カーネルおじさん像の小話
5ドルセットの食べ比べの投稿で、それなりにディスっておきながら、どこまでケンタッキーで引っ張るつもりなのか、ということだが、
今回もケンタッキーに関して書かせていただく。
といっても、今日はフードではなく、お店のディスプレイのカーネル・サンダースおじさん像についてである。
ある日、日本のとあるケンタッキーの店舗に置いてあったカーネルおじさん像がなくなっていた。
あれだけの大きさと重さのあるものだから、風にとばされてどこかに飛んでいってしまったということはない。
何者かによって持ち去られたのだろうが、監視カメラが現在のようにどこにでもあったわけではない、昭和の時代のこと。
犯人の目星も動機もわからないまま、おそらくマネージャーは警察に盗難届でも出したのではないだろうか。
しばらくおじさん像が不在のままで時は過ぎ、閉店後の片付けがされていた時に、店に電話がかかってきた。
「こんな時間にいったい誰から?」と不審に思いつつも、その時にいたスタッフが電話を受けると、
「私だ」
と、男性の声が電話口からしたそうだ。
「どなたですか?」
「…カーネル・サンダースだ。」
「。。。。???」
という、リアクションに困っているスタッフに対し、カーネルおじさんを名乗る者は、自分は今、これこれ、どこどこの住所にある公衆電話ボックス
から電話をかけているから、迎えに来てほしい、と頼んだ。
半信半疑で(当たり前である)、スタッフはとりあえず言われた住所の電話ボックスへ向かってみた。
すると、電話ボックスの中に盗まれた(誘拐された?)カーネルおじさん像がおさまっていた、という話である。
この話は、小学校時代に通っていた塾の先生が、授業の合間に話してくれた小話だった。
塾の先生が話してくれるこういった小話が大好きで、先生たちの人気は、授業が分かりやすいかどうかよりも、こういった余談がどれだけおもしろいかに、よっていたような気がする。
とはいえ、改まってこの小話を振り返ってみると、かなり展開が時代に制約されるな、と思った。
実際、これが作り話でなく、実際にあったいたずらだったとして、既にふれたように、今だったら、そこらじゅうに監視カメラがあるから、まず、盗んだ時点でばれてしまうわけである。
そして、そもそも電話ボックスというのが、事実上存在しない令和の現在、このオチの部分をどう処理できるか…といったところだ。
こういう、昭和には昭和の小話があったように、令和の塾では令和仕様の小話が語られているのだろうか。
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