世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?著者:山口周
自分なりに読んだ本を要約して、投稿します。
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【著書の伝えたいこと】
要約します。
・「正解」という価値が、ビジネスにおいて極端に下がってきた。
・サイエンス(サイエンスってのは、論理性や理性的であること。)が蔓延して、正解の差別化ができなくなってきたから。
・不安定で不透明で複雑な世界になりつつあるいま、サイエンスだけじゃ勝てない。
そんな中世界のエリート達は、今こぞってアートを学ぶことがイコール「サイエンス」を育むことを理解して、「アート」で経営バランスを整えているよ。
・「アート」を学んでいる世界のエリートは、特に「美意識」を鍛えてる!
ここでいう美意識は、「真・善・美」
外部へ求めるものではなく、自分に内側にある「真・善・美」をこれから基準として生きていくのがロックでクール。
・そして、これからめっちゃくちゃ必要とされる自己認識力は、「アート」を通じて上がる。
結果、センスの良い意思決定や人を魅了するリーダーシップがもれなく付いてくる。
・そのためにやった方がいいのは、
①絵画を見る
②文学を読む
③詩を読む
先代の偉人の価値観や思想に触れて、「美意識」を鍛えること
①論理的/理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある
⒈正解のコモディティ化(高付加価値があったものが一般化された状態)の問題
正解に価値がなくなってきた。
🇯🇵日本の現在
↪︎ビジネスパーソン必須スキル
↪︎分析的で正しく論理的な情報処理スキル=「他人と同じ正解を出す」
=「差別化の消失」
⒉分析的で正しく論理的な情報処理スキルの「方法論としての限界」
🌍現在の世界状況は、VUCA
VUCA=不安定、不確実、複雑、曖昧の4つの単語の頭文字を組み合わせた造語
これまで有効とされてきた論理思考
↪︎問題の発生とその要因を単純化された静的な因果関係のモデルに抽象化し、その解決方法を考えるというアプローチ
しかしこれでは…
問題を構成する因子が増加し、かつその関係が動的に複雑に変化するようになると、問題解決アプローチは機能しなくなる。
不確実要素が多い状況で、合理性を過剰に求めると企業の意思決定が停滞状態に陥る。
またそのような状態を「分析麻痺」
だからこそ、
全体を直感的に捉える感性と「真・善・美」を感じられる打ち手を内省的に創出する構想力や創造力が求められる
②世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある
全地球規模での経済成長が進展しつつあるいま、世界な巨大な「自己実現欲求の市場」になりつつある。
このような市場で戦うためには、
精密なマーケティングを用いて、機能的優位や価格競争力を形成する能力よりも、
人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような感性や美意識が重要である。
企業やリーダーの「美意識」の水準が、企業の競争力を大きく左右する
③システムの変化にルールの策定が追いつかない状況が発生している
明文化された法律だけを拠り所にして判断を行う考え方、いわゆる実定法主義は、結果として大きく倫理を踏み外す恐れがある。
例えば、
旧ライブドアや一連のDeNA不祥事
VUCA=不安定、不確実、複雑、曖昧
な世界では、明文化されたルールや法律だけを拠り所にするのではなく、
内在的に「真・善・美」を判断するための美意識が求められる
例えば、
グーグルはイギリスの人口知能ベンチャー=ディープマインドを買収した際、社内に人口知能の暴走を食い止めるための倫理委員会を設置した。
人口知能のように進化、変化の激しい領域においては、その活用を律するディシプリンを外部に求めるのは大きく倫理に悖るリスクがあると考え、その判断を内部化する決定を下した。
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コンサルティング会社が主導して流布させた「経営の全てを数値化して管理する」という一種の幻想
「定量的で倫理的な根拠がなければ、意思決定できない」タイプの人、つまり美意識に基づいて判断する胆力やリーダーシップを持たない人が、難しい意思決定を忌避しようとする方便としては使いやすい
・ピータードラッカー博士への間違った解釈
測定できないものは管理できない
・エドワーズ・デミング博士
ーオリジナル原文ー
「測定できないものは管理できない、と考えるのは誤りである。これは代償の大きい誤解だ。」
・イマニエル・カント
認識のモードを「理性」だけに依存するのは危険である。
正しい認識や判断は、「好き/嫌い」といった感性の活用が不可欠である。
・変化の激しい状況でも継続的に成果を出し続けるリーダーが共通して示すパーソナリティ
「セルフ・アウェアネス=自己認識」
自分の状況認識、自分の強みや弱み、自分の価値観や志向性など、自分の内側にあるものに気づく力
スタンフォードビジネススクールの教授陣が構成する評議会において、満場一致でセルフアウェアネスがビジネスリーダーの素養として最重要素とした。
◼️セルフ・アウェアネス
=自己認識を高める方法
瞑想を中心としたマインドフルネス
「偏差値は高いが美意識が低い」という人たち
例えば、オウム真理教
幹部が極めて高学歴
東大医学部を筆頭に、平均偏差値が70以上
有名大学を卒業したエリートがなぜ邪悪で愚かな営みに手を染めたのか?
【受験エリートが陥った罠】
オウム真理教
小乗、大乗、金剛乗へと上がっていく非常に単純で分かりやすい階層を提示したうえで、教祖の主張する修行を行えば、あっという間に階層を上りきって、解脱できる。と語られていた。
これはかつて受験エリートが、塾で言われていたことと同じ。
彼らのほとんどが、社会に出たものの、世の中の理不尽さや不条理さに傷つき、憤り、絶望して、オウム真理教に傾斜していった。
勉強すればするだけ偏差値が上がり、階層が決まるという受験のわかりやすいシステムがオウム真理教でまた体験できて、彼らにとってとても心地よいものだった。
なぜエリートは「オウム的システム」を好むのか?
・極端な美意識の欠如
出家者が集う僧院であるサティアンが美意識のかけらもない工場のような建物
・極端なシステム思考
オウム的システムを導入しているのは、戦略系コンサルティング業界と新興ベンチャー業界に多い。
極端に階層的でシステマティックである。
多くのエリートは、システムに順応し、より組織の階段を駆け上って、高い地位と年収を手にすることが「より良い人生」だと考えている。
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マツダが狙っているのは、
「顧客に好まれるデザイン」
ではなく、
「顧客を魅了するデザイン」
要するに、「上から目線」
自分がいいと思うかどうか、ピンとくるかどうか
◼️世界のエリートは、「どうやって」美意識を鍛えているのか?
科学的な業績と芸術的な趣味は無視できない関係がある。
◆モーツァルトを愛し、どんな旅行に行くときも愛用のバイオリンを携えていたアルバートアインシュタイン
◆物理学の分野で先端的な研究をしながら、ユーモア溢れるエッセイを数多く生み出したリチャード・ファインマンは高い文学的素養があった
◆ルドウィゴ・チーゴリにデッサンを習い、水彩画で陰影を表現すらやら技術を身につけていたガリレオ・ガリレイだからこそ、低倍率の望遠鏡で「月のデコボコ」を発見できた
◆ペニシリンの発見者であるアレクサンダー・フレミングは、自分で微生物を培養した絵の具を用いて水彩画を描いた
◼️美意識(真・善・美)
◆真=直感
・外部から内部へ
意思決定基準を「論理から直感」という転換
分析麻痺が起こる状態、VUCAワールドで予期しても変わらないときは、個人の直感に基づくこと。
◆善=道徳や倫理という内部規範
善の判断は普遍的に「法律」
変化の早い情報通信や人工知能領域においては、法整備が追いつかない状況が発生。
法律的にシロクロはっきりしていない領域においては、内部的な「善」に則って意思決定を下す
◆美=審美感性
(個人の美意識、主観的な内部のモノサシ)
これまで最も大きな発言権を持っていたのは、「顧客」
企業が行う市場調査に基づいて顧客の声、要望を中心として外部から決められてた。
※審美眼」とは、「美を識別する能力」のことを意味する言葉なのですが、外見的な見た目の美しさだけを指して使われるだけでなく、その言葉が指しているものや事象の「本当の真の価値を見極めて正しく評価することができる目」という解釈ができます
・絵画を見る
2001年、エール大学の研究者グループが、アートを見ることによって観察力が向上することを証明。
医学生に対して、アートを用いた視覚トレーニングを実施。
・皮膚科の疾病に関する診断能力56%向上
・それ以外にも全般的な観察能力、細部の変化に気づく能力が10%向上したこともレポートされた。
次の2つの言葉をよく見てください。
その上で、2つの言葉に共通している点を挙げてみてください。
経験を積んだビジネスパーソンにこの問題を出すと開発、発明だと言う。
5歳児に出すと、すぐに正解を指摘する。
抽象化せずに、今目の前にあるものを
なんの思考も交えずに純粋に「見る」こと。
正解は、「エ」
5歳児の彼らは、「読む」ことができない。
彼らは、純粋に「見る」ことしかできない。
一方、大人はその逆になる。
読んでしまうというのは、パターン認識するということ。
このパターン認識が、「見る」という能力をものすごくスポイルしている。
ちなみに、エジソン、アインシュタインは失読症
・文学を読む
例えば、
ドストエフスキー「罪と罰」
誰の生き様や考え方に共鳴するかを考えることで、自分のアンテナの感度を磨く
・詩を読む
メタファー(比喩)の引き出しを増やす
メタファーを有効に活用することで知的生産を効果的・効率的に行うことが可能になる。
レトリックが持つ「人を酔わせる、人を舞い上がらせる」威力を増す
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