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大河ドラマ「光る君へ」第三話「謎の男」所感

 まずはネタバレアラームです。本編のネタバレと、やっぱりチャングムと瓔珞のネタバレします。

タイトル回収(私にとっては三郎くん)

 タイトルの「謎の男」とは誰か。本編中では名前が呼ばれていないにも関わらず「直秀」とクレジットされている直秀さん。散楽のお人ですね。放免に絡まれていた人を救ったり、まひろの家の屋根に現れたり「鼠小僧」感ですが。この人、確かに謎の男の一人であるんですが、私は三郎くんの方が「謎の男」になってしまっていて、笑ってしまいました。前回、次に会った時に自分が何者か明かす、と言っていた三郎くんは、その機会を逃した直後に捕まったので、その場にいたまひろに自分の本性を明かせませんでした。その後、まひろの「あの」似顔絵のせいで、太郎にとっては謎の男となった三郎。絵師は情報くれなさそうだし、百舌彦から見ても似顔絵に見えないし、大体そこに本物いたし‥‥(笑)。この姉弟にとって謎を深めるだけになってしまった似顔絵なのでした。

空気を、読まない・読みます・読むとき・読めば・読め!(読めないの読めは別語)

 中学生のみなさん、口語文法一番のややこしや、動詞の活用です。呪文で覚えましょう。ちなみに、「読む」は五段活用動詞、「読める」は下一段活用動詞(可能動詞)。
 基、今回私が気になったテーマは間違いなく「空気を読むか読まないか読めないか云々」です。まひろに関しては後ほど言及します。空気をあえて「読まない」道長、兼家パパを怒らせるのを楽しんでいるみたいでしたね。「雨夜の品定め」仲間(このシーン、折角なら雨降らせても良かったのに)のお友達じゃありませんが、あえて空気を読まない(ガッつかない)ことで友達からも警戒されず、父からも余計な仕事をさせられずに済んでいる。この人が最終的に権力を極めるのかと思うと、なんだか皮肉ですね。対して兼家パパは、空気なんか読んでいられない、いやみんなが彼が作る空気を読んでいくようにしなければと、少し焦っているようにさえ見えました。ちょっと余談ですが、第一回だったか、散楽が上演していた「安和の変」の「兼三」は兼家パパのことのはず、ですね。ということは、史実では兄二人を蹴落としたはずだけど、いや源の高明に呪われてやっただけだから、俺(兼家)悪くないと言いたいのか‥‥。う〜ん、この散楽は誰の味方?後ろに貴族がついていたとしても、「秋の女御」を描くのも、世の同情を集めて「円融帝ひどい!」の世論を作ろうとしているのか。これが兼家側だったとしたら、こわ。
 閑話休題。空気を読まざる得なくなったのは実資でしたね。あの女房たちの圧にあっけなくやられるロバート実資、可愛らしかったですし、この時代の女房たちが、ただの侍女以上に気を使う存在だということがわかります。
 さて、男どもの空気読む読まないなんて可愛すぎるほど、倫子様のサロンは女子の一番嫌なところを露骨に見せられるところでしたね。でもここ、まひろの成長が見られましたよね。最初「偏つぎ」で札全部とっちゃって、見事に空気読めないムーブしかも赤染衛門さんに「合ってます」とか上から目線発言ですが、その後、「恋をたくさんしたらいい歌が詠める」という倫子様の言葉に、作り笑いをしていたまひろは、ちょっとだけ成長だと思うのは私だけでしょうか。だってまひろは、自分が恋をしなくても代筆仕事で素敵な歌をバンバン詠みまくっていたのですから。「いや、恋してなくても詠めますよ、歌」とは言わない、言ってはいけない気がする、の作り笑いではないでしょうか。それともただキャピキャピについていけなさすぎて表情筋痙攣しちゃっただけかしら。その、偏つぎと和歌のシーンの間に、為時パパとのシーンが挟まれていて、なんでもまっすぐにパパに反抗していたまひろが「(間者として)倫子様のお気に入りになれるよう努めます」とシャアシャアと言ってのけた(本心ではないのに)ところにも、大人の階段を登りつつあるまひろの姿を見ました。もう、父にどうにかしてほしいとは思わない。自分に来た、外出と貴族社会へのチャンスを使っていかないと、と思ったかどうかは分かりません。為時パパのあの驚いたような顔と、その後の少し寂しそうな顔。もう、娘はまっすぐに歯向かってさえくれなくなった。共通の話題を持って大人の付き合いができて、大人として母の死のことも分かってくれると思ったのに、と思ったかも分かりませんが。

ちぃちゃんたちが可愛い。貴子義姉様がキビしい。

 誰って、ちぃ定子ちゃんとちぃ一条(懐仁親王)ちゃんですよ。そういえば前回、円融帝は「親王は内裏に置いていけ」って言ってたのに東三条邸にいる親王さま。結局、この帝にしてみれば何もかも思うとおりにいかない、薬盛られてなくても具合悪くなりそうですね。このちぃちゃんたちの仲の良さ、そりゃ入内してからも超仲良しのはずですわ。それにしても、貴子様が詮子女御の目の前で「転んで泣いているようではいけません」って厳しいな。帝に嫌われて泣いて帰ってきた詮子女御は、この言葉をどう聞いたのでしょうか。これは、空気読んだのか空気読めなかったのか、それとも空気読まなかったのか。

今週のチャングム(そろそろ終わる)

 そりゃもう、自分が好きなことや得意なことには空気読まずに突っ走ってしまう主人公、しかもそこには、地位や立場が上で「超えてはいけない人」がいるのに。チャングムは、比較的小さい頃のシーンでしたが、「熟した柿」のエピソードですね。クミョンはチェ一族として絶対にずば抜けたセンガッシじゃないといけないのに、彼女がわからなかった味に気づいてしまって、それをさらっと言ってしまうチャングム。チャングムの、あのちょっと変わった熱中ぶりとか、身分が低くて経済的にも裕福でないところとか、絶妙に被っています。つまり、このお話はチャングムばりに面白くなるはずだということです。
 それでも、このチャングムや清朝時代劇との被りはそろそろ終わりかな、と思います。チャングムの場合、彼女の記録はほとんどないので、スラッカンの女官だった云々含めてほぼ作り話です。以前言及した瓔珞も、その前半刺繍女官だったくらいまではフィクションですし、貴人になるくらいまでは結構作り多めです。ですから、あくまで女性の一代記として、前半生わかっていない=作らなければいけない部分の共通点は、これくらいだと思うのです。そろそろ、紫式部の歴史でわかっている部分に入ってきますし。いずれにしても、このつかみで、一気にあがって、このドラマを楽しむ気になったのは確かです。第一回で言及した「京言葉をもう少し‥」も、もう海外ドラマの吹き替えだと思って見たら、気にならないです。
 それに、道兼さん。やっぱり歴史上花山天皇がらみでああいうことを起こすわけですから、為時にとっては「こいつさえいなければ」な存在ですが、なぜあんなことするのか、と考えたときに、これくらいのことがないとあんなこと起こすまでにならないよな、と思いました。今の道兼さん、もはや可哀想だという声さえネット上では聞かれますが、歴史上の出来事が不自然じゃないように、ちゃんと仕組まれてますよね。いやいや、面白い、好きですこの大河。

 それにしても、今週は「結んだかみ」が気になりました。一つはまひろちゃんの髪(ヘアスタイル)、左大臣邸に行く時も髪の毛で結んでる?垂らせばそこのお嬢さんたちのも張り合えるくらい長くて綺麗な髪なのに。もう一つは道長くんが持っていた紙(和歌ラブレター?)。誰から?何が書いてあるの?気になる〜!

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

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