【ツクルバ会社説明資料解説Vol.6】カウカモのKPI
こんにちは。IR担当の重松です。
今回は、下記の会社説明動画のスライドの解説記事第6回目になります。
前回のVol.5では、カウカモの成長戦略について解説しました。
今回は、会社説明資料の中から、カウカモのKPI(Key Performance Indicatorすなわち「重要業績評価指標」の意味)のスライドについて解説します。カウカモの事業の進捗をどのようにみていくべきか、ぜひご覧いただけますと幸いです。
1.カウカモ事業のKPIツリー
カウカモ事業のKPIツリーは上記のとおりです。
まずは、用語について下記にまとめて記載します。
上記のKPIツリーは、下の数字を掛け合わせると、上の数字になるという形で表現されています。具体的には、以下のとおりです。
財務KPI=売上総利益
ツクルバでは、現在、売上総利益を財務上の最重要指標としています。売上総利益を最大化し、最大化された売上総利益を再投資していくというサイクルを回していくことが、参入障壁としての競合優位性につながっていくと考えるからです。
事業KPI=GMVとテイクレート
そして、その売上総利益はGMVとテイクレートを掛けたものになります。 ですので、売上総利益を左右するのが、このGMVとテイクレートになります。事業上は「GMVとテイクレート」を最重要指標とし、これらをどのように伸ばしていくかを考えています。
カウカモはマーケットプレイス型のプラットフォームですので、GMVが増えていけば増えていくほど、それだけ取引の機会が多くなり、売主も買主も集まってきます。そして、売主や買主が集まるほど、収益機会も増えていき、テイクレートも上げやすくなります。ですので、まずは特にGMVをしっかりと伸ばしていくことが大事であると認識しています。
なお、参考までにGMVとテイクレートの期ごとの推移は以下のとおりです。
その他の参考指標
上記のKPIツリーの「参考指標」に記載されている指標は、GMVをより細かくブレイクダウンしたものになります。
MAUは、Monthly Active Userの略です。「カウカモアプリやウェブサイトを利用している人が月間でどれだけいるか」を表しています。MAUでカウントされるのは、カウカモにメールアドレス等を登録しているユーザーで、かつ、当該月にカウカモのウェブサイト又はアプリを利用している人になります。ですので、カウカモに登録していない人も含めると実際の利用者はさらに多いことになります。
取引件数と会員MAUは参考までに決算でも以下のような形で継続的に開示しています。
2.KPIについてのよくある質問
Q GMVとテイクレートについての今期の想定は?
2022年7月期は、GMV前期比+30%程度、テイクレート前期比+10%(+0.4pt)程度を想定しています。
もっとも、これらの数字はあくまで売上総利益の通期目標を達成するための数字ですので、目標というよりはあくまで目安として考えていただければと思います。
Q テイクレートは、今後どのようになっていくのか。
現在のテイクレートは4パーセント程度です。このテイクレートを今後構造的に改善させていくことを計画しています。
具体的には、上記の図にあるように、以下の施策を強化し、収益を得る機会を増やしていきます。
なかでも、個人売主物件の仲介を戦略的に獲得していくことは、売主からの仲介手数料獲得率向上によるテイクレート向上のために重要になります。
そのための施策として、2月10日に売り出し前中古不動産の売買意向のマッチングプラットフォーム「ウルカモ」がリリースされました。
Q 単価とMAU成約率については、コントロールはできないという理解か?
物件単価については、個別物件の間取り・広さや市況の影響があるので、コントロールが難しい部分はあります。
MAU成約率については、アプリやウェブサイトの改善や営業の日々の改善によって、自分たちで向上させていくことは可能です。
Q 単価とMAU成約率についての過去のトレンドは?
単価は市場におけるマンション価格の上昇に伴い上昇傾向がありますが、四半期ごとにブレがあります。大体4,500万円前後から5,000万円前後であれば想定のレンジの範囲内だという認識です。
MAU成約率については、感染症拡大の影響により低下していましたが、回復してきています。
3.編集後記
IR担当の重松です。
会社説明資料・解説記事連載の第6回目、いかがでしたでしょうか。
KPIは、「会社として投資家にここを見ていただきたい」という指標になります。カウカモのKPIは非常にシンプルで、財務的には売上総利益を見ていただき、より事業に寄って考えるとGMVとテイクレートを見ていただければと思っております。
KPIをより理解したうえで、Vol.5のカウカモの成長戦略についての記事をご覧いただくと、より深く理解いただけるかもしれません。
なお、直近の2022年第1四半期の決算発表後には、テイクレートが前四半期よりも下がっていたため、テイクレートについての質問が数多く寄せられました。テイクレート低下の要因については、こちらのnoteの【注:テイクレート低下の原因、状況、対策について】で記載しています。テイクレートは中古物件市場の需給の影響を受けるものですし、GMVが契約ベースで売上総利益が決済ベースであることによる期ズレの影響を受けうるものでもあります(【注:GMVと売上総利益の認識時期のタイムラグ】参照)。ですので、基本的には、右肩上がりにスッと上がっていくというよりは凸凹しながらも徐々に改善していくというイメージで見て頂ければと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。