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1手詰から始めるフェアリー超入門 点鏡編1

今回は 点鏡 を扱います。

過去の記事は下記のマガジンをご参照ください。

https://note.com/tsume_springs/m/m60d25c73667f

ルール

【点鏡】55の地点に関して点対称な位置にある2つの駒は、敵味方関係なく互いにその性能が入れ替わる。

具体例でルールを確認しましょう。

上図では、32玉と78飛が点対称の位置にあります。そのため32玉は飛車、78飛は玉の性能になっています。

上図で先手が24歩と打ったとしましょう(左下図)。

24歩は桂の利きになるのでこれは王手です。24歩の王手に対し、例えば39玉と王手を外すことができます(右上図)。

安南や対面などの性能変化系ルールと同様に、王手する駒の性能を変える受けが点鏡でも生じます。

左上図は頭金の形ですが、点鏡ルールでは例えば98桂で王手を外すことができます(右上図)。このように、王手駒の点対称の位置に駒を着手して王手を外す手があります。

点鏡ルール下の詰め上がりでは大抵の場合、王手駒の点対称の位置が別の駒で埋まっている必要があります。

下図では98金と12角の性能が入れ替わっているので、12角で王手が掛かっています。12角の点対称の地点は金で埋まっているので、12角の利きを変える受けはできず詰んでいます。

左下図も12角で王手が掛かっていますが、98金が受方の駒です。この場合は、98金が動くことで12角の利きを元に戻して王手を外すことができます。例えば54金とすれば、王手が外れています(右下図)。

似たような局面ですが、下図はともに詰んでいます。左下図では98金は桂の性能なので、98金が動くことができません。そのため12桂の王手を外せないので詰みです。

右上図では、98金は香の利きなので99金と動くことはできそうです。しかし、99金と動いて12香が元の利きに戻っても香の王手が継続するので、99金とは指せません。

次に下図を見てみましょう。

上図では55香が王手を掛けています。54玉は歩の性能になっていますが、55香を取ることはできません。また、55香の性能を変える受けは存在しません。55の地点と点対称のマスは55自身だからです。王手を外すことができないので上図は詰みです。

点鏡ルールでは、55の地点は駒の性能が変わらない「聖域」です。

ここまで、王手駒の点対称の地点が埋まっている詰め上がりを見てきましたが、両王手の詰みの場合は必ずしもその必要はありません。

例えば、下図は21角成と開き王手をした局面です。王手駒の点対称の地点はともに埋まっていませんが、21馬と13香両方の王手を外すことはできないので詰んでいます。

補足

行きどころのない駒

行きどころのない駒の禁じ手はありません。

利き二歩有効/無効

安南や対面ルールと同様の扱いです。本記事では利き二歩有効とします。

利き二歩有効/無効の説明は下記をご参照ください。

例題

左上図は71金迄の1手詰です(右上図)。後手玉は歩の利きになっているので全く動くことができません。71金と打てば39歩が金の性能となり、王手が掛かります。

1手詰 練習問題

以下はすべて 点鏡協力詰 1手 です。
解答は次回の記事に記載します。

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