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⑫悪魔と天使の出逢う意味

第3章最終話【子育てと私。ほぼほぼタロジロ】 

タロジロへの子育てラブレターです。 

タロジロ。
家族を崩壊させたままでごめんなさい。 
 
あなたたちが生きているだけで感謝しています。

贅沢にも私を愛してくれてありがとう。
 
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金木犀の香りを知らない2017年11月。 
5歳ジロウは七五三を迎える。 
 
ムスリムのお友達に囲まれて祈願する常夏の地。 
 
 
着物と千歳あめ。
浴衣姿の8歳タロウ。 

お母ちゃんは5歳タロウの七五三に想いを馳せる。 
 
日本ではお父ちゃんがひとちぼっちなんだ。 
 
孤独との闘い。
裏切りへの怒り。
未知への恐怖。 
 
愛する人の奇行は心を掻き乱す。 
4年経ってもこだまする叫び声。
癒えない傷から響く罪深さ。
 
 
 
私は悪魔なのかもしれないな。
だからタロジロがいなくなったんだ。
 
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2017年12月。 
 
8歳タロウと5歳ジロウとの奇妙な日常がはじまる。 
 
この4年間の親子時間。 
 
 
約2ヶ月。
約60日。
約1,500時間。 
 
 
1年は12ヵ月で360日で8,760時間。
4年は48ヵ月で1,440日で35,040時間。
 
 
タロジロとの4年1,500時間の歩みをくまなく記憶する私。 
 
 
35,040時間あれば24倍の記憶があったのかな。 
1,440日あれば24倍の子育てができたのかな。 
48ヵ月あれば24倍の愛を贈れたのかな。 
 
 
 
金木犀の甘い香りが心を惑わせる。
 
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2021年11月。 
 
タロウ12歳。
ジロウ9歳。
 
ついこの間までお腹にいたのにな。
ハグとキスの期限が気になる。 
 
枯れない愛をありがとう。
無償の愛をありがとう。
生きる勇気をありがとう。 
  

すべてが儚いけど、
すべてが尊くて、
すべてが愛おしいんだ。 

 
悪魔の心を救いあげてくれる天使たち。 
 
 
輝く姿に近頃ノミコマレそうになるんだな。 
 
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お母ちゃんに全身で反応するタロウ。 
9月から15分密会がほそぼそと続く。
 
自分に投票した新聞コンテストの最終選考。
 お母ちゃんは僕自身を認めると喜ぶんだ。
 
授業で観たお芝居「走れメロス」の興奮。 
 お母ちゃんは僕の新しい体験を喜ぶんだ。
 
誰にも漏らさないように努める母との密会。 
 お母ちゃんは僕が会いに来ると喜ぶんだ。


「お母ちゃんが喜ぶと僕は嬉しいねん」
 
 
 
自分を全力で届けようとするジロウ。 
9月から3分密会があったりなかったり。 
 
大きな木をお母ちゃんへの大好きにする。
 僕はお母ちゃんより好きが大きいんだ。
 
ちょっと偉そうな「会いに来てええんやで」。
 僕はお母ちゃんが来てくれたら嬉しいんだ。
 
希望のない4人での暮らしに代案を訴える。
 僕は今でもお母ちゃんと一緒にいたいんだ。


「僕が嬉しいとお母ちゃんも喜ぶやろ」 
 
 
タロジロの無償の愛は未だ枯渇しない。 
 
 
 
 
切ないのに私は全身が熱くなるんだな。
 
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甘い香りに漂う悪魔。
弱い心には甘さが絡みつく。
そして大切な人を傷つける。
 
金木犀が香ったら強く心に語りかけよう。


 
お母ちゃんにとってタロジロとの出逢いは神様からのギフト。 
 
きっと悪魔が美しくしなやかな心を宿すためにめぐりあったんだ。 
 
タロジロはどうして私と出逢ったんだろう。 
 
いつか意味をみいだしてくれるといいな。
 
 
 
 
タロジロ。
愛してる。
心強くあれ。

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ーー第3章おしまいー 
Facebook編2021.11.09投稿

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親子の愛が循環する世界へ


ひとりでもたくさんの子どもが
両親はもちろん大人たちから
愛を注がれますように



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