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使い勝手が悪い成年後見、法改正はいつ?

共同通信社 特別報道室 編集委員
市川 亨

社会保障分野を10数年取材している記者


認知症や知的障害がある人の権利を守るはずの成年後見制度だが、使い勝手が悪く、利用は伸び悩む。
あまり報じられていないが、実は法改正に向けた議論が進んでいる。ただ、実現には今から6,7年かかりそうだ。



使い始めたら、死ぬまでやめられない


読者の皆さま、こんにちは。共同通信の記者で市川亨と申します。今回は「成年後見制度」について話したいと思います。

皆さん、ケアマネ業務を通じて成年後見のことはある程度、ご存知だと思いますので、基本的な説明は省きます。介護保険と同じ2000年に制度が始まり、24年がたちますが、予防サービスを含め約650万人が利用している介護保険に比べ、成年後見の利用者は22年末で約24万5千人にとどまります。認知症の人は推計700万人近く、知的障害の人は約121万人いますので、潜在的なニーズはもっと多いはずです。

利用が低迷している理由としては、大きく3点が指摘されています。

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