映画「影裏」
月夜のたまです。Amazonプライムビデオにて「影裏」を観ました。2020年2月公開作品です。原作は第157回芥川賞を受賞した沼田真佑さんの小説です。原作未読のまま鑑賞しました。
ストーリー
2009年夏、埼玉県本社から岩手県盛岡に転勤になった今野(綾野剛)は同僚日浅(松田龍平)と出会う。慣れない土地で孤独だった今野は日浅と親しくなり心を許していく。二人で酒をのみ、釣りに行き、他愛のないことで笑い合い、今野にとって日浅はかけがえのない人となっていく。しかし、ある日突然、日浅は今野に何も言わないまま会社をやめてしまう。しばらくして職を変えた日浅がふらりと現れるが元の関係にはもどらない。そして2011年3月、日浅が行方不明になっていることを知った今野は、日浅を必死で探すが、その過程で日浅の裏の顔、影の顔を知ってしまう。
松田龍平さんが、日浅の「魅力的であるが得体の知れない感じ」をとても上手く演じていました。日浅がザクロにかぶりつき、「ザクロは人の肉と同じ味がする」と話すところ、魅力的ですが何か良くない事が起きるんじゃないかという不安を感じさせます。
たき火の前で、日浅が「知った気になるな。お前の見てるのはほんの一瞬光が当たったところ。人を見るのは、その裏側。影の一番濃いとこなんだよ」と語るシーン。印象的です。
今野は行方不明の日浅を探す中で、裏の顔も知るのですが、知ってもなお日浅の事は大切に思っています。世間的に「悪人」でも、自分自身との間の幸せな時間は、決して消えません。自分に見せたその顔は、やはり真実なのです。
人間には裏の顔がもちろんあるけど、その時々に見せるひとつひとつの顔も真実なのかもしれません。
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