実数とソメイヨシノ
Vol.3【ワタシノ愛ノセカイ】
日々の岐路で探すのは、最良の道ではなく「自分」なんだ。
日常の些細な岐路はもちろん、人生を揺るがすような岐路でこそ最良の道などない。だけど、未知への恐怖が押し付けてくる安全に、私たちは心地よくうな垂れる。自分の無知と勘違いして。
岐路での迷いは無知だけが理由ではない。実数と虚数を無意識で混在させ、思い込みの価値を膨らませて心を邪魔するんだ。
日常の当たり前が私たちの価値となり、正誤や善悪、または同等で岐路を眺める。選ぶ道そのものに価値をつけ、価値で選ぼうとするから人は困惑するんだろう。
無知と価値の境目は難しいけれど、真の価値はいつなんどきもニュートラルなはずなんだ。そして、誰かと差異があるからこそ価値となる。
実数の価値は単純で主体性を失う。虚数の価値こそが自分なんだ。そして、生きやすいのは混在する複素数かもしれない。現実に想像を巡らせて自分の世界を創造する。
つまり、岐路で見つめるべきは自分の規準である。
人生での不安や苦しみの局面は、自分の個性を探すありがたい機会で、実は喜びや幸せなんだ。だから、その積み重ねが人生に厚みを添える。
主体性を欠く人生の創造は、限界があり岐路にて心を惑わす。ときに、惑わしすら忘れさせるドラッグにもなる。薬漬けの日常に慣れてしまった私たちは、どこへ向かっているんだろう。
外に大切な価値などない。
価値は自分の内にある。
とりあえず本日、私は空を見上げようかな。儚くも根を張り巡らすソメイヨシノを照らす世界で。
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