只の独り言 7

 未だ見ぬ貴殿に初めてご挨拶申し上げる。
昨日投稿した読み本のマガジン先を悩んでいたが、結局脚本に落ち着かせたところだ。
脚本のマガジンは以前ボイコネというアプリで投稿していたものだが、そのボイコネのサービスが終了するという事でこのnote並びにpixivに投稿した次第である。

 さて、今回はそのボイコネについてぼやくとしよう。
少々愚痴っぽくなってしまうやも知れぬがご容赦いただきたい。

 高校時代演劇部だった事もあり、無性に演劇がしたくなっていた昨年4月、Twitterのプロモーションから発見して興味を惹かれた。
声劇をやるだけでなくシナリオも投稿出来るとの事で、学生時代書いていたシナリオを供養するには打ってつけの場所だと思っていた。
とは言ってもやはり演者方が好んで選ぶのは人気作ばかりで、実際に拙作で上演された数は一番多かった「雨雲の出処」でも10回を超えなかった訳だが。(実際の上演数は11回だが、内2回は自分で読んでいる)
それでも拙作を演じて下さった方々は「やってて楽しかった」、「面白くて良い話だった」、「また別のキャラでやりたい」等々言って下さった。
例えそれが社交辞令であったとしても、作者冥利に尽きる大変有り難い話である。

 投げ銭等についても、非常にやりやすいシステムだった。
エールと言うものを送る事が出来、貰った者はそれを換金出来るシステムとなっていた。
そのエール自体も運営から無料で支給されるものがあるため、無課金ユーザーでも推したい演者やシナリオライターにエールを贈る事が出来た。
更に毎月シナリオを投稿した者や、声劇やフリートークを指定された数だけ行なった者には換金ポイントが付与されるキャンペーンもあった。
卑しい当方はそれを目当てに月一のペースでシナリオを投稿し、一人読みの声劇やフリートークも行なっていたものだ。
現在此処とpixivに投稿している「Dear my Amnesia」も、このまま続けばそのシナリオの一つとして執筆する予定だった。

 しかしそんな風に楽しんでいたのも、僅か一ヶ月程の事であった。
5月の中旬に大型アップデートの告知があったのだが、その内容を見て目を疑った。
ボイコネのアプリは今までの声劇アプリから、小説ライブアプリに変更するというものだった。
 シナリオではなく完全に小説とする。それだけならまだ良かったもののその文字数は2000字と制限され、これまでに上げられたシナリオでその制限数を越えるものは自動的に非公開にされてしまうというものだった。
これだけでも多くのシナリオライターのモチベーションは大きく下落し、ボイコネの引退宣言をする者も出始めた。
しかしながら制限内に文字数を削減したり、思い切って作品を分割したりして投稿し直すライターも少なからず存在していた。
 当方も前述のキャンペーンが無くなるという事もあり前者寄りだったが、一先ずは様子見という手段を取った。
執行日が6月の末だったため、多くの反対の声を聞いて取り止めとなる可能性にも期待していた。
場合によっては拙作を使って下さった演者様方の為にも、2000文字以内で投稿し直す事も視野に入れていた。
だが、そんな覚悟すら嘲笑うかのような事態が再び発生した。

 大型アップデートを間近に迎えた6月の中旬、またもとんでもないアップデート内容が告知された。
月額500円を支払わなければ、声劇のアーカイブを残す事も視聴する事も出来ないというものだった。
たかが500円、と思われるやも知れない。だがそのアーカイブが、自分の書いたシナリオだった場合の事を考えてみていただきたい。
自分が書いたシナリオでそれも今までは無料だったと言うのに、ある日を境に金を支払わなければ観劇が叶わなくなるとはどういう道理だろうか。
それもその支払った金は、演者にはびた一文も行かないのだ。全くふざけた話だ。

 ボイコネの運営は貧困しているのかという一つの疑問が浮かんだが、ある演者様が拙作で上演した際のエンディングトークで、逆に儲かっている故の強気の戦略らしいという話をしていらした。
その真偽は不明だが、正直に言って「アホか」とその場でぼやいてしまった。
日本の高度経済成長が終わった理由を知らないのか、と運営に問い詰めたくなった程に呆れ返っていた。(補足すると原因は中東戦争によるオイルショックで原油が高騰し、当時以上の金払いが必要となった為である)

 ここまで読んでいただいた貴殿ならもうお分かりだろうが、これで完全にボイコネでシナリオを投稿するメリットも声劇を行うメリットも失われた訳である。
当方以外にもそう感じたユーザーは多かったらしく、故に最初に記載したサービス終了という結果になったのだろうとつくづく思う。
 因みにアプリ自体はまだスマホの中に残っている。
アップデート以後碌に開く事も無かったが、サービス終了とあらば画面録画でまだ無料で見れるアーカイブを録画しておかなければならない。
既に残すところあと二つ三つ程なので、それが終わればもうこのアプリに未練などは一つも無い。
ただまた演劇がしたい欲に駆られた際、次は何処でそれを発散出来るかが分からないのが現在の悩みだ。

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