COVID-19 感染症法5類引下げは已むを得ないにしても……

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▶GO toトラベルでの東京都の扱いをどうするか――もさることながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法での扱いを2類から5類に引き下げることになるようだ。決定的なワクチンも治療法もないSARS、MARS並みからインフルエンザ並みに変更することで、陽性反応だけの無症状者や軽・中症者は自宅で様子見・療養、重症者に医療資源を集中して死亡に至らないようにしようというのだが、政府の本音が「多少の罹患者が出ても経済を回すのが優先」なのは容易に推測できる。

▶なるほど現状の死者数、死亡率は、死亡要因で見れば心臓疾患やガン、脳疾患などと比べはるかに低い。もっと卑近な例を挙げれば、この夏の猛暑で亡くなった人はCOVID-19を軽く上回っている。死亡リスクはコロナより猛暑なのは間違いなく、「高齢者世帯にエアコン補助金を」という話も出てきそうだ。しかし何もかも税金でというわけにはいかないし、公的補助を充実させるには相応の税収がなければならない。厳格な管理体制のもとで主権を確立している通貨であれば、じゃんじゃん紙幣を刷ればいいというMMT理論なら話は別かもしれないが。

▶感染拡大を懼れていつまでも自粛していたのでは、経済で死ぬ人が増えてしまう。いちど落ち込んだ経済を復興するのは大抵のことではない。療関係者や病院経営など医療体制の維持・充実を図るにも、「多少の罹患拡大は已むを得ない」し、「GO toキャンペーンは必要」なのに違いない。陽性反応だが無症状(COVIDキャリア)なのかノンキャリアなのか、PCR検査をしなければ分からない。経済の視点ないし企業の利潤を重視する政治的判断では、キャリアかノンキャリか分からないまま元気な人に働いてもらったほうがいいことになる。

▶ただ懸念されるのは、行政ないし法執行の硬直性だ。第2次対戦中のガダルカナル、インパール、アッツ、沖縄、長崎・広島の地獄絵図に見るように、この国の特性なのかどうかは定かならないが、いちど決まると行政マンはそれを忠実に執行し、金科玉条のごとくに厳守する。今回の新型ウイルスの正体はまだ解明されていないし、いつどのように変異変容するかも分かっていない。感染症法上の扱い変更はこの秋冬を乗り越え、COCOA普及率6割を待ってからでも遅くはない。となれば法制度を幅広・柔軟に適用する合意形成が先ではないか。

▶感染症の罹患率、死亡率は天気予報のようなもので、降水確率30%でも降られた人にとっては100%だ。筆者のように法的区分では立派な「高齢者」で、大動脈疾患、膵ガン再発のリスクを抱え、つまり高血圧と糖尿病で免疫不全という罹患イチコロ組は、GO toキャンペーンがどうだろうと感染症法の扱いが2類だろうが5類だろうが、不要不急の外出を自粛し人との接触回避に努めるほかない。資本主義と自由主義の原則に加え現政権が民を見ていないのであれば、何から何までお上任せ、公助に期待するのは止めにして、罹患したらそれまでと覚悟を定めるのが得策というものだ。


新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Applicationはこちら→
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html

※ コロナで死ぬか経済で死ぬか、と政府が言っている。なんら対策を講じず現状追認、国民に丸投げの姿勢を認めるのは癪だけど、これは大規模災害と見極めて、長谷川一夫さん風に「各々方てんでんこでまいろうず」でしょうか。(長谷川一夫さんの「おのおのがた」を知ってる人、今では少数派でしょうね)


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