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「ごんぎつねに、むせび泣く」の話

小4の時。

次の日から国語の授業が、新美南吉の「ごんぎつね」なので、本読みをした。

ふむふむ。

昔の話ね。

いたずら好きのキツネが悪さばかりしておると。

畑へ入って芋を掘り散らかしたり。

兵十(ひょうじゅう)が獲ったウナギを逃したり。

(カワイイ顔して、こいつは……悪いヤツじゃな……)

単純な二元論で私はそう判断した。


そして、ある日。

兵十の家でお葬式があった様で、兵十のお母さんが亡くなったと気付くごん。

(兵十のおっかあは死ぬ前にウナギが食べたいと、言ったに違いない。けど、自分がウナギを逃したから食べられなかったんだ……)

と、ごんは後悔する。

ごんは償う為に、いわし売りからいわしを盗み、兵十の家に投げ込む。

いわし売りに盗んだと勘違いされ、フルボッコにされる兵十。


(ああ……。裏目に出たな。でも……まあヤツなりにな……うん)

少し、ごんはいいヤツなんかも、と思い始める私。


それから、ごんは栗やまつたけをこっそり兵十の家に差し入れるようになった。

ある日。

ごんが栗を差し入れようとこっそり家に入っていった時。

物置で縄を編んでいた兵十はそれに気付き、

「また、ごんが悪さをしに来たな」

と火縄銃でごんを撃ってしまう。

そこにはゴンの、持ってきた栗が……

「お前だったのか……」


(嘘じゃろ……何で……ごんはいいヤツになったのに……)
 
呆然とする私。

教科書には倒れたごんと、その姿を見つめる兵十の悲し過ぎるイラスト。

涙が止まらない。

(何で……何で10歳になるかならんかの子供の教科書にさあ!こんな悲しい話を載せるんよ!予習を、予習をしておいて本当に良かった!授業中にこんな号泣したら、授業になりませんわな!)


スーホの白い馬も。

ちいちゃんのかげおくりも。


日本の国語の教科書よ。

君たちは大体に置いて悲しみが過ぎる。

今朝、ワイドナショーで、あのリカちゃんがこんな事になっていると知った……

こちらも、これはこれで。

諸行無常という切なさが止まらない……




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