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⑪普遍と不変と不偏/呑気に思考停止してんちゃうで

第3章【子育てと私。ほぼほぼタロジロ

タロジロへの子育てラブレターです。 
 
視点の数だけ「自分」を膨らませてゆくタロジロ。 
 
点の多さは同じ世界をきっと違って見せてくれるんだ。 
 
あなたたちの景色を一緒に眺められるお母ちゃんは最高に幸せです。 

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5歳ジロウがお母ちゃんに懇願する。 
 
「ジロウはお母ちゃんと住みたい」 
  
 
 
2018年の私の交渉先は弁護士と裁判所だ。 
 
子どもがほぼ存在しない場所。
ついでに別居親も存在しない。
存在できるのは権力に従順な大人だけ。
 
そして意外と社会の縮図だったりもする。
 
お母ちゃんごときではどーにもならん。
 
 
手段をいとわない5歳ジロウ。
目的を達成しようと躍起になる。 
 
 
 
「タロウもお父ちゃんも一緒やなくてええから」 
 
 
 
2021年。
目に入る無邪気な5歳前後の子どもたち。 
在りし日に想いを馳せて愛でる今。
 
 
 
私は小さな心にどれほどの圧をかけてきたのだろうか。

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タロジロの言葉に「なんで?」を積み重ねるお母ちゃん。 
 
私のなんでは「why」ではない。 
 
 
「how」と「what」だ。 
 
 
タロウ10歳ジロウ6歳の2019年ごろからかな。
私は「なんで?」を彼らに尋常なく浴びせ始めた。 
 
 
考えて。
止まらないで。 
 
考えて。
上を向いて。 
 
考えて。
動きだして。 
 
 
 
私にとって思考停止は恐怖なんだ。 
 
ん?? 
 
タロジロにとってはむしろお母ちゃんが恐怖かもしれないな。

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2021年10月、タロウのオープンスクール。 
 
3日間開催される初日の午後。
私はすべての授業のみならず部活も参観する。 
 
 
参観者は私ひとり。 
 
 
挨拶や会釈してくれる子どもたち。
タロウに知らせてくれる子どもたち。
廊下で話かけてくれる子どもたち。
参観しやすい場所へ誘導してくれる先生。 
 
 
間違いなく目立ってる。 
 
 
タロウは思春期か知らんけどお年頃。
 
思慮した1割の懸念を優先させてデータ収集へ。
 
 
 
2日目の参観を留まった。 

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オープンスクール2日目の夕方。 
 
「お母ちゃん。やっほ!」 
 
タロウが不意にやってきた。
部活がお休みなんだ。  
 
 
私は察する。
 
 
正解は9割の方だったらしい。
ある意味正解だ。 
 
 
初日の参観について破竹語りするタロウ。
 
褒めてもらいたい中間テストの結果。
最終選考に残った社会科の新聞記事。
見てもらいたい部活で野球する姿。 
 
タロウのシンデレラタイムが近づく。
 
 
 今日はお母ちゃんこんのかな~って。
 まぁ昨日来たしな。
 でも今日は昨日より保護者多かったで。
 まぁそれでも少ないけどな。
 そうそう明日は部活あるで。
 
 ・・・明日もこーへんの? 
 
 
タロウらしい物言いに頬が緩む私。 
 
お母ちゃんのもとへ自分で足を運び会話を求める姿。 
 
弾丸お喋りの合間に投入されるhowとwhatへの回答。 
 
 
 
しっかり考えてる。

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ちなみにオープンスクール初日。
お母ちゃんは何度も涙をこらえた。 
 
 
重要性を幾度も語り合う語学のテスト報告。
共に滞在した海外での体験を綴った記事。
5年ぶりに見た野球のユニホーム姿。 
 
 
タロウの周りにお友達が集まる光景。 
 
 
そしてなによりも。 
 
校内で人目我関せずとお母ちゃんのもとへ歩み寄って、タロウはせっせと話しかけてくれるんだ。 
 
 
3日目大丈夫かな、私。 
泣いたらそれこそ目立つがな。 
 
まぁそれもおもろいからええか。

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「明日はこんでええで」
 
ムチムチのほっぺを包むマスクを外そうとするお母ちゃんに9歳ジロウが息を吐く。 
 
ばあちゃんちに帰るらしい。
 
 
明日のジロウの命題は『早い帰宅』。 
 
 
お母ちゃんの車での送迎は手段外。
お父ちゃんちまでは徒歩1時間弱。
ばあちゃんちまでは徒歩30分強。 
 
 
ジロウらしい解や。 
 
 
だけどトキドキ不安になるお母ちゃん。 
だからツドツドhowとwhatを振りかける。 

「今の状況をどうしたい?なんて感じてる?」

丸みを帯びたお腹の水筒を握るジロウ。
はっきりモノ申した。
 
 
 4人で住んでみたい。
 お母ちゃんとタロウもお父ちゃんも一緒に。
 なんか楽しそうやん。
 お父ちゃんがお母ちゃんに怒るんは嫌。
 お母ちゃんはなんか言うたらあかん。
 
 
ジロウには「普通」の家族体験がほぼない。 
 
 
 
社会の中で視点を得ていくタロジロ。
 
お母ちゃんの己が問われる。
思考停止にもっと恐怖を抱け。
 
 
止まってんちゃうで、私。

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ーー最終話につづくー
まどか生息のFB編⑪ 2021.10.14投稿

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▼親子が親子らしく暮らせる世界へ

▼タロジロラブレター第1章【タロジロと私。ときどきお父ちゃん】音声版


ひとりでもたくさんの子どもが
両親はもちろん大人たちから
愛を注がれますように



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