために何をするか選択していくんですよね。

その道標にしたくなるような人の大きさを、短い場面の中で大袈裟ではなく地に足のついたお芝居で、あかさんギオルギが示されていたのが、大ッ変、素晴らしかったです!!!

アヴァクさんがすぐにルスダンに忠誠できない気持ちも分からなくないな、と思ってしまいます。

あかさんが星組生としての最後の公演で、琴ちゃんとひっとんに影響を与え、せおさんと似ていると思われて、ありちゃんにクソデカ感情を抱かれ慕われて、くらっちと愛し合う役で良かったなと思いました。
特に、礼・綺城・有沙トリオの歌は、心を震わされるものがありました。贅沢な時間だったな。


そんなわけで感想と言ってもほぼギオルギ王についてだけ書いた偏った文章になりましたけれども、全体的にとても面白く、素敵な作品でした!
宝塚初めがこの作品で幸せ。

では!ここまで読んで下さりありがとうございました。

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