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いつもありがとう、好きだよ

友達って、何だろう。
恋って、何だろう。

そんなお話。


著者は高校2年男子、吹奏楽部でトロンボーンと指揮者を担当している身。活動日程や内容を司る、部活の運営の中核でもある。同期は自分を含む8人。うち女子は6人。

1番仲良しなのは、クラリネット担当で副部長を務めている、同じクラスの女子。中高一貫校で、入学から中3のとき以外ずっと同じクラス。成績は結構上位で、クラリネットの音色もすごく綺麗で澄んだ音をしている。仮にMとしておく。

Mとはクラスでも部活でも、良く話すし関わりが強い。クラスの合唱祭実行委員も一緒にやっている。

Mとは中2のときから、徐々に仲良くなった。彼女は積極的に前に立つタイプではないが、部活のことを冷静に見つめ、真剣に考えている。自分にはない長所に、新しい視点をもらえることも多く、自然に話す時間が増えていった。

高校に入ってから、Mとの関係に悩むようになった。いや、Mへの感情に、と言ったほうが合っているだろうか。Mと話していて落ち着く、もっと一緒にいたい、と感じている自分がいた。

別に、それ自体おかしくはない。友達に感じることもある内容。だけど、他の同期に感じるそれとは何かが違う気がする。

「好きになってしまったのか?」

いや、人として好きな同期は他にもいる。それでいいんじゃないか。でもそれと違う感情ということは恋愛感情なのだろうか。いや、尊敬の念に近いのかもしれない。

そんな堂々巡りを経て高2、今に至る。

Mのことが好きだ。

それが友情か恋愛感情か尊敬か、自分にはわからない。

けれど、もう「ただの親友」ではなくなってしまった。世間で言う「友達以上恋人未満」のような、少し特別な関係だと思う。

Mを独占したい気持ちはあるし、ほかの男子に嫉妬している時もある気がする。

別にドキドキはしない。むしろ落ち着く、心が浄化されるという方が合っている。

辛いことがあるときも、ゆっくり話を聞いてくれる。そんな彼女に何度救われたか分からない。

コンクールを控えた7月、Mの誕生日。

「いつもありがとう、話してる時間が本当に楽しくて好き。たくさん助けられてる。最後のコンクール、頑張ろね!」

著者は、そんなメッセージを送った。

それが正解かはわからない。分からないから、どうにでも取れる「好き」に逃げた。

今日も答えは出ないまま。
でも、きっと明日もMと話し、そんなひと時に幸せを感じるのだろう。

(続く…?)

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