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アリスとテレスのまぼろし工場を観た!!

お久しぶりです。
色々あって全然書かなくなりました。
最近観た映画の感想を書いてみました。

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地元がモデルとなったあの花以降、岡田さんの関わる作品が気になるようになった。

例えば、どこかに「秩父」が紛れているのではないか、と探ってしまう。
地元が好きすぎるのかもしれない。

今回は何やら工場がモチーフ、
地元にある太平洋セメントなのではないか、と思った。
その工場、現在は1ヶ所。昔は2ヶ所あった。
私の記憶の限り、もう1ヶ所は長い間廃工場だったと思う。(現在はその場所に、空き地と商業施設が建っている)

元々工場を見たりするのも好きだったのもあったので、これは確認するしかない、と思った。
普段、観たいと思った映画が
こちらでは上映しないことも多いので
恐る恐る調べ…

「あの花」で知り合った方達が、映画観た!とか、試写会行く!というTLを眺めてソワソワしていた。

なんかとか上映最終日に観に行くことができた。

以降ネタバレあり





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気づいた事と考察

劇中には、山と海、港の描写
・港!!海!!秩父じゃない!!(そこ)

・こりゃ〜今回は製鉄所のモデルの太平洋セメントだけかも…と思いながら見ていたら武甲山しっかりあった。多分。
いや、絶対そう。

・太平洋セメントの他に、三菱セメント工場も武甲山の麓にあるので、景観とかは参考にしてるかもしれない

・終盤に出てきた高架
現在も稼働している太平洋セメントへ繋ぐ高架がある。もしかしてそれなのかも。
今は高架を走っていないが、はるか昔には使われていたような話を聞いたことがある。

海の上に高架線路って、秩父にはありえないけど、昔秩父も海だったとかいうし、あながち辿ったイメージなのかなとも思ったり。

エンドロールには碓氷鉄道文化村、とあった気がするので、そちらの高架のモチーフが強いのかも。

・製鉄所のモデルはやはり太平洋セメントだよね!?劇中、ヒビが入って、現在の廃工場が見えたシーンで、十数年前まで、確かに残っていたものの景色に似ていた気がする。

・街の雰囲気は地元ではない、ただ、私自身の記憶にある、似たような雰囲気の商店街があったので懐かしい記憶が思い出された

・神機狼(しんきろう)について
秩父の武甲山は龍神様である。空のヒビを補修する姿が龍っぽいけど狼?
秩父の三峯神社には狛犬の代わりにニホンオオカミが護ってる、ところから来てたら面白いな〜って

いつみの挙動が狼っぽいこと、五炉の中の神社にずっといたのはそこからくるのかな。

・秩父の山々に囲まれて育っていると、ここから出たい、という思考は強くある気がする。

・トンネルから出られない
トンネルからじゃないと出られない

このトンネルの描写も、
トンネルを抜けるとそこは…は、色々なお話にもよくある事で
秩父っ子が都会へ出ようものにはトンネルを通らないとすぐに行けないのです。西武鉄道を使って、一本で東京へ行ける。

トンネルを通らなくても行けるけど、遠回りになってしまう。
劇中では海に面してるので、外に出るにはトンネル抜けよう、となるのは必然かもしれないけど、
どこかに「秩父」があると探してしまうサガだと、こうなる。

・鉄道の描写も、セメント工場へ行く貨物列車があるのだけど、きっとそれがモデルじゃないかな、とか。
・終盤に正宗のお父さんの想いを知る正宗たち。出られなくなってしまった世界で、迷子の子供が、まさかの自分の孫だった正宗の父。元の時代に返してあげたい、という想いに心動いて消えてしまった、泣いた。
・息子の正宗も、いつみ(実は自分の娘)をこの世界から出してあげたいと望む。
・ここで父との思考がリンクしてるのがとても良かった
そしていつみのことは、人に見せてはいけない理由ってそういうことね〜となった。
・いつみに名前をつけてみたり、色々やってあげてた正宗の愛情の深さすごいな〜

・正宗の名前、「菊入 正宗 」
秩父の地酒に 菊水酒造があって、そこから菊とった?武甲酒造もあって、武甲政宗っていう地酒があるけどまさかそこから…?

・という、岡田さんお酒が好きだった気が……

・祭囃子が流れるシーン、秩父屋台囃子だった、秩父音頭の太鼓も流れてた、アツイ
・おじいちゃんボケてた感じなのに、ところどころの助言とか、最後は運転してて、おじいちゃん…!てなった。
このじいちゃんこそめちゃめちゃ愛情深い人なのでは…孫とひ孫の為に…泣くヨォ

・ところどころに秩父の人なら気づくであろうポイントがあるので、岡田作品はやめらんないっす。

ここがしんどかったこと、とそれについて考察


・むつみのサイコパス感、これはもうキャラクターの背景を見るとそうなるわね、となった。
・パンチラとかブルマの描写が、懐かしさというか、あったね〜みたいな感覚、とともに今の時代大丈夫?という勝手な心配。

作り手がその世代だとなってしまうものかなぁとか思いながらもしやわざと?って思ったりもして

・お祭りで、冗談で睦実が「先行くわね」と娘を置いて居なくなったシーン(子供心に一生トラウマになるんじゃ…)

・睦実、未来の娘に、辛辣(正宗の心は私のものと言いはった)
・お母さんの女を感じて将来反抗するのでは?と想像を膨らませてしまう笑
・ただ、娘もそれくらい両親が愛し合ってたこと、か そして自分が産まれた事、わかってて欲しいな〜とか。

・自分の兄貴に好きな人取られてしまったものの、ずっと見守りつつ、兄がいなくなって、それでも義姉の心が欲しいみたいな叔父の描写。正宗と義姉は守る、みたいなこと言ってたけど、そういうこと…

・でも母はそんな義弟の告白にも動じないとこ、めちゃかっこいい


全体の感想


正宗、両親の愛情をめいっぱい受け取って生きてくれて良かったなって思った

全てがかっこいいキャラクターじゃなく、人間臭さが溢れていた。

結局アリスとテレスは出てこなかったし
叔父の気持ちは振られたままという事になったけど大丈夫かな、とか思ったし
現世に戻れたいつみ(菊入さき)は、戻った瞬間どういう状況だったのかなとか、あんなおそらく10年くらいの成長期間の感情とか積み上げといた方がいい感性とか平気だったんか?とか心配にはなった。

最後で普通に話してるし自分の気持ちの言語化できてたから、さきちゃん大きくなってまぁ…みたいな気分にはなりました(?)

自分としてはちょっと苦しい感情になるお話だったけれど、ここから抜け出さないと何も変われないよ、と背中を押された。
そして、いつみ(未来の娘)を通して、未来のために頑張る描写には胸打たれたし、子孫のために今自分ができる事って何かな、とか、ふと思ってみたりした。

言い訳して逃げたらダメだ
前向いて、考えて最善を尽くす
そうだよね、そうなんだよね。

全ては自分次第で変えられる事、変わる事ができるのだ。

心が動いて神機狼に消されてしまった人たちはどこへ消えてしまったのだろう

実はそういう人から現世へ戻っていたりして。
いつみを送った後全ての「まぼろし」にいた人たちが次々と神機狼に消されて、現世へ戻って何事もなく過ごせてたらいいな。なんて思ったけど、あれは元々みんなが幻で
それを見ることができたのは、私たち観客だけだったのかもしれない。


あと、TEAM CHICHIBUのクレジットがとても良かった(知ってるお方のお名前…)

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