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裸玉海王協力詰の全検討2

裸玉の海王協力詰の完全作をリストアップするために、下記の通り場合分けをして検討を行いました。

 1.先手の持駒に線駒がある場合 ←済
 2.先手の持駒に線駒がない場合 ←今回の話
 ※線駒:飛、角、香のこと

1についてはすでに裸玉海王協力詰の全検討1で結果をまとめています。今回、2についても検討が終わり、1と併せて完全作一覧を得ました。

海王協力詰のルールについては、双裸海王協力詰の例をご参照ください。

調査の流れ

先手の持駒が金、銀、桂、歩からなる場合を検討します。以降、金、銀、桂、歩のことを「非線駒」と呼ぶことにします。

大駒なしで裸の海を詰ますのは大変です。持駒に線駒がないので、合駒を奪って戦力を補充することもできません。まずは、非線駒を何枚ぐらい持てば詰むのかを調べます。

・持駒が非線駒2枚の場合:
 すべての持駒の組合せ、すべての位置の海が不詰

非線駒2枚では裸の海を詰ますことができません。3枚にすると詰む場合が出始めます。

・持駒が非線駒3枚の場合:
 持駒の組合せや海の位置によって詰んだり詰まなかったりする

持駒3枚は海を詰ますのにギリギリの戦力なので、検討が長時間になります。待ちきれなかったので、持駒3枚を全検する前に持駒4枚を調べました。

・持駒が非線駒4枚の場合:
 下記30図以外すべて詰む
  ・持駒が桂または歩の4枚 かつ 海が9段目 (例:桂歩歩歩/19海)
  ・持駒が桂4枚 かつ 海が8段目 (例:桂桂桂桂/18海)

非線駒を4枚持てば、比較的短時間で詰む/詰まないを明確に切り分けることができました。

非線駒4枚の調査結果は下記の通りです。

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非線駒4枚で詰ますのに掛かる手数が分かったので、探索すべき範囲が決まりました。つまり、持駒5枚以上の場合を下記の要領で調べればOKです。

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残は非線駒3枚の場合のみです。非線駒3枚で詰みの形を作ることのできない持駒の組合せは、検討対象から除外します。非線駒4枚の詰みの形を参考に、下記の持駒では裸の海を詰ますことはできないと判断しました。

詰まない持駒3枚の組合せ:
金金金、金金銀、金金歩、金銀銀、金銀歩、金歩歩、銀歩歩、歩歩歩

上記を除いて非線駒3枚の検討も完了しました。参考までに、検討に掛かった時間を載せておきます。

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調査結果

持駒に線駒がない場合の完全作一覧を添付します。線駒ありの場合と併せて、裸玉の海王協力詰の完全作の一覧を得ました。

手数別の完全作数は下記の通りです。最長は23手でした。

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完全作の例(7図)

解答は次回以降の記事に掲載します。

1.海王協力詰 9手

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2.海王協力詰 11手

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3.海王協力詰 11手

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4.海王協力詰 13手

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5.海王協力詰 13手

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6.海王協力詰 13手

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7.海王協力詰 19手

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感想

面白い図を発掘したいという気持ちで絨毯爆撃をする場合は、玉が詰みやすいルール・設定に限って行うと効率がいいと思いました。

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