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スピーキング力を伸ばす:「英語で話す」までのハードルを乗り越える

英語でのインプットはある程度できているのに、実際に英語で話そうとすると言葉が出てこない。

そんな方はいませんか。

そのような方は、英語で話すときのために、英文冒頭のコアパターンをいくつかストックしておくことをおススメします。

どういうことなのか、具体的に説明しましょう。


英語のコアパターンを活用する

英語にはコアパターンがあります。

ざっくり言うと、多くの人が使う、ある程度決まった言い方とでもいうのでしょうか。

例えば、英語の冒頭に使いやすい I’ve never been to~は「~に行ったことがない」という意味です。

これを、I と have と never と been と to という5つの単語を組み合わせたものに「行ったことがない」という日本語訳を対応させて覚えてしまうと、使いたいときに取り出しにくいと思いませんか。

そこで、これを「アイヴネヴァービーントゥ(※)」という1つの塊として捉え、「行ったことがない」の意味をつけて頭にしまっておきます。

すると、会話に出て来た場所に一度も行ったことがないと伝えたいときに、さっと取り出しやすくなります。

I を言い始めると have never been to までは口が自動で動く感覚です。

こうすることで、思考する時間に一瞬の余裕が生まれるので、インプットしておいた別の表現や単語、英文を頭の中で探し、その後に続けて使いやすくなります。

※便宜上カタカナにしましたが、正しい発音という意味ではありません。

英語で最初の一言が出ない!

ここで私自身の話をさせてください。

まだカナダに語学留学したばかりの頃、英語で話そうとしても言葉が出て来ませんでした。

質問にはイエス、ノーで簡単に答えられるのですが、自分が言いたいことになると、うーん、うーんと唸るばかりです。

ホストファミリーとは、ジェスチャーや擬音、単語を使って何とか意思疎通をしていました。

どのくらいの期間、そのような状態だったのかはもう記憶が曖昧です。

でも、言いたいことは胸の中に募るばかりでうまく言葉になって出てこないという、まるで恋する乙女が体験するような苦しみだけはよく覚えています。

今でも鮮明に覚えているのが、ESLの授業で黒板に丸が10個、縦に描かれたときのことです。

私は下から二番目の丸について発言したかったのですが、その「下から二番目」を英語でどう言えばいいのかがわかりません(the second one from the bottomです)。

結局、先生が丸をひとつずつ指してくれたのに対し、私は順に首を横に振り、下から二番目になったときに初めて首を縦に振ったのでした。

そんな私でも、今は日常会話でほとんど不自由を感じなくなりました。

この違いは何だろうとあらためて考えてみると、話す前にどう言おうかと悩むことがほとんどなくなったことが大きな違いのように思います。

事前に言うことを考えなくなったのは、次の方法を自然と身に付けたからだと思います。

英語の出だしをいくつか用意する

例えば自分が主語の場合、I think/I don’t think、I want to/I don’t want to、I’m going to/I’m not going to などの言い方があります。

相手に質問する場合は、Do you want to、did you go to、would you like to、do you feel likeなど、さまざまな言い方が思い浮かぶと思います。

生活環境や職種などによって各個人の使用頻度の高い表現は変わると思いますが、その数は、実はそれほど多くないのではないでしょうか。

ですから、まずは自分に必要な冒頭パターンを厳選し、頭の中にストックしてください。

たとえば、自分の希望を伝えたいと脳で考えた瞬間に、口が勝手にI want toと言い始めるくらいにしておきます。

これを5個、10個と増やしていきます。

あらかじめ英語で話すとわかっている場合は(会議や英会話レッスンなど)、慣れるまで、選択した冒頭パターンをざっと復習してから臨むと効果的だと思います。

また、使える冒頭パターンを増やすのと同時進行で、今まで取り組んできた語彙や表現の学習も継続してください。

これは、I want toの後を続けるのに必要です。

会話で口から英語が出始めると、後には引き返せません。

最初のうちは、その後がうまく続かなくて困ったり焦ったりすると思います。

でも、どうにかこうにか英文にしようとするうちに、これまでインプットしてきた語彙、表現などがぽつりぽつりと口から出てくるようになるはずです。

そして、いつの間にか今よりも話せるようになると思います。

その頃には、もう冒頭コアパターンのストックを意識して増やす必要がなくなるかもしれません。

今より話せると実感できるようになるまでの間はさんざん間違えるでしょうし、自分の英語力に嫌気がさすこともあると思います。

でも、間違えることなく身につく言語は、この世に存在しません。

英語学習では、間違えるたびに「これで絶対に記憶に残って覚えられる。ラッキー!」と思うようにしましょう。

間違えたら、ボーナスポイントをゲットしたのと同じくらい喜んでいいと思います。

英語で間違えた皆さん、すごくラッキーです!

英語で間違えるほど、英会話は上達する

英語で話す際の大きな障害の1つは、英語が口から出るか否かだと思います。

話し始めさえすれば、耳を傾けている相手がいるのですから、どんなにつまずきながらでも前に進もうとします。

そして、少しずつ上達します。

でも、話し始めることがなければ、いつまでたっても話せないままです。

英語学習の「間違える」と「話せるようになる」は、1セットだと思ってください。

皆さん、大いに間違えて共に英語力をアップさせましょう。


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参考:やり直し英語達成道場

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