「閉店することが目標」のコーヒー屋は、変な勧誘に負けない強さを手に入れる。
ツキシマでーす。
暇なコーヒー屋をやってますが、コーヒー屋を始める前の目標の一つに、3・4年くらいしたらきれいに閉店するというのがありました。
なぜ「閉店」が目標なのか。
もっとちゃんと言うと、「開店から閉店までの一連を知りたい」っていうのがコーヒー屋を始める時の大きな目標で、特にその一連の中でどこに労力やお金がかかるのかを知りたかったんですね。その上で「できるだけお金をかけない」とか「忙しくしない」とか「フリーランスを試したい」っていう並行した目標もありました。
「家に帰るまでが遠足」っぽく言うと、「閉店するまでがコーヒー屋」ということですね。
それと3年くらい同じところにいると飽きるはずなので、いろんな場所に行きたいっていうのも一つの理由で、もし開店と閉店に労力やコストがあまりかからなければ3年ごとに拠点を変えながらコーヒー屋+エンジニア仕事+α仕事ができそうです。
閉店が目標になってることで、意外にもメリットがあった。
前に書いた、物を増やさないというのも閉店前提だからこその分かりやすいメリットですが、その他にも3つのメリットがありました。
メリット1:保険とかの変な勧誘をスムーズに断れる。
コーヒー屋をやってると、営業中に客を装って保険の勧誘とか来がちなんですが、素直に対応するだけでよくなります。
保険屋「もしご主人が病気になったら、お店は休業しますよね。」
私『いや多分、休業じゃなく閉店しますよ。』
保「??」
保「その時に収入がなくなると思うんですが、閉店しないために休業の時に受け取れる保険というのがありまして・・・」
私『むしろ閉店するために開店したという感じでして、一度は閉店してみたいので気にしないでいいですよ。』
保「???」
私『???』
こんな感じで「全ての飲食店は閉店したくないはずである」という考えの保険屋と、「そのうち閉店してみたい」っていうコーヒー屋で前提が噛み合わないので、営業中に来る面倒な保険屋さんはそのうち来なくなります。
メリット2:怪しいコンサルの言うことが全く響かなくなる。
インスタとかで怪しげなコンサル?の人が突然コンタクトを取ってきたりもするんですが、みんな口を揃えてこんな定型文を送信してきます。
「飲食店は7割が3年以内に閉店しています!閉店しないために〇〇を!売上××%UP!」
※ 〇〇にはウェブサイトとかキッチンカーとかテイクアウトとかコンサルティングとか、それっぽいのを自由に入れてください。
もし閉店が目標であれば、この見飽きた閉店率の話を見ても「7割のうちうまく閉店してるのは何割だろう」とか「閉店したくてしてる人はどのくらいだろう」とか7割側ばかりが気になるようになるのと、どっちかというと7割側をやってみたいので、その〇〇については何も響かなくなります。
メリット3:隙あらばコーヒー屋を誰かに譲ろうという感じになる。
今のコーヒー屋はステキな団地にあるので、せっかくなら上手に使ってくれそうな人に譲りたい気もします。将来コーヒー屋をやりたいっていう人がたまに店に来るので、閉店前に勧誘できるのもメリットですね。
客「こういうコーヒー屋いいですね!私も将来コーヒー屋をやりたいんです!」
私『じゃあここ譲るよ!来年からここでやってよ!』
客「えっ」
私『団地のオーナーさんとの契約で、早く出るときは次の入居者を推薦してみたいのがあったから、コーヒー屋やりたいならここで是非どうぞ!』
客「いや、考えておきます・・・」
私『上の方の部屋が開いてるから団地に住みながらコーヒー屋をやれるよ!このでかい冷蔵庫とか譲るから!エアコンもキレイだから!友達犬も紹介するから!(早口)』
客「」
そういえば最近あの人来てないな・・・
まとめ:閉店を前提に営業すると、不要なものが見えてくる。
むしろ、なぜ飲食店には「継続=善」で「閉店=失敗」みたいな前提があるのかもよく分かってないですが、きれいに閉店できたら成功だと思いますし、開店時から具体的に閉店を予定しておくと不要なものとか余計なものが分かりやすくなるのでオススメですよ。
本当はもっと早く次の移転先も見つけておきたかったんですが、県外に出るな!みたいな鎖国のせいで物件探しに行けない期間が長く、うっかり久留米のコーヒー屋が3年目を迎えてしまいそうな今でも次の場所を絶賛検討中なので、もう少しの間はこの団地にいそうです。
ということで、もしいい移転先とかいい物件を知ってる人がいれば、引き続きコメント欄か仕事依頼ページから教えてね。
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