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【創業1000年】日本最長寿企業から学ぶ会社経営3つの心得

1.世界最高齢企業は日本にあった


「老舗企業」というとどんな会社が思いつきますか?筆者が思いつくのは江戸時代にオープンした三越呉服店(三越百貨店の前身)ぐらいです。
そんな三越百貨店は今年で創業347年目。うん、すっごく長い。

「1000年続く企業作り」をミッションに掲げている弊社TSUKURUにとって、1000年以上続いている企業に学んでみたいことは多々あります。

果たしてそんな企業は存在するのでしょうか。筆者がネタ半分で調べてみたところ、創業1000年以上になる企業は、なんと現在日本に7社存在するそうです。下に名前をあげてみます。

①株式会社金剛組(西暦578年創業・建築業・大阪府)
②一般財団法人池坊華道会(西暦587年創業・芸能教授業・京都府)
③有限会社西山温泉慶雲館(西暦705年創業・旅館業・山梨県)
④株式会社古まん(西暦717年創業・旅館業・兵庫県)
⑤有限会社善吾楼(西暦718年創業・旅館業・石川県)
⑥株式会社田中伊雅(西暦889年創業・宗教用具製造業・京都府)
⑦株式会社ホテル佐勘(西暦1000年創業・旅館業・宮城県)

日本は老舗企業の数が世界的にも多く、世界の創業1000年を超える企業の半数は日本にあり、創業年が古い企業トップ3を日本が独占している状況らしいです。

今回は、西暦578年創業にして世界最高齢の株式会社「金剛組」に注目して話を進めていきます。

2.金剛組の栄光は聖徳太子から

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金剛組の始まりは、西暦578年に遡ります。当時寺院の建築技術がなかった日本は、聖徳太子の発案で海のかなた百済(現在の韓国南部)から三人の工匠を日本に招きました。このうちのひとりが、金剛組初代の金剛重光です。

2代目、3代目と金剛重光の技術は継承されていき、豊臣秀吉や江戸幕府、日本政府など為政者たちからの依頼に基づき、代々受け継がれる技術を発揮した国宝級の木造建築物を作り続けてきました。

3.金剛組存続の理由は事業拡大と正直経営

金剛組HP

ここまで続いてきた中で困難がなかった訳ではありません。明治時代には神仏分離令が発布され、四天王寺は寺領の多くを没収されてしまいます。四天王寺からの工事受注に頼っていた金剛組は仕事が激減してしまいました。

その中で金剛組が掲げたのが、「質素倹約」の経営でした。第32代棟梁の金剛八郎喜定氏は「入札は廉価、正直を旨とせよ」という遺書を残し、儲け過ぎずにできる範囲のスリム経営を行なって存続を行う方針にシフトします。

とはいえ経営は改善せずに、昭和初期には第37代金剛治一氏が経営難を理由に自殺。妻のよしゑ氏が歴代初の女棟梁として金剛組を継ぎます。

「なにわの女棟梁」と呼ばれたよしゑ氏は、四天王寺からの受注ベースの経営方針を転換し、新規顧客を獲得するため日本全国を営業して回りました。

そしてついに1934年、室戸台風で崩壊した四天王寺五重塔の再建を引き受けたことにより、金剛組の経営状態は息を吹き返し、なんとか会社を立て直すことができたのでした。

ここまで見ていると、金剛組の存続最大の要因は...

1.宮大工は、時代を超えて国家的プロジェクトとして行われる寺社建築に携わる仕事であり、為政者が変わっても需要がなくならない領域だった点

2.神や仏に携わる仕事である意識が職人にあり、経営悪化の際には「儲け過ぎない」「手を抜かない」というスリム化経営を速やかに受け入れられた点

3.最大の取引先である四天王寺を失ったタイミングで受託頼みの経営をやめ、蓄積した技術を武器に事業を拡大し新規営業を推進した点

4.誰にも真似できないような高度な技術を、何代も前から変わらずに受け継いでいる点


なのではないかと分析することができます。

4.「義理と人情」で救われた金剛組

高松建設HP

戦後、コンクリート工法が一般の建築業界に広まるにつれて金剛組はコンクリート工法を手がけるようになり、住宅やマンションの建築といった一般建築領域にも進出することになりました。

しかしながら、事業拡大も束の間。中小企業である金剛組は大手ゼネコンを相手にしたコスト競争や販売戦略には勝てず、売上高は130億円から75億円へ下がり2006年には経営破綻まで秒読みという状態になってしまいます。

そんな時に「金剛組を潰したら大阪の恥や。」とM&Aに乗り出したのが髙松建設でした。通常なら利益度外視のM&Aには債権者が黙ってないはずなのですが、高松建設の会長の決意に債権者全員が賛同を表明しました。

このように「地元大阪で愛される企業だったからこそ、地元大阪の企業や人々の義理人情に救ってもらうことができた」という点も、先ほどの4つのポイントに加えて金剛組が再生することができた理由なのかもしれません。

金剛組は現在では、一般建築部門からは撤退し社寺建築に会社として特化従来の職人たちによる師弟関係を残しつつも、営業部や見積もり部なども取り入れた現代型の経営にシフトしたようです。

そろばん勘定や利益感覚の無い棟梁たちに、「赤字を出さない」経営意識を獲得してもらう取り組みも行なっており、金剛組の今後の成長から目が離せませんね。


引用元
三井越後屋呉服店:大江戸歴史散歩を楽しむ会より
四天王寺:OSAKAinfo
金剛組:金剛組公式HPより
髙松建設:髙松建設公式HPより
創業1000年になる企業リスト:10ミニッツTVより


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この記事を書いた人は

tetsu

ゆる〜く薬学部に通う21歳。
趣味はインターンと新規事業立案。



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