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TSUKURU SDGs NIGHT 第2回~バイオエコノミー~

こんにちは!本州も本格的に梅雨入りしましたね~
TSUKURUでは雨にも負けず、今週も元気にSDGs NIGHT第2回を開催させていただきました!

今回は神戸大学農学研究科の長野宇規先生と岡山県西粟倉村役場の上山隆浩参事のお二人をゲストにお迎えし、「バイオエコノミー」について語り合いました。

今週はどんな発見があったのでしょうか…では、早速参ります!!

1.バイオエコノミーとは?

そもそもバイオエコノミーって何?
ということでまずは長野先生のご講義(贅沢!!)でお勉強から。

バイオエコノミーは、「バイオマスの高度利用がもたらす新しい経済」のこと。
人間は石油に頼る文明で多くのCO2を排出し、生態系を壊してきました。
地球温暖化、資源の枯渇、といった環境問題が危惧されるなか、
バイオエコノミーは石油に頼らずに経済発展する脱化石燃料時代の経済のあり方とされます。
具体的には、生態系(供給源)から得た持続可能な量の資源を、産業界・人間圏で高度利用し、生態系に安全な形で還すというサイクルのこと。

高度利用には、エネルギー、素材、燃料、食品、飼料、薬品などへの利用があり、これらはまた人間圏のなかで循環利用されます。

表:バイオエコノミーの例 (筆者作成)

バイオエコノミー例

2.世界と日本のバイオエコノミー

欧米では2012年にバイオエコノミー戦略を策定しており、強力な推進がなされてきました。
一方日本は2019年に戦略を出し、先進国の中では一歩後れをとる形に。
日本のバイオエコノミーはテクノロジーに重きがおかれ(米中型)、いわゆる技術革新による”お金儲け“によって成長してきました。

しかし、化石燃料で賄っていた分をバイオマス燃料に変換するには大量のバイオマス資源が必要となります。
よかれと思って始めたバイオエコノミー事業も、エネルギー消費量が膨大となり、結局本当に環境に優しいといえるのかどうか疑問になることもしばしば…

どのようにすれば、自然とうまくつきあえるのか…技術そのものだけでなく、技術が生み出す価値、環境・社会がどう変わるのか、というところを大事にしていく必要があるといえます。

3.バイオエコノミーは地方創生に有効な手段!?~西粟倉村の事例~


さて、そんなバイオエコノミーがもたらす新たな価値を武器に、地方創生に力を入れて取り組んでいる自治体があります。

それが今回ゲストとしてお迎えした上山さんが参事を務めていらっしゃる、岡山県西粟倉村。

西粟倉村はSDGs未来都市。過去にTSUKURUでも取り上げています。


村の面積の95%が森林という西粟倉村では、その豊富な森林資源の活用で地域を活性化する取り組みが積極的に行われています。

日本は国土の7割弱を森林が占めており、多くの人工林が伐採・更新をするべき時期を迎えているのにも関わらず、うまく木材生産を行えていないという現状があります。

そんななか、西粟倉村はいち早く「百年の森構想」を掲げ、自治体が森林を管理することで森林の持続的な経営を推進してきました。
(後に国により「森林経営管理法」が制定されましたが、これは西粟倉村の取り組みがモデルとなっているようです!)

国よりも先をゆく西粟倉村…恐るべし。

4.日本の進むべき方向は??西粟倉村から学ぶこと

西粟倉村


「日本は再生可能エネルギーの参入障壁が高い。政府は既存の大手電力まかせで新しいことにチャレンジをしない傾向がある。」と長野先生。

その一方で先進的に動いている西粟倉村は「バイオエコノミーのモデル都市」ともいえそう。
森林整備をきちんとおこなっているおかげで水資源も安定し、水力発電ができています。
また最近では小規模な木質バイオマス発電も導入し、ゆくゆくは村で使う電力の100%を村で自給するというのです。

災害時、電力を他の地域の資源に頼る都市ではインフラが途絶え無力となってしまいますが、エネルギーを自給自足できる西粟倉村のような地域は、緊急時にも強い「持続可能な」地域といえます。

これこそ、国が目指すべき姿なのではないでしょうか。

特に最近のコロナ渦では、日本の資源の海外への依存度の高さが浮き彫りになり、エネルギー資源を自国でまかない、循環化をめざす強い国創りが求められていると感じます。

「西粟倉村には色々なチャレンジする人が集まって来る。」と長野先生。
森林の新しいデザインを提案している西粟倉村。
新しい森の使い方を提案する人々のチャレンジの場となっているようです。

人工林に別の新しい価値づけをして、利用していくこと
それが今回のテーマ、バイオエコノミーの世界を入れていくということなのです。
「これは次の森林の在り方であり、今こそチャレンジする時期がきている。」
上山さんは熱く語ってくださいました。

西粟倉村ではさらに、森林のオープンデータプラットフォームをつくろうとされています。
研究者や企業と連携し、森林の樹種や本数、3D地形、道、食料資源といったあらゆるデータをとり、情報を公開しています。
このようにエビデンスをしっかりとっているからこそ、正しい森林の使い方でバイオエコノミー事業を展開できる場が生まれているのですね。

そしてその新たな価値を創出していくことが出来るのはいうまでもなく人の力。
地方に人が集まり、つながることで新たな価値が生まれ、地域が活性化していくのだと思います。

西粟倉村の挑戦に、今後も目が離せません!

【出典】
西粟倉村役場ホームページ

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この記事を書いたのは
yuri

大学院生。今年修論生。
「植物を用いた環境浄化」が研究テーマ。

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