「息子からの質問が高度過ぎる件」の話
そろそろヤバい。
息子の知識が……
私を凌駕し始めた……
息子よ。
あなたは、少し前にこんな動画を見始めましたね。
小5男子がこの動画の選択するか?
とは思ったけれど。
「おかーさん!」
「なんじゃー?」
「西園寺公望知っとる?」
「西園寺公望……(ギリ存在は)知っとる。宰相……総理大臣じゃろ?」
「すげぇ!なんで知っとん?」
「は。(確か)高校で習ったのであります」
私の高校はゴリゴリの進学校で、同級生400人の内、大学へ進学しなかったのは一人だけだった。
余談だが、その一人、スクールカースト頂点みたいなシュッとした男子は美容師になった。
(気ぃ合わなさそー)
と、思っていた彼と卒業して10年後、同窓会で初めて話をしたが、ただの面白い良いヤツで、
(私の性格の問題でした。ごめんよ)
と心の中で謝っといた。
そんな(どんな?)訳で、ある程度、勉強の大変さは勿論だが、勉強の楽しさも知っている。
それ故、息子に勉強しなさい、と言った事は一度もない。
したければすりゃいいし、したくなけりゃしなくていい。
多くの家庭で
「ゲームは1日1時間」
がルールとなりがちなこの日本で、
我が家では
「ゲーム動画、無制限」
を標準装備にしている。
休みの日には動画、ゲーム、漫画三昧で
周りの子供達からすれば
「いーなあ」
と初回限定で羨望の眼差しを受ける。
しかし、息子も私と同じく、怒られるのが苦手な方なので、宿題は当日の朝、早起きして取り組んでいる……動画を見ながら。
宿題せず学校に行って、先生に怒られて、スキル怒られ耐性を獲得したり、休憩時間にささっと済ませて、授業までにギリ間に合わせようとして間に合わなかったり。
小さな失敗を今のうちにいっぱいしたら良い。
と思っている。
そして。
動画三昧を放置した結果の……今朝の会話。
「おかーさん!」
「どしたー?」
「原敬って立憲政友会だったっけ?」
「おぅ……」
原敬は分かる……
立憲政友会も……
何か……
首相の人と政党じゃろ?
「は……原敬が立憲政友会かどうかはお母さん、分からんわ」
「お母さんでも分からん事あるんじゃな」
お母さんはきっとこれから、大体の事分からんよ……このレベルで君が来るのなら。
何なの。
君は……
中学受験する人なの。
そーじゃないじゃろ。
小5男子とそんなやり取りをするなんて……
そんな……
……お母さんは、想像以上過ぎて笑けてくる。
しばらくして。
息子が爆笑している。
「どーしたー?」
「おかーさーん!」
「なに?」
「これ見て!面白い動画!」
「ほぅ……」
見ると、いかにも小5男子が笑いそうな動画ではある……
「なる程……」
「あんまり面白くなかった?」
「イヤまぁ、フツーに面白いけど……私言うても大人じゃからなあ……」
割とこういう事が多くて、あんまりいい反応が出来ないと
(いやー、スマン)
と軽くは思うが。
「原敬は立憲政友会?」
と聞かれるよりはまだいいか……
昼からは友達が数人来て、スマブラをしながらキャッキャしていて、
(いやー、子供は元気ですな)
と少しホッとする。
ま、何にせよ、息子が楽しんでいるならそれで良し、と思ったある日曜日の出来事であった。