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ディスコ?ASML?意外と知らない半導体関連の企業について学んでみた

つみたてNISAに人生を変えられた男、積立 てるぞう(@tsumita_teruzo)です!普段は自分自身と周囲の人たちで共に金融リテラシーを高め、情弱を抜け出すことを目標にInstagramメインで活動しています。

てるぞうサムネ

今回のnoteでは、半導体関連企業について書きました!

メモリアイコン1

近年ニュースなどで耳にすることが増えた"半導体"という言葉。5GやEVの普及、PCやスマホの高性能化により需要がどんどん増しています。しかし半導体関連企業が具体的にどのようなことをしているか、またどのような点が優れているのかを知らない人も多いと思います。

僕が半導体関連企業について学んだ中で、「これはすごい!」と感じた企業についてアウトプットしていこうと思います。企業研究の一助として読んでいただけたら幸いです。

企業の選定基準

今回紹介する企業はどれも投資対象としていいなと感じた企業ばかりです。主にこれらの目線で企業選びをしました。

・社員の生産性を高く保つ仕組み化ができているか
・技術力が優れているか
・市場を独占しているか
・チャートが右肩上がりかどうか

一言で言うと《一生持ちたい株かどうか》に注目しました。

これらの基準を知ったうえで今回のnoteを読み進めてもらえると嬉しいです。

⚠投資は自己責任で

企業紹介に移る前に、半導体製造の流れを紹介します。

半導体企業を調べる際に気を付けるべきこと

・半導体製造工程は長い

調べていく中でわかったのですが、半導体製造には長い工程があります。びっくりするくらいやることが多いし、関わる企業も多いです。僕は今までこれらの流れを知らずに多くの企業を半導体関連企業として1くくりにしていました。自分の無知に対し自戒しています。

東洋経済まとめ

引用元:東洋経済 半導体狂騒曲

今回のnoteでは、半導体製造の中でもニッチな分野を手掛けている企業も紹介しています。もし読み進めていく中で「この企業は工程のどの部分を手掛けているんだ?」と感じた場合はここまで戻ってきてください。

・半導体に関する技術革新はとても速い

もう1つの気を付けるべきことは、半導体の技術革新はとても速いということです。

まず前提として、半導体の性能はトランジスタ数に比例します。
そして半導体のシリコンチップに集積されるトランジスタ数は年々増えています。

つまり、年々半導体は高性能化しているということになります。

このように半導体の性能が上がることにより半導体の小型化も起こっています。半導体の小型化はすさまじい速度で行われていて、40年間でおよそ10分の1にまで小さくなっています。

半導体小型化

画像引用元:テレビ東京 知られざるガリバー

まとめると、今回のnoteではこれらを押さえておけばOKです。

・半導体製造の工程数はとても多い
・半導体の技術革新はとても速いペースで起こる(小型化)

ということで、本題の企業紹介に移ります!

1社目:ディスコ

ディスコ

ディスコ株価

株価は20年間で14,000円→33,450円。最高値更新を続けています。

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一言で言うと、切って削って磨く会社です。

半導体や電子部品のメーカーを顧客として、半導体を切り分けるダイシングにおいて世界トップシェアを誇っています。半導体の機能向上のためには小型化が重要なのですが、切る・削る・磨くの分野において小型化に貢献しているのがディスコなのです。

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どれくらいディスコの切る技術がすごいかというと、0.5mmのシャー芯に縦横8つの溝を入れられるくらいすごいです。

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ディスコ4

すごすぎてもはやよくわからないレベルですね。

また、半導体の小型化に限界が来た場合、注目されるのが半導体の積層化です。積層化のためには半導体を薄くすることが重要であり、ここではディスコの磨く・削る技術が活用されることが予想されます。

このように技術力もすさまじいディスコなのですが、個人的にもっと推せる点があります。それは、社内通貨制度のwillを導入している点です。

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1willはおよそ1円。2003年から導入している。

社員が1人1人サラリーマンでありながら個人事業主でもあるイメージ。つまり仕事を頑張れば頑張ったぶんインセンティブがあるということです。この仕組みについて社長の関家さんは以下のように述べています。

ディスコ6

ディスコ7

この仕組みが定着しているということは、何年たっても社員のモチベーションが高く保たれるということであり、長期にわたって成長し続ける可能性が高いということになります。これらの理由から僕はディスコは優良企業だなと考えました。

もっと詳しくディスコについて学びたい人はテレ東BODで知られざるガリバーを見てください。上記7枚の画像(右上に知られざるガリバーとあるもの)はこちらから引用しました。

2社目:東京応化工業

東京応化工業

東京応化工業株価

株価は20年間で1,870円→7,020円。最高値更新を続けています。

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東京応化工業は半導体製造の際に必須のフォトレジストという化学薬品を製造している会社です。フォトレジストでは世界トップシェア。

こちらの企業は、製造へのこだわりが凄まじいのが特徴です。まず、フォトレジストは紫外線が当たると性質が変わってしまうため、紫外線をカットした黄色い照明の中で製造が行われています。

東京応化工業2

また、自動化が非常に発達しており、工場内には最大で2人しか入らないそうです。

東京応化工業4

これは工場内にチリやホコリが入らないようにするためであり、金銭的にみると人件費削減にも繋がっていますね。これも仕組み化の一部です。

東京応化工業3

ちなみに《チリが入らない》の求めるレベルは異次元です。オリンピックプールに一滴のインクが入ったらアウトというレベルを求めて製造を行っているそうです。

東京応化工業5

この会社では、営業部と開発部が1日1回会話する機会を設けているとのことです。形骸化しなければ、双方の細かい意見をすり合わせるいい機会になるのかなと感じました。

東京応化工業6

経営理念は化学を通じての社会貢献。社長さんの話す様子も真剣そのものに見えました。この熱量は、動画じゃないと伝わらないと思うので、ぜひ後述の知られざるガリバーを視聴してほしいです。

東京応化工業7

東京応化工業8

東京応化工業9

ちなみに東京応化工業は2020年12月時点でひふみプラスの組み入れ比率が8位でした。藤野さんも投資対象として認めているということですね。

東京応化工業ひふみ

ひふみの運用レポートはこちらから

もっと詳しく東京応化工業について学びたい人はテレ東BODで知られざるガリバーを見てください。上記9枚の画像(右上に知られざるガリバーと記載のあるもの)はこちらから引用しました。

3社目:ASML

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ASML株価

株価は25年間で2.91ドル→552.81ドル。10倍以上に。

半導体の前工程である"露光"に必要な露光装置において非常に高いシェアを誇るオランダの企業。露光の中でも最先端のEUV露光装置を製造しており、世界シェアはなんと100%。7ナノ半導体の製造には欠かせない装置です。

↑こちらは日本のサイト。グローバルサイトはこちら。

なんといっても最先端の露光装置であるEUV露光装置で世界シェア100%をとっている点がすごい。日本企業ではニコンやキャノンが露光装置製造に参入しているのですが、EUV露光装置においては開発に失敗し、シェアを全く取れなかったとのこと。つまりASMLの技術は、簡単に真似できない独占された技術なのです。

まだ7ナノ半導体の市場は小さいのですが、今後すさまじい勢いでシェアが14ナノ→7ナノに移り変わると言われています。そんな7ナノ半導体製造に必須の露光装置を製造するASMLは、今後も市場拡大に伴い成長すると考えられます。

懸念点としてはサムスンなどが露光装置の開発にも力を入れている点が挙げられますが、世界シェア100%を切り崩していくことはかなり困難だと考えます。

4社目:TSMC

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TSMC株価

株価は14年間で62.65台湾ドル→632台湾ドル。10倍以上に。

TSMCはファウンドリーという半導体の製造に特化した台湾の企業。設計や開発は行わず、受託した半導体製造のみを行うのが特徴です。

前述のASMLが製造した装置などを用いて、半導体を製造します。半導体製造において世界シェアがトップで、5ナノの量産技術でも世界最速を突き進んでいる企業です。

TSMCのすごさについてはこの人の動画がわかりやすすぎるので、ぜひ見てみてください。悔しいですが僕が説明するよりわかりやすいと思いますw

5社目:レーザーテック

レーザーテック

レーザーテック株価

株価は10年間で173円→13,010円。爆発的な伸び。

レーザーテックは現在急速に普及してきている7ナノ半導体の検査装置を製造している会社です。シェアは世界トップとなっています。

EUV露光装置の検査装置ではなんとレーザーテックがシェア100%になっているのです。先ほど紹介したTSMCが製造した7ナノ半導体を世の中に出すためには、必ずレーザーテックの検査装置で検査しなければならないということです。

レーザーテックについてはこちらの動画がわかりやすかったので興味ある方は見てみてください。

6社目:トリケミカル研究所

トリケミカル研究所

トリケミカル研究所株価

株価は13年間で185円→4,245円。20倍以上に。

トリケミカル研究所は、半導体製造用の高純度化学薬品を製造する会社で、少量・高難度の化学薬品を開発・供給しています。

トリケミカル研究所は、CVDという分野において特許を取得していて、他社が真似できない技術力を持っています。

トリケミカル研究所1

こちらは半導体の拡大図です。半導体にはメモリーセルという重要な部分があります。この幅はとても小さく、およそ10万分の1ミリメートルほど。

トリケミカル研究所3

そして半導体を使えるようにするためには、このメモリーセルの1つ1つに絶縁膜を張る必要があるのです。

トリケミカル研究所4

そしてこの絶縁膜の材料を作っているのがトリケミカル研究所。これがなければ世の中の半導体は存在していないかもしれません。

トリケミカル研究所5

この材料もトリケミカル研究所独自のもの。90種類以上の化学薬品を混合して製造しているとのこと。

また、これは個人的な意見なのですが、動画などで見る限り社員がいい意味でオタクっぽいなと感じました。技術の追求をするのが好きな集団っぽい。
▼上記4枚の画像はこちらのモーサテから引用

こちらもひふみ銘柄。2020年9月時点で組み入れ銘柄17位にランクインしていました。

トリケミカルひふみ

また、以下の動画内でトリケミカル研究所が登場しています。

◇◆◇

以上。個人的に良さそうだなと感じた6社を紹介しました。まだまだ知らない企業や掘り下げられていない企業も多いので、「この企業のここがすごいよ!」というのがありましたらコメントもらえると嬉しいです。個人的に保有しているAMDの企業研究ももっと進めたいなと考えています。

目先の利益を追うサルになるな

ここまで半導体銘柄について紹介してきましたが、ここからは投資についての考えについて書きます。僕がみなさんに伝えたいことは、「目先の利益を追うサルになるな」です。

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半導体銘柄と聞くと、現在もてはやされている分野であり簡単に儲かるように感じます。しかし株を買う前には必ず死ぬまで持ち続けられる会社なのかどうかを考えて購入してほしいです。

短期の株価の上げ下げは、プロでも読むことができません。2020年後半ではアメリカ大統領選挙に関するニュースが飛び交っていましたが、どんなニュースが流れても株価は上がっていました。逆に新コロが出てきた2020年2.3月ころには毎日すさまじい勢いで株価が下がっていました。

これらの事象が起こったときに精神力を強く持ち、株を保有し続けるためには、「この会社を応援したい」「この会社が好きだ」という気持ちが重要になります。お金が儲けられそうという理由だけで株を買った人は暴落時に必ずうろたえて売ってしまいます。

このnoteを読んで気になる企業があった人は、自分なりに全力で調べまくって、本当に応援し続けられるかどうか考えて買ってみてください。

最後に僕が半導体関連企業を調べるために読んだ本を2冊紹介します。特に1冊目の"週刊東洋経済 半導体狂騒曲"はマジでわかりやすいのでここまでnoteを読んだ人全員に読んでほしいです。

▼週刊東洋経済 半導体狂騒曲

半導体関連企業について1冊で包括的に学べる。半導体事業の分業の多さ・日本企業の強みなどの《半導体の今》を知れる。この内容が700円は安すぎると感じた。

▼最新半導体プロセスの基本と仕組み

こちらは半導体のことをかなり細かく知りたい人向け。「なんでこの企業がシェアを取っているのか?」「この企業の技術はどこがどうすごいのか?」と突き詰めたい人は読んでみよう。

その他にテレビ東京BOD・YouTube・ネット記事などもめちゃくちゃ読み漁りました!半導体のことを学ぶと今後の人生の解像度が上がり、幸福度が上がると思います。ぜひ学んでみてくださいー!

(おわり)

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