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内海アートフェスのメイン画に込めたもの

「内海アートフェス2023」
TsumugiWorks
Art Work

A4見開きリーフレット表裏。specialthanks
たくさんの方々のご縁で成り立っている。

・・・・今回のメイン絵について・・・・

なぜだかいつの頃からか、シンメトリーな絵をよく描いてしまう私。
たぶん、太陽とか月のモチーフが出てくるとよりそういうイメージと繋がるのだと思う。
左右バランスよく中心から放たれる光の柱が観えるからだろうか…
ということで、この絵もまず最初に「橋と夕陽」というキーワードから始まったので
そんなシンメトリックスタイルな作品となったのです。

この絵を描くのに、1ヶ月ほどの時間掛かりましたが、話が来てから完成までの間
田島・横島という地を毎日のように実際にじっくりと観察しました。


田島は、広島県随一の海苔の養殖を行う地。海苔は冬場がシーズンなので
去年もやらせてもらった海苔の工場のお手伝いをするのにここ数ヶ月間は自転車で往復約1時間半かけ
横島から田島へと通っていました。
気温が低い日でも到着時には汗ばむ様な距離ですが、どんな氣分、どんな天候であろうとも、日々変わる島の景色が素晴らしいので、いつも旅をしているような感覚になって、自転車も単に移動手段というよりプレイアクティビティとして楽しく乗る日々です。
なんなら、氣分が落ちている時にもその時間のお陰でスっとそれが抜けて感謝が出てくるくらい。
やっぱり、開放的な自然の景色を眺めながら、酸素をたくさん取り入れ筋肉のポンプを使い血液循環させる行為って健康まっしぐらだと思う。

内海のゆるキャラ、のり子とのり男。何度も観てるうちにじわじわくるユルさ


時間によって違う海や空や山の色、匂いだったり、鳥などの動物の動きだったり。
元々そういうものを感じる事に、私は最も純粋なときめきと生きている幸せを観る人間ではありますが
【私なりに感じたこの島の空気感が伝わる絵を描く】という目的があったからこそ、初めて意識し観えて来たこの島の姿というのにたくさん出会えたなぁ…ということを何度も感じました。

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まぁ、そんなこともあって
この絵の中心にシンメトリックにどーんと鎮座する橋は内海のシンボルでもある『内海大橋』なのですが、
その上を自転車で走る女性は、自分自身の姿を連想し描かれたものでもあります。無意識的に自転車の色も愛車と同じ水色に🚲

この橋の上を通るのは大半が車なのですが、車を運転出来ない私は必然的に自転車で通ります。
しかし、もし車でしか通ったことない人が居るならば是非、天候の良い日にでも生身で通って頂きたいなと思う。
そのくらい、360°景色も風の抜けも最高に気持ちいいスポットです。橋を通る度に真ん中あたりで立ち止まって、しばらくの間ぽーっと景色を眺める時間が大好きです。最高に贅沢な時間です。
サンセットハンティングの為に橋まで自転車飛ばして行くこともあります(ちなみに、私は愛車のことを心の中で「サンセットハンター号」と呼んでいる)

オリジナルのsunset hunterステッカー


朝日に夕陽。太陽が昇り、降る。始まりと終わりのその美しいグラデーションのマジックアワーは、いつだってこの世界のきらめきを表し、今生きていることの感謝を与えてくれる宇宙のショータイムです。
橋の上から観た景色、一年通してこの島のあらゆる場所で何度もじっくり観てきた夕陽の輝き。
それら全ての空気感、感覚、色を統合して、この絵の真ん中にて光届ける太陽、その拡がる光と色を描きました。

この日は空気が澄んでいて、夕陽がぴっかーん!という感じ


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内海大橋は、本土と内海町の島を繋げる大切な結びの橋

この橋も何度もいろんな角度からじっくり実物を眺めました。
そのうちに、橋とは一体どんな存在なのだろうか…なんて深くまで考え想いを馳せたり。
1989年に開通したこの橋のお陰で人や物資など様々なエネルギーが行き交える様になり、、
まさにこの島の重要な太い血管のような、神聖な橋。そこを通って私もこの地へと流れ着いた。

2023.3.7満月と内海大橋。海苔仕事の帰り道を振り返っての一枚



そしてこの内海アートフェスの主の目的というのは『島のエネルギーの活性化』にあります。
その話を伺って私も、色んな意味で、勇氣使いこうして注力させてもらいました。
これは様々な気づきを与えてくれた島へ感謝を表現する機会だと。

昨年島にあった学校は全て廃校となってしまったばかり。
そんな島にアートの力を使い新たな文化の火を灯す。新鮮な風を吹かせる。
そういう想いで、地元の人のたくさんの支援協力あって創り出される催しです。
内海大橋はその想いを現実に結びつける重要な存在で、この催し自体の象徴でもあり、
そんな橋を支える柱とは、島とそこに暮らす人々の健やかな繁栄を願う、その想念の象徴なんだなとイメージが繋がりました。
そこから、私はこの絵の中で橋の御柱にスパイラルの煙の様なモチーフを絡ませました。
それは目に見えぬ想いが目に見える現象と結びつく時に起こる渦をイメージしたもので
それはそのエネルギーが勢い付き拡がり立ち昇って未来へ繋がって行くことへの祈りです。


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他、登場モチーフにはそれぞれ想いが込められています。

○船
橋から全体の景色を眺めていると、たくさんの船が通って行く。色々な船がありそれ自体も楽しいが、
船が通った後の波の波紋がどんどん拡がる様子がまた美しい。

○椰子の木
内海にはヤシ科のシュロやフェニックスの木がたくさん生えていて
それがまた空と海と合わさって素敵な独特の雰囲気を演出してくれています。
特に夕陽をバックに映るシュロのシルエットはいつ観ても素敵🏝

○水仙
内海の町のお花は水仙とされていて、2月下旬から3月にかけていたるところで水仙が咲き
甘い香りを放っている。庭や畑の土を整理した時、こんなとこにも!?×3というくらい球根が植ってました。
植物好きなら田島にある「水仙の里」という場所へ是非行って欲しい(山羊も居て癒し)

○お地蔵様
島には目に見えないものへ感謝する、祈りの文化が残っているのを感じます。お地蔵さんが民家の間や山道の途中などたくさんの場所に置かれている。そして毎朝しっかりと手を合わせる島の人々を見ます。祈る姿はとても美しい。これからの時代にこそ、改めて大切にしていきたい文化だと感じます。この自然界と人、全ての繋がりによって今生かされていることを再認識させてくれる祈りの習慣。

○赤い鳥居
美しま神社と書かれた小さい鳥居がこれまたいたるところにたくさんある。あなたを生かすこの美しい島を尊び大切に扱いましょうという想いの象徴。

○岩
内海の島は水晶の様な透明な鉱物が混じった岩肌が多い。昔城があったと言われる山の上にも巨石がゴロゴロ。横島の切石山の頂上は巨石が突き出た絶景パワースポットです。岩には神様が宿り「磐座」と呼ばれ祀られていることがありますが、そんな神聖な空氣を感じる場所が密かに多くあるのが内海町。

○笛を吹く子ども
今回の展示会場の一つである「家廻(やまわり)公園」にいつも居ます。いい景色の観える場所で笛を吹いている。


島の愉快な仲間たち。狸も昔からこの島で暮らし子孫繁栄してきたようです。近所でもよく挨拶しますが、この島では猫と狸の合同集会が観られます。どんな情報を交換しているのだろうかといつも気になっています。

街頭の上のカモメ
島の愉快な仲間たち。続く街灯の上に一羽ずつ、綺麗に収まるむっちりしたカモメたちの姿を注目してみてください。癒されます。

○空を飛ぶトンビ
島の愉快な仲間たち。横島には鳶が巣山という名の山があるくらい。鳶たちもたくさん島に暮らしています。羽ばたくことなく優雅に風を受け飛ぶ姿、ピュロロロ〜っと空に響く声に安らぎを感じます。島で最も風を読む能力に長けた生物だろう。
ちなみに田島にはサギたちの暮らす小島もあったり、海の生き物も含めれば、人と共にたくさんの仲間がこの地の恩恵のもと暮らしている。この島の懐の広さを感じます。

シュロの木のシルエット



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まだまだこの島の知らないことってたくさんあると思う。
素敵な部分だけではないというのも観えています。例えば、この島はゴミをそのへんに捨ててしまう人が多すぎるということだったり…
他にもあるだろう。また新たに観えてくるものがあって出来ることも増えて行く。
奥深い島での旅の途中、素敵なギフトを頂きありがとうございます🏝🙏

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