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ピリカさん企画〜荒ぶりポエム「来いよ……カチーン!!」

つくねは彷徨っていた。

探していた……
ずっと。 
そう。
あたしの

カチーン。

普段はさあ!
あんなに
カチーンは溢れているのに。

タバコのポイ捨て。
はい、カチーン。

車運転してる時の
感じの悪い追い越し方。
はい、カチーン。

さっきまで使えてたWi-Fi。
何で繋がんないの……
すげぇクルクルしとる。
はい、カチーン。

既に③カチーン。

探しだしたら見つからないのは……
何でなのかな。

是則、厶カチーン無価値

もういいわ……
カチーンなかったんじゃもん。

スイーツ食べて元気だすぞっ!

「あ……れ?チーズタルトはっ?」
「食べたよ〜ずっとおいてあるから、いらんかなと思って……」

な……
な……

カッチーン!!!


なーんて。

やったー!!
イェーイ!!
ようこそ、あたしのカチーン!

待ちかねたぞ!!

っていう話を書こうとしてたんだわ。

イイヨネ。
読者の負担にならない
ゆるめのカチーン。
 

ですが。

昨夜はアプリ関連で問題が発生し、大賢者Fさんを召喚した。
8時半から2時間ほど、ワチャワチャした。

今日は仕事がまあまあのボリューム。
フツーに疲弊していた。

プラス生理前であった。
(イライラしがち)

ウチに帰るとかっちゃんがご飯を作ってくれていて……美味しく食べた。
チューハイも飲んだ。

息子がささいな事でスネたので、かっちゃんがこう誘った。

「一緒にスマブラしよう」

息子はゲームにめちゃ本気になる。
それはいいのだが、マジでキレる。
まぁまぁキレる。

息子が圧倒的に強いんだから戦略的に

「まあ、強い奴から減らしときたい」

となるのは当然で。

息子に(かっちゃんの)攻撃が集中する。
私もまあ出来れば
先に息子の残基を減らしていきたい。

そして。
劣勢になり

「二人がかりとか、ほんま卑怯よなっ!」

となる。

今日は特に何も考えてなかった。
ぼーっとしながらゲームをしていたので

カチーン。


「え……今は特に何も意識してないし」
「……なら、それでいいよ」

カチーン。

すげぇな。
こうも的確に私の秘孔をついてくるなんて。
親の顔が見たいものだな。


あっ。


「私、もう今日はやめとくわ」

戦線離脱した。
イライラが増す。

(二階でゆっくりしよう)

スマホを充電しようとして、充電器がない事に気づく。

下に降りて

「あたしの充電器は?」
「ここで使って、戻すの忘れてた」
「ふーん」
「何怒っとるん?大丈夫!?」

カッチーン!!


あー……
なるほど。
こいつはすげぇぜ。

ダメだわ、怒りがこみ上げる。
 
走りに行くもイライラはおさまらず。
二人に告げる。

そして「わたくし……生理前で、とてもイライラしておりますので、気になさらず」

「気にしてないよ〜」
とかっちゃん。

「それなら良かった……〇〇は気にしとった」
と息子。

かっちゃんは更にこう付け加えた。

「すごいイライラしてるから……日付変わらんと機嫌直らんじゃろうなって」
 

カッチーン!!!


嗚呼
何故なの

どうしてどうして
あたしはこんなに
イライラしてしまうの

なんでなんで
そんなについてくるのよ
イライラの秘孔を

何処で何を学んで
そうなったのよ
(あたすのせい?)

彼らは彼ら
あたしはあたし
そんなの
言われなくても知ってるわ

でも
おさえられない
この感情

嗚呼
如何にして
溶かしたら良いのかしらね


ふぅ……ギリギリ出来た……な?
よ、余裕だぷー。

楽しい企画……
ギリギリで間に合いました!
ピリカさん!
ありがとうございます!



【こっから蛇足】

よっしゃ、見とけよ!
つくねの本気モード!

「マッジで生理前、イライラすんのよ。結婚前はひとり暮らししてたし気づかんかったんじゃけど……」

滔々と昔語りを始める私。
10年以上前に遡り話すうちに……
脳内はみるみるクリアに。


なんということでしょう~

彼女の顔に……
笑顔が戻っているではありませんか!

暗くどんよりした顔に
キラキラと眩しい光が戻り
(テカリ)

シワの深く刻まれた眉間は
少し緩んで

ブスッと尖っていた口は
口角が上がり
微笑みをたたえ

斜めに鋭く釣り上がっていた目つきの悪い眼は
少しだけ下がり
楽しそうな眼差しになっていたのです


これが……
匠の技。








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