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保護犬の里親になるまで:④トライアル1週目

保護犬って? 保護犬を引き取りたいけどどうすれば?
そんな興味をもつ人のために、”夫婦共働きでも保護犬の里親になれた”私の経験をお届けしています。
今回は第4回「トライアル1週目」編。いよいよ犬との暮らしがはじまります!

前回はこちら⇒③里親トライアルの準備
目次ページ ⇒⓪はじめに



運命の犬と譲渡会で出会った私たち。自宅でのトライアルがはじまりました。期間は2週間~1か月程度。犬との相性をみるためにも、最初が肝心です。

 家にやってきた犬はとても緊張していました。人間と一緒に遊ぶのは大好きですが、触られたり、なでられたりするのは苦手な様子です。室内ではウロウロし、どこに居たらいいのかわからないようでした。


トライアル初期に大切なこと


 里親トライアルで特に大切にしたいことは、自宅が「安心できる場所」だと犬に理解してもらうこと。普段シェルターで暮らしている犬。いつもと全く違う環境です。保護団体のアドバイスを参考に、私たちはトライアルに3つのルールを設けました。

①生活リズムをつくる
②人間とスペースを分ける
③無理強いをしない

 はじめの1週間は毎日、犬の様子を担当スタッフさんに報告していました。心配事はすぐ相談できます。結局のところ、分からないことは聞くのが一番です。

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①生活リズムをつくる

 生活環境が変わった時、周囲の動きが予測できないことがストレスになります。とはいえ犬に言葉で説明することはできません。犬にとって分かりやすいリズムの作り方を考えました。
 一つは、大まかなスケジュールを決め、それを人間が守って行動すること。一定期間は平日も休日もおなじリズムで行動します。


朝 散歩→朝食→出勤
昼 留守番(犬の自由時間)
夕 帰宅→散歩→夕食
夜 一緒に遊び、くつろぐ時間

 もう一つは、散歩コースを毎回同じにすること。いろいろなところに連れて行ってあげたくなりますが、まずは環境と生活リズムに慣れること。ぐっとこらえて同じコースを回りました。


②人間とスペースを分ける


 はじめての環境に犬はおびえて、さみしがったり、要求吠えをしてしまう時があるそうです。そんな時にかまいすぎたりすると、犬は常に人間がいないと不安になってしまうとのこと。
 そこで、犬の過ごす部屋を決めることにしました。犬が日中過ごす和室と、家族の集まるリビングルームのみ。しばらく観察していると、自分が落ち着く場所を認識したようでした。
 私たちが食事をする際も犬を同じ部屋には入れません。はじめはさみしそうにしていた犬ですが、しばらくするとリビングでくつろいでいます。要求吠えをすることはありませんでした。

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③無理強いをしない


 犬にとって一番のストレスは、傍にいる人間がこわいことだと思います。無理強いをせずなんでも徐々に慣らしていくことにしました。
 散歩中に不安そうにしていたら、それ以上は進まない(引き返す)。足ふきを嫌がったら一旦やめる。それでも日常に必要なことは、少しずつ、少しずつ、教えていきます。
 リードのつけ外しもすぐには慣れません。オヤツを使って「オスワリ」をさせてから首輪を触ります。ケージにも入りたがらなかったため、無理に入れることをやめました。そのかわりドアや柵の開け閉めに気を配り、逸走に注意しました。


一番の心配事:留守番

 私たちは共働きで、犬の留守番時間が長いのが一番の心配事でした。スタッフさんに事前に相談をして、こんな工夫をしました。


・3日間かけて、徐々に留守番時間を増やす(2時間→4時間→6時間)
・出ていくときは気付かれないくらいにそっと出る
・帰ってきたらしっかりと遊ぶ。

 はじめはストレス反応(過度にさみしがる・留守番中にいたずらをする)が心配でしたが、杞憂でした。留守中に部屋がめちゃくちゃになっていたことはありません。
 帰宅すると犬は大喜びで迎えてくれます。けれど、寂しさはあるはず。帰宅後の一緒に過ごす時間を大切にしています。

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困ったこと

 順調に家の環境に慣れていった犬ですが、少し困ったこともありました。
 ひとつは、出かけるときに犬が一緒についてきてしまうこと。思った以上にドアは簡単に通り抜けられてしまいます。あらかじめ準備するよう言われていた”玄関の脱走防止柵”が役に立ちました。
 もうひとつは、夜になると犬が脚を舐めて甘噛みをしていること。ケガをしているのではないかと心配になりました。相談すると、若干のストレス行動だろうとのこと。トライアル初期にはよくある犬の行動なのだとか。幸いすぐ収まりましたが、舐め続けたり歯を使って噛む場合は、診てもらった方がよいとのことでした。


1週間経った犬の様子

 できる限りの心構えと準備をした甲斐があったようです。大きなトラブルなく一週間を終えることができました。
 犬は散歩コースも覚え、少しずつ周囲の様子をみる余裕ができたようです。だんだんと私たちに慣れてきたのか、お腹を見せてナデナデを要求してくれるようになりました。

とはいえまだ1週間。すべてが順調に、とはいかないようです…。
次回、⑤トライアル2週目 をお届けします!

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