【散文】今敏を真似て小説の設定を考える
今日は思ったより作業が作業が進まないので、気分転換に小説の設定を書いてみます。
なぜ今敏を真似するのか?
普段は別のアカウントを使って小説を投稿しているので、こちらのアカウントで書くことに気恥ずかしさを感じますが、頑張ってみます。
なんとなく気分がすぐれない時は、今敏が監督の作品を鑑賞するのが僕の日課です。
『パプリカ』より『Perfect Blue』の方が好きです。
今敏監督の作品を全て見ている訳ではないですが、彼の作品は『精神疾患』を題材にした作品が多いように感じるのは、皆さんも感じ感じていると思います。
『パプリカ』であれば統合失調症
『PerfectBlue』であれば解離性同一障害
自身も軽く精神的に参っていた時期があり、その頃はよく人に電話をするふりをして自分の精神状態をボイスメモしていました。
そのころのボイスメモを聞き返すと、まるで自分から分裂した赤の他人と話しているような感覚に襲われます。
『パプリカ』も『Perfect Blue』も主人公の二面性が違うキャラクターとして描かれて描かれていたり、ひょっとすると今敏も同じような感覚を持っていたのかな?と妄想しています。
順序が逆になりましたが、僕が今敏の作品のことを好きな理由はここにあります。
普通ではないのめり込んだ精神状態はバランスを崩しやすく不安定でもあります。
しかし、あの深いところに沈んでいく快感は他には変えられないものがある。
その危ない麻薬に魅了されて自分で小説を書いたりしているのですが、日常生活を送る上でそれはほとんどデメリットにしかなりません。
家族や周りの人に心配をかけるし、あの深みに沈む感覚はクリエイター以外の人間にとっては不快でしかないでしょう。
事実、親や友人に言っても「普通の精神状態ではない!」と一括されてしまいました。
しかも厄介なのは、一度あの深みにハマると簡単に戻ってこれません。
そこに無力さを感じていると同時に、深みにはまった状態と通常の精神状態の切り替えさえできればもっと面白い作品を生み出せるのに!といった願望もあります。
原作があることは承知の上で語らせてください。
今敏の描く『パプリカ』では、主人公の千葉敦子の夢の中での姿、言い換えれば無意識や願望を投影しているキャラクターとして、パプリカが登場します。
『Perfect Blue』では、霧越みまの世間体を無視した欲望として亡霊ミマが出てきており、ルミも主人公と対比的なキャラクターとして描かれています。
まとめると、『パプリカ』は分裂した精神が統合される様子を書いており、『PerfectBlue』では分裂する精神との葛藤を描いています。
結末は分裂した精神が手を取り合うという点で同じですが、そこまでの描き方が異なる訳です。
僕が精神不安な時期を題材に一つ作品を書いてみよう。
今敏の映像作品の構造をパクって小説にしてみよう。
そんな気持ちで書いております。
同じテーマで設定を変えることで色々見えてくる部分もあると思うので、一旦、適当に世界観を決めたいと思います。
使うのは『Buncho』というサイト。
研究室の元先輩が運営しているもので、世界観に迷ったりお題を決めあぐねている時にはよく使わせていただいてます。
自動生成すると、、、
『精神の鏡に潜むモノ』
良さげなタイトルが決まりました。
今敏の作品にも鏡やディスプレイを用いた映像表現が出てくるので良さそうです。
ここから設定を作り込んでいきます。
設定の作り込み
題名は『精神の鏡に潜むモノ』。
であれば、鏡にゆかりのある職業を持つ主人公を設定したいです。
パッと思いついたのは『内視鏡』
『人の内側を見る鏡』という拡大解釈をすると、外科的にも精神分析的にも使えそうなので、『人の内側に機械を入れて人間の精神分析を行う職業』→『内視鏡師』とか面白そうです。
普段、昆虫をサイボーグにする研究をしていたりするので、その辺の感覚や知識も活かせそうです。
主人公は女性にしましょう。
今敏が監督の作品は女性が主人公のものが多いですし、僕はあまり女性を主人公にした小説は書かないので勉強になるでしょう。
『精神の鏡に潜むモノ』という題名なので、『物』でも『者』でもない『(得体の知れない)モノ』を主軸にストーリーを展開したいですね。
『モノ』は『Monotone』のMonoと解釈する言葉遊びもあっても良いかも知れません。
ここまでの設定にのっとれば、『モノ』が精神の鏡に潜んでなければなりません。
これは色々設定が思いつきそうですね。
内視鏡師が用いる機械に潜むもの
内視鏡を通じて見えてくる人間のドス黒い内面
内視鏡師自体が鏡によって蝕まれていくこと
精神の中に鏡があって、その中に潜んでいるもの
内視鏡によって描画される精神世界の構造そのもの
色々捻った設定を入れて5つくらい考えてみました。
1で行くとすれば、内視鏡の実態は回虫のような生命体を用いており、副作用として人間の精神に関わる物質が食べられてしまう。その時の生物の出す波形パターンによって精神世界を描画する。
とかどうでしょうか?
その回虫に精神を食べられて体が乗っ取られるとか、一度描画した精神世界はもう1度体にダビングできるがデータにノイズが混入してしまうとか、、、
2はどうでしょう?まあ、これはわざわざ外科的に内視鏡を入れる設定が生きては来なそうですね。SFテイストではなくミステリーを描くとすればこちらもありでしょうけど、、、
設定としてわざわざ考えなくても良い気がします。
クリエイターが好きな葛藤の中でもがく系の設定にはしたくないので、あくまでワクワクするような設定にしたいです。
3は少し捻った解釈をしていますね。内視鏡という道具を使う側の危険性をといた作品になりそうです。他人の内面を除いていた主人公が、ふとした興味から自分の内面を見てしまい、精神世界がマトリョシカ構造を作り出した!とか面白そうです。
けれども、自分にそんな感覚はないので書き進めることが難しそうですね。
4の『精神の中に鏡があって、その中に潜んでいるもの』は、鏡の国のアリスのようになるのでしょうか?
5は外科的な描写と精神世界の描写を混ぜて描けそうなので、それはそれで面白そうですね。けつの穴から内視鏡をぶち込んで腸内を見ると精神がうんちゃらかんちゃら、、、
ここまで、書いてみて『精神世界』というワードにこだわっている感じがあるので、もう少し違う視点から考えてみたいです。
正直『パプリカ』も『マトリックス』でも精神世界は描かれている訳ですし、自分が置かれていた『周りを拡大解釈してしまって、その妄想に自分が飲まれる精神状態』とは少し違う気もします。VR(Virtual Reality)ではなく、MR(Mixed Reality)の方が本質な訳ですから。
とすれば、導入は『内視鏡師の主人公が内視鏡を使わなくても同じような感覚を感じるようになった』というのが自然でしょうか?
これであれば、種明かし的に1の『内視鏡師が用いる機械に潜むもの』が寄生虫であっても良いですし、徐々に3の『内視鏡師自体が鏡によって蝕まれていくこと』を描写もできます。比喩的に4や5の『精神の中に鏡があって、その中に潜んでいるもの』『内視鏡によって描画される精神世界の構造そのもの』を描くこともできそうです。
先述のように『パプリカ』は分裂した精神が統合される様子を書いており、『PerfectBlue』では分裂する精神との葛藤を描いています。
では、僕が今悩んでいること、表現したいことはなんなのでしょうか?
恐らく『分裂した精神を横断する手段の模索』でしょうか?
なんとなく、共感してもらえなさそうなテーマではありますが、、、
でも、異なるSNSによって違った側面を見せる人が多いように、このような違和感を持っている人は少なくはない気がします。
精神が分裂するのは大前提として、それを素早く横断する方法を主人公が見出していく。上手な付き合い方を探していく。
というのが、わかりやすいパッケージになりそうです。
現状の設定をまとめてみましょう。
主人公の名前は適当にジェネレーターで生み出しました。
自分の研究のテーマである「生物の持つ構造だけでなく習性を用いることで技術を生み出す」という世界観も大切にしたいですね。
『主人公は別に生物に拒絶感を持っているわけではない』という部分も大切にしたいです。
あとは、物語の『分裂した精神を横断する手段の模索』というテーマをもとに他のキャラクターを作っていく作業になるでしょう。
色々と書いて疲れたので今日はこの辺で
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