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カッコいい英作文のコツ #3-4 : 文の言い換え

「表現を多様に」というテーマの#3ですが、
1回目は名詞
2回目は動詞
3回目は副詞について書いてきました。
今回は、文全体について
書いていきたいと思います。

文全体を多様に書くというのは、
英語で言えば paraphrasing です
(ちなみに rephrase という語もありますが、
「言い直す」なので違いがあります)。
そしてparaphrasing にはこれまで書いてきた、
形容詞、名詞、動詞、副詞の多様化に加えて、
いくつかのコツが必要になります。


1つ目:「機能の書き換え」

例を見ながら説明した方が分かりやすいので、
下の例を見てみましょう。

(ア) The research found that Method A was better than Method B.
(イ) The research reported the superiority of Method A over Method B.

(ア)で太字になっているのは
比較級という文法機能です。
これが(イ)のsuperiorityという名詞と
overという前置詞に書き換えられています。

他にも例を見てみましょう。

(ウ) Anna implied that she might come late to the party.
(エ) Anna indicated the possibility of her arriving late at the event.

(ウ) ではmightという助動詞の機能が
(エ) ではpossibilityという名詞に
書き換えられています。
この例に関しては
正直ただの名詞化な感じがしますが。

ちなみに,
これ「機能の書き換え」というのは
Systemic Functional Linguistics という分野の
専門用語から取っています。
その専門用語は本当は
もっと広い意味で使われるんですが、
ここでは分かりやすくするために
限定的にこの意味で使わせてもらっています。

2つ目:反義語の活用

これは類義語を使うコツの応用版
のような感じです。
最近読んだ論文から借りた例文を
いじって説明します。
ちなみに、例文は
food lossとfood wasteの違いについて
説明された文章
から抜粋されています。
内容に関する背景知識も踏まえないと、
多分分かりにくいかと思います。

(オ) Cosmetically perfect fruits and vegetables meet aesthetic standards and are sold at stores.
(カ) Cosmetically imperfect produce does not meet the expectation of customers and gets thrown away.

  (オ)の
「見た目が完璧な果物や野菜は美的基準を満たし、お店で売られる」
という意味を、
(カ)では
「見た目が不完全な生鮮食品は顧客の期待に合わず、捨てられる」
と表現しています。
つまり、反義語を使って、
(別の側面ですが)同じ現象(food loss)の表現しています。

ですので、
この「反義語の活用」というコツは
言い換えると、
同じ現象の別の側面」を表現する、
ということになるかと思います。

3つ目:主語か目的語か

表現を多様にするということは、
文の構成を変えることも含みます。
なので、元々の文で主語だったものを
類義語にして主語にしたり、
目的語だったものを
同様に類義語を使って、
そのまま目的語で使ったりすると、
あまり変化を感じません。

ではどうするかというと、
まず、1番簡単なことは、
主語と目的語を入れ替えることです。
が、しかし、
これだけでは不十分で、
北米の学術の世界では
plagiarism (盗作)
として扱われることがあります。

なので、これに加えて、
これまで紹介してきた
名詞、動詞、副詞の言い換えを活用して、
文全体が変化しているように見せます。

下の文を例に考えてみましょう
(またまた先ほどの論文から文を拝借しました)。

(キ) People discard cosmetically imperfect produce.
(ク) Ugly fruits and vegetables are thrown away.

文構造的な変化は下の図の通りです。

形容詞、名詞、動詞も言い換えることで、
全く違った文になりましたが、
意味は同じですね。
People という意味の語がなくなっていますが、
受け身の意味ですから
捨てるのは「人間」だと解釈できるので、
問題ありませんね。

4つ目:要素を名詞の前におくか、後ろにおくか

これは名詞編と動詞編で紹介した
「要素を取り出す」という考え方の応用です。

例を見てみましょう。

(ケ)International students at US universities struggle with writing assignments.

(コ)Composition tasks at American universities are challenging for those from foreign countries.

(サ) Northern American argumentative essays give hard time to non-US writers at the tertiary level.

(ケ)のinternational の「国際的な」という意味を
(コ)では「外国から来た」という要素として捉えて、
those という指示代名詞の後ろにfrom foreign countries
としておかれています。
一方で、
(サ) では、internationalを
この文脈では「非アメリカ人」に言い換えて、
形容詞句としてnon-USを
writers という名詞句の前においています。

また、この後ろに置くパターンには
更に3つの方法があります。
パターン1
今回のように前置詞を使う方法です。

パターン2
関係代名詞を使う方法です。
先ほどの例文を使うとすると、
Students who were educated in other countries 
Students who came from foreign countries 
などと書くことができます。

パターン3
分詞を使う方法です。
これは、関係代名詞の文の省略形だと、
日本では教えられることが多いヤツです。
上の例をそのまま使うと、
Students educated in foreign counties
Students coming from overseas
などと書くことができます。

更に、もう1つ注目して欲しいのは、
(ケ)では at US universities が
人 (international students)にくっついていますが、
(コ)では活動 (composition tasks)の後ろに
at American universitiesと言い換えられてくっついています。
(サ)ではNorthern American という形容詞句となり、
活動(argumentative essays)にくっついています。
このように、
くっつける対象を変えることで、
より多様性を生むことができます。

まとめ

長くなったのでまとめたいと思います。
文の書き換えは、今まで紹介した

形容詞、名詞、動詞、副詞の書き換え
にプラスして、
1. 機能の書き換え
2. 反義語の活用
3. 主語と目的語の入れ替え
4. 要素を名詞の前か後ろに挿入

というコツを使うことで
より多様化することができます。

皆さんにとって
何か1つでもタメになることがあれば
嬉しいです。

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