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『静かな人の戦略書』ジル・チャン著/読書感想文

少女漫画の主人公っておおむね
元気いっぱいで、たくさんの友だちに囲まれる人気者。

今の時代、「大人しい」にそれ以上の意味は
込められていないそうだが
少なくとも、私が中学生くらいまでは
「元気な子」がポジティブで
「大人しい子」というのは
ネガティブな印象だったと思う。

さらに、私は田舎暮らしだったので
一学年10人程度のクラス。
みんなきょうだいみたいだったから
言いたい放題、やりたい放題だった。

自分は「大人しい子」だとは
微塵にも思わなかったし
いつも「元気な子」でありたいと思っていた。

クラスの中心だったと脳が錯覚しちゃっていたけど
私の本質は「内向型」だったのだろう。
高校に入って、そのギャップに苦しんだ。

「はるかちゃんって、大人しいよね」
と言われたとき
「暗い」「つまんないやつ」
と言われたような気がして
ものすごくショックを受けた。

人目を気にせず、でワイワイできている子を見て
「私もああだったはずなのに
どうしてできないんだろう」
って、悩んでたな。

「元の私に戻るんだ」なんて思って
無理に冗談を言ったり、明るく振る舞ってたけど
それもなんか違ってて、空回り。
結局、3年間クラスに馴染むことができなかった。

ただ、それは
「なぜ、外向的である、クラスの中心グループに入れないのか」
という、どうでもいいこだわりが故だったんだと今ならわかる。

今でもふとしたときに
「私は外向的なのか、内向的なのか、どっちなんだろう」
と思うときがある。
「あなたは内向型です」と言ってくれれば
なんだか楽になれるような気がした。
だから、本書を手に取った。

内向型のチェックが外向型のチェックより
3個以上多い場合、内向型傾向が強いと言えるのだそう。
本書のテストによると私は
内向型:13個、外向型:5個。

外向型なところもあるけど、内向型気質が大いにある。

みんな、どちらの側面もあるんだな
というのが率直の感想。

人前で発表するのは好きだし
別に目立ってもいい。
でも、とにかく家で
ゆっくり過ごす時間がないと疲れてしまう。

もう少し、タフになりたい、とも思っていたけど
私はそういう特性を持っているということを
素直に受け入れることにした。

そして、内向型の人は
「聞く」ことに長けているという。
行間を読む力があると。
確かに、それは言われたことがある。

長い時間、話を聞くのも苦にならない。
「聞く方がラク」とも思っていたけど
もっとポジティブに捉えてもいいのかもしれない。

また、「内向型にとって文章表現は武器のひとつ」とも述べられている。
ほんとにその通りで、こうやって書いてるのに
みんなの前では同じようにしゃべれない。
でも、それでいいんだなって思う。

最近、友人が私のフェイスブックを見て、連絡をくれた。
気恥ずかしさもあるけど
やっと自分を表現できるになったんだなって
心が満たされる。

今、「大人しい」って言われたら
「自分らしく生きられてるんだ」とうれしくなる。

そしてあの頃の自分に
「なにも、明るく元気でクラスの中心人物だけが、優秀なわけじゃない」とでも、伝えてあげようか。

外向型であっても、内向型であっても
どちらが優位ということはないし
みんなどちらの側面も持っている。

「自分を知って、特性を生かす」
ただ、それだけでいい。


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